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Buen Camino_Portugués-Ex1【pilgriming】巡礼後にポルトへ

これまでのあらすじ。
スペイン巡礼道の1つ、ポルトガル巡礼路でCatedral de Santiago de Compostelaに到着し、ミサにて司祭より日本からの到着者がいる旨アナウンスされた。またボタフメイロにも再び立ち会い、香炉で祝福を受けた。
今回はExtra編、もう一度ポルトに行く話。

巡礼旅の最初:

巡礼旅の最後(昨日のNote):


Buen Camino_Portugués-Ex1【pilgriming】巡礼後にポルトへ

6時起床。
真っ暗な共同部屋の中でベットを片付けて、荷物を持って食堂へ。
意外と混んでいる。

早めにキオスクが開いたからなのか、サンドイッチとコーヒーを食べている人が多い。
私は、昨日買ったリンゴやらパンやらハムを食べる。
いつもの食生活。

その中、急にアジアのにおいがしてきた。
朝から山盛りのごはんをさらに乗せている集団が一角を占拠しているのが遠くに見えた。
白ごはんうらやましい。

においの内容が気になる。
まわりの他の外国人は嫌な顔して外に出ていった人も。
それくらい強烈だったのだ。

これはキムチか?そして赤いスープはユッケジャンあたり?
そしてご飯にハングルが書かれたレトルトをかけている。

韓国の人?
近づいて聞いてみたところ、そうでした。
韓国はキリスト教を信仰する人が多く、サンティアゴ・デ・コンポステーラは聖地のひとつなのだということでした。
彼らはマウンテンバイクのツアーで来ているらしく昨日大聖堂に着いたらしい。
昨日見かけたマウンテンバイクの集団だった。

それにしてもキムチのにおいがすごい。
食材について聞いたところ、韓国から持ってきて毎日食べているとのことであった。
そこまでこだわりを持って食事を貫けるのがすごい。
毎日か。
確かに慣れている食事は安心だし、食料をすべて自国から持ってくるのも安全だし糧食としても問題が生じにくい。
でもそれでいいのか!?

話しを終えて元の席に戻ると今知り合ったカナダ人が「彼らは日本人か」と聞いてくる。
「いや韓国人だったよ。」というと。
「そうか」と答えた。
「日本人は私。どうかしたの?」と聞くと。
「白米があるから日本人かと思った。彼らは一体何を食べているんだ」と。
「キムチや韓国料理を韓国から持ってきて食べているみたいだよ」と教えてあげた。
「Oh KIMUCHI!  Awesome, Crazy! 」と彼は言って会話が終わった。

どっちだ。どっちの意味だ?

このカナダ人は今日はこれからフィステーラに向かうと言っていた。
歩き?それともバス?と思ったが質問しようしたらもうどこかへ行ってしまった。

フィステーラは「地の果て」と言われるところで巡礼を終えた人がさらに向かう場所。
スペインの西の端。夕日がきれいなところらしい。
私はまだ行ったことが無い。
バスクの巡礼中にフランス人から聞いた場所。最後に巡礼者が辿りつく場所だから是非行った方がいいと言っていた。
なんとなくまだ旅の途中な気がして行く気にならないまま、こうやってまた新たに巡礼を始めてしまっていた。
まだまだ巡礼路はあるので、その最後となるのであれば、フィステーラに行くことは無いのかもしれない。

