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【奇声を上げる夫】 〜共通の趣味がほしい パート2〜 夫婦でマラソンを始める

主人と共通の趣味がほしくて、
テニススクールに通うも1年足らずで挫折。

ほとぼりが覚めた頃、
私はマラソンにチャレンジしていた。

相手に左右されずに、
一人でも続けられるものじゃないと、
継続しないということを学んだつもりだった。

私は、市や東京都が行うマラソン大会などに申し込み、
週末はその練習時間に費やしていた。

また、マラソンを通じて仲間ができてきて、
とても有意義な時間を過ごしていた。

マラソン大会にも、仲間とエントリーし、
完走した後で、仲間と一緒にビールを飲む。
これが、たまらなく達成感を得られた上に
楽しかったのである。

もっとも、初めはダイエットを兼ねていたが、
仲間と完走を祝杯するビールの誘惑には勝てず、
その目標はいつのまにか消え去っていた。


主人と通っていたテニススクールを辞めて
約半年が経過し、私がマラソンに熱中していたころ、
ふと思い出したのである。

主人は高校時代、陸上部に所属しており、
マラソンの選手だったらしい。
県大会の決勝まで行ったとか。

確かに、主人の実家に行った時、
主人が県大会のスタート地点で構えている
写真があったのを記憶している。

太ももが筋肉粒々で、本当にたくましい。

その後、約10年余り。

ピーマン食べながら、
日陰で生息していた姿から
同じ人物だと認識するは少ないだろう。


おぉ、これは夫婦のシンクロというやつだろうか。
これこそ、一緒に楽しめる趣味にたどり着けたかもしれない!!

とはいえ、あまり期待すると
主人には負担になるだろうから、
さり気なく誘ってみた。

何度も断られ、同じ結果になっていたが、
私は、何かきっかけがあれば、
一緒に走ってくれるかもしれないと思っていた。

ある日、マラソン仲間が家に遊びにきてくれた。
私の家の近所の川縁を
川を見ながら、一緒に走ろうと誘ってくれたのだ。

そうだ!
もしよければ主人も誘ってみよう。

マラソン仲間にもその旨を伝え、
理解を得られたので、主人も誘ってみることにした。

気乗りはしてなさそうだったけど、
なんとなくきまりが悪かったのか、
OKをしてくれた。

これで、外に出るきっかけと、
少しずつでいいので、
主人と一緒に楽しみができればいいなと
軽く思っていた。

いよいよ当日。
マラソン仲間は遠くから私の家に遊びにきてくれた。
私、友達、主人は準備をして、
近所の川縁に歩いていった。

広い川を見て、開放的な気分になりながら、
準備体操をした。

あぁ、お金をかけずに、
こんなに楽しく運動ができるなんて…
それだけで、とても満たされた気持ちになった。

そして、3人で走り出した。
徐々にペースを上げて。

ゆっくりペースで約1時間。
少なくとも、5キロは走っただろう。

とても軽快な気持ちになった。

その後3人は、私の家に戻り、
お決まりのビールを片手にお喋りをしながら、
楽しい時間を過ごしていた。

友人が帰った後、
しばらくすると、異変に気づいた。

そういえば、主人が部屋から出てこない。
最初は、私と友人のお喋りしていたから、
遠慮してくれていたんだと思っていた。

どうやら、熱を出してしまったようだ。

急に運動したとはいえ、
その日の夜から熱を出してしまうとは思わなかった。

やっぱり、運動を一緒にするのは、
嫌だったんだな。

残念だけど、マラソンは一人でもできるし、
自分だけ楽しめればいいかと潔く割り切ることにした。






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