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#09 本格泡盛と料理との相性について

今回の問題

本格泡盛と料理との相性について述べよ。(2021年)

自分の回答

200字回答

泡盛は、黒麹菌を用いた米麹と水を原料として、一度に仕込む沖縄県の伝統的な焼酎である。主原料はタイ米で、4-ビニルグアイヤコール(4VG)を多く含む。新酒では4VGは丁子のようなスパイス香として感じるため、山羊汁やラフテー、ソーキなどと新酒のオン・ザ・ロックスで合わせる。熟成が進むと4VGはバニリンへと変化してバニラ様の香りとなるため、島豆腐を発酵・熟成させた豆腐ようと古酒のストレートで合わせる。(199字)

回答の要素

泡盛とは
沖縄県の伝統的な焼酎。
黒麹菌を用いた米麹と水を原料として、一度に仕込む(全麹仕込み)。
濃醇な香味を特徴とし、常圧蒸留されることが多いが、一部減圧蒸留のものもある。
主原料はタイ米で、フェノール化合物である4-ビニルグアイヤコール(4VG; 4-Vinylguaiacol)をやや多く含む。
黒麹に由来するマツタケ様の香り(1-オクテン-3-オール)もある。

泡盛と合う料理
新酒では4VGは丁子のようなスパイス香として感じる。山羊汁やラフテー、ソーキと、新酒のオン・ザ・ロックスで合わせる。
古酒では4VGはバニリンへと変化してバニラ様の香りとなる。島豆腐を発酵・熟成させた豆腐ようと、古酒のストレートで合わせる。

回答の構成

・黒麹菌、一度に仕込む、沖縄県
・タイ米由来の4-ビニルグアイヤコール(4VG)
・新酒:丁子・スパイス香、山羊汁・ラフテー・ソーキ、オン・ザ・ロックス
・古酒:バニリンに変化、バニラ様、豆腐よう、ストレート

回答の補足

米の細胞壁からフェルラ酸が遊離し、黒麹菌由来のフェノール酸脱炭酸酵素(AlPAD)により4VGへと変換され、それが貯蔵によってバニリンに変化する。

眞榮田 他 (2021)

ちなみに、4VGにはいくつかの表記揺れがある
・4-ビニルグアイヤコール
・4-ビニルグアイアコール
・4-ビニルグアヤコール

他の回答

先人たちの回答

泡盛は沖縄で造られる蒸留酒で、主原料はタイ米。マツタケ様の香り(1オクテン3オール)を特徴とする。よって、料理は沖縄料理全般、豆腐よう、マース煮、ラフテーなどと合い、個性が強い山羊汁とすら合わせられる。また、タイ米が原料なのでタイ料理とも合い、カオパッとの相性はいわずもがな爽やかさを伴うパッキンガイ等とも好相性。ガイヤーンのようなコクと香ばしさのある料理も泡盛によってふくよかさとキレを与えられる。

すしログさん
https://sushi-blog.com/sakelog/sake-diploma-essay/

泡盛は、黒麹菌を用いた米麹と水飲みを原料として一度に仕込む全麹仕込みを特徴とする、沖縄県の伝統的な焼酎である。タイ米を用いて造られる泡盛には4VGという成分がある。新酒では4VGは丁子のようなスパイス香として感じ、山羊汁の動物的な香りや、ラフテー、ソーキなどと合う。古酒ではバニラ様の香りとなり、島豆腐を発酵・熟成された豆腐ようのナッツやカマンベールチーズのような香りとよく合う。

えすにっくさん
https://ethnicsake.blog.fc2.com/blog-entry-165.html

参考文献

J.S.A SAKE DIPLOMA 教本(Third Edition)p. 227,239,240
金桶 光起, 清酒中の4-ビニルグアイアコール生成要因, 日本醸造協会誌, 2014, 109 巻, 5 号, p. 320-326
眞榮田 麻友美, 渡嘉敷 建孝, 平良 東紀, 泡盛古酒香バニリンの生成メカニズムの解明, 2021, 閲覧2023年9月27日
Maeda M, Motosoko M, Tokashiki T, Tokashiki J, Mizutani O, Uechi K, Goto M, Taira T. Phenolic acid decarboxylase of Aspergillus luchuensis plays a crucial role in 4-vinylguaiacol production during awamori brewing. J Biosci Bioeng. 2020;130:352-359.

※ 引用時に出典URLを明記したものは省きました。
※ 内容に間違いがある場合があります。ご指摘いただけると幸いです。


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