さて私の今日の目的地はPorto。
巡礼をしてきた道をバスで戻る旅だ。

日の出とともに移動を開始する。まずはバスターミナルへ。

この日の出発は多少遅く日の出後に。


山の上に近代的なスタジアムがあった。
結構登らないとスタジアムに行けない。 おでんのような標識もあった。
ゴミはしっかり分別を。

サンティアゴデコンポステーラのバスステーションに到着。
改修されて綺麗に。
時刻もモニターにしっかりと表示されるので安心。
でもスペイン語なので注意。

結構時間がかかった。


これはバス時刻。
これは飛行機:サンティアゴデコンポステーラ空港の時刻表
これは電車の時刻表。

バスに乗る時の注意。
このバス、Flix Bus 9:00発のポルト行きなのだが、チケット上ではVIGOで乗り換える表示となっている。
しかし実は注記が添えられており、「同じバスで運行する」と小さく記載があり、乗るバスの番号がVIGOまでとVIGOからPortoまでと異なるのだがそのまま荷物も載せたまま乗車しておくこととなる。
終点のPortoまで行くわけだが、バスの運転手は「Campana」「Campana」と言う。よくよく考えてみるとバスの終点であるPortoの街中のバスターミナルが「Campana駅」であるため、ポルトの街中に行くためのバスの荷物部屋の荷物の保管エリアとしては「Campana」に分類される。
ちなみにチケット上は表示されていないが、VIGOとCampana以外にもBragaやAeroporto Porto(Aeroporto Francisco sa carneiro)にも止まるため注意が必要なのと、バスにはトイレが無いこと。
途中バス駅で休憩が設けられた時のみトイレに行くことが可能となる。
4時間のバス旅でこれが一番つらかった。(VIGOでトイレ休憩があったのですが、何分止まるとか言わないし。)
席は快適でした。USBで携帯電話の充電ができなかったこと以外は。


12日ほど歩いた道をどんどんバスは戻っていく。
行かなかったVIGOに到着。こちらも港町。
VIGOも観光都市
Bragaのバスターミナルはちょっと古め。でもフランスのよりはまし。
Porto:Campanha駅
アズレージョ再び。
人がたくさん並んでいたので飛び込みで入ってみた。 
生ハム原木から切り落としてその場でパンに詰めてくれる。2.4ユーロ。一枚一枚は薄くとも重ねれば肉の塊。
にくにくしいサンドイッチ。
前は通っていないPorto

さて、お腹がすいた。
巡礼路を歩いていなくてもお腹はすくのだ。
生きているから。
食べないと死んでしまう。

そうだ。と思いだしたのは初日のPorto。
調べてレストランに行ってみたが満席で入れなかったところがあったのだ。
ランチ時間帯ならいけるかもと思って突入。(でかいリュックを背負ったままで)

初日はいっぱいで入れなかった店に飛び込んでみる。ちょっと高めの値段。

飛び込んでみると、先週見かけたウエイター。
「1人お願いします。」というと、「予約はあるか?」との質問。
無いよ。予約なんてないよ。
正直に答えると、わかったと言って席に案内してくれた。

なんだったのこの不安なやり取り。
いずれにしても、まずは席に着くことができた。まずはその場所に入れないとやりたいことを始めることもできない。
この場合レストランに入れただけでも次につながる嬉しい出来事だ。

お店の今日のおすすめから選んで注文。

頼んだら入れてくれた。料理を注文するとパンが出てくる
パン美味しい。
Bacalhau . かなりでかい鱈。1品の注文だけでよかった。
むちゃくちゃうまい。
最後はやっぱりCafe con reche
なんかかわいいのがいた。

食事を済ませて、次はポルト大聖堂へ。
最後のクレデンシャルスタンプをもらうためだ。
スケジュールがこうなってしまったので、もう一度初心に帰ることに決めたのだ。

体調は相変わらず良くない。熱は無いが鼻水が辛い。
これはインフルエンザではないな。風邪だ。

ポルト大聖堂に来ました。
Cathedralの説明。最初は見なかったな。先に進みすぎた過ぎて。
辿りついたぞ!

