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坂月さかな
2020年2月13日 20:15
ある星で散歩をしていると、見事な湖があった。磨いた鏡のようにピンと張り、一面に夜空の星を映している。 水際に観光案内板と小さな木の机があった。薄桃色の糸閉じノートと、短くなった銀鉛筆が置いてある。ノートの表紙には『ひとこと』と書いてあり、中を開くと、ここを訪れた人たちの言葉が数ページに渡って並んでいた。 中にひとつ、目を引く風景スケッチがあった。備え付けの銀鉛筆ではなく万年筆で描かれているよ
2020年2月11日 05:30
宇宙飛行機の燃料補給のため、ある星へ降りた。ひっそりと静かな夜で、遠くまでまっすぐに道路が一本伸びている。見渡す限り周りには何もない。雲も霧もなく、澄んだ空には月や星がまばらに広がっている。宇宙飛行機を〈陸上自動運転モード〉に切り替え、道路を走って燃料スタンドを探す。天窓から空を見ていると、月がやけに点滅することに気づいた。やがて道路の向こうに灯りがひとつ見えてきた。行ってみると小さな