大聖堂に到着。スタンプの場所ももう知っている。
もう一度、Porto大聖堂でCredentialにスタンプをもらう。
「Santiago de compostelaに辿りついて、そして今日もう一度ここに来た」ということを伝えたところ。
「ああ、そうなんだ」とさらっと返ってきて会話が終わった。

何かを期待していた自分が恥ずかしい。
そんなことここでは日常茶飯事で。何回も何万回と繰り返されている行為なのだ。
私が1回目だとしても、それは何度も行われている行為。
別に大したことも何ともない日常なのだ。

その一方で今日からはじまる人にも会った。
「クレデンシャルが欲しいがどこにもない!」と言うことなので、ポルト大聖堂のレセプションに行けば買えることを教えてあげた。
カナダからやってきた女性二人組だった。カナダの人との出会い多めの巡礼。

ポルト中心街は人でいっぱい。
フィルムアートとでも言うのか。
巡礼中もフィルムカメラを持っている若者がちらほらいた。
再び時代がやってきているのか?

仕組みはわからないが結構うまい。
でもトレースだともっと正確だと思うのでなんか別の方法で書いているのだろう。
巡礼中もフィルムカメラやインスタントカメラを持っている人を何人か見かけた。
フィルムブームが来ているのだろうか?
でもブームだと一過性だから継続ビジネスとしては成り立たないか。

街中は工事中。
Porto
路上生活者もちらほら。
街並み。道路。
すごい笑顔の銅像。に対して路上生活者のベットにもなっているベンチたち
Lgreja de Lapa : ラパ教会
お祈りの最中
お葬式ですね。この設備は。
祈りが届くことを祈る
中心街から数100m離れるだけでこんな景色も。
整備されているところと整備していないところの差が激しい
今日の寝床。最後の最後まで2段ベッド。

ポルトではアルガルベに泊まる予定にしていたが、一昨日問い合わせるともう予約で一杯とのこと。
ということは24人が泊まりポルトから北か南にスタートするということか。
昨日は2000人サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着していたから、私がスタートした時よりもより多くの人が歩いているということかもしれない。
皆の巡礼の幸運を祈りたい。


最後に出会ったのは、自転車旅をしているオランダの男の人。
リビングルームで手紙を書いていたところに声をかけた。

彼は自転車で地中海を一周しているらしい。
ようやくポルトに着いたのでそれを報告するためにはがきを書いているとのこと。
はがきは持ってきたものではなくて今日印刷屋で印刷したものと教えてくれた。
オランダからイタリアへ、そしてフランス、スペイン、ポルトガル。
この後は、もう一度スペインに行きジブラルタル海峡を渡りモロッコへトルコ:イスタンブールを経由しイタリア:ローマを目指すそうだ。

壮大な旅だ。
その途中のポルト。そしてこの宿。
私の旅は一旦終わるが彼の旅はまだまだ続く
巡礼の旅は、ゆく先々で一瞬出会い、そして別れる。

電車に乗り合わせた乗客のようだ。自分が下りる、あるいは相手が下りる次の駅まで一緒に過ごすが、それ以上でもそれ以下でもない。
何か行動を起こせば、良くも悪くも、自分の判断で物事を進められるのかもしれない。
実際、彼に声をかけなければこの壮大な旅を知ることはできなかった。

何も起こさなくても、時間は進む。
世の中や他人なんて実質的にはコントロールできないことがほとんどだろう。

自分が影響を与えることができることは世の中にはほとんど無いのかもしれないが、自分のできること。自分自身がコントロールできる「自分自身の態度、考え方、言動」ぐらいはしっかりと持ちたいし、今回のようにきっかけを起こしていきたい。

そういう意味では、全く何も知らない土地で、知らない人たちと行動し、自分のコントロール下にほとんどない状態で今回の巡礼旅も自分の足で歩き、一緒に行動する相手を決め、自分の判断で行き先を決めてきた。
自分がコントロールできる範囲を抜け出して、でもこれまで培ってきた知識や経験を最大限に生かして、それをもっと拡大して進んできたと言えるだろう。

これからはその範囲をもっと拡げること。
もっと言葉も含めた知識も必要だし、いざというときに動ける精神力も必要だろう。

次の旅のために、準備を進めていくことにする。
たどり着いたらそこがスタート。

それでは今日も良い一日を。




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