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103. 東京の生活史 ダイジェストブック 【フリーペーパー】

フリーペーパーというより内容見本なんですが。
「東京の生活史」という本があるそうで、その本の概要や目次、本文の抜粋がまとめられて小冊子になっています。

この本は
東京で生まれた人、
東京に住んでいる人、
東京にやってきた人
など東京に縁のある人々に、公募者が聞き手となってインタビューをした”生活史”を並べたものだそうです。
集合的で曖昧に捉えられがちな「東京」という街を、もっと現実的・実際的なものとして見つめたい、という趣旨の元制作されました。

150人の話が綴られた、1216ページという膨大な量の本ですが、それでも無論、これが東京のすべてではありません。
一端を少し抜き出して、目に見える形にまとめてみたもの。そんな感じ。
生の声が(恐らく)ほとんど修正なしで文字に起こされているので、ちょっと分かりづらかったりもするような、生々しさがあります。

ダイジェスト版を見るに目次が面白くて、インタビューの中の一文が抜粋されて目次の役割を担っています。
例えば

電車に、ペットボトルのごみ落ちてて……私これを拾わなかったら明日に残るなと思って

この感覚ちょっと分かる。なんでもないようなことが、良心が痛んでいつまでも気にかかってしまうやつ。”やらなきゃ後悔する”を”明日に残る”と表現しているのが面白い。

雑誌を買ってページをめくってると、新島の海の色って独特だから、すぐにわかるんですよね。あ、これ新島だって

太平洋と日本海の違いくらいなら分かるけれど、新島ってどんな海だろうと調べてみたら、ターコイズとかシアンっぽい明るい色でした。住民の方から見ると沖縄とかとは違うんだろうか。

で、前の工場っていうのは、そうだ、火事になって焼けた

え、ちょ、どういうご職業……? と話の前後がすごく気になってしまう文も多かったです。

こんな感じで、ただ一章二章と連ねていたり、名前順になっていたりするのとは違い、内容の気になるキャッチーな目次になっています。

公募はインターネット上でなされたそうで、500人弱からの応募があったとか。
わたしは全然知らなかったけれど、インターネット上で情報をよく見聞きしているような人たちが応募したんだろうか。
自分でインタビューしたい人を選んだそうで、面白い企画ですよね。

どうやってこの企画を進めていったか、担当編集者の制作日誌も、この冊子に少し載っていました。
これは特設サイトにて全文公開されています。

なんとこの特設サイトに、目次の一覧も載っていました。
何だかホームページだけでも随分な読み応えです。
今度時間がある時にじっくり読んでみよう。
本自体も見掛けたらちょっとぱらぱらしてみたい。だいぶ分厚そうである。

ダイジェストブックってあんまり見た記憶がないけれど、色々な書籍で販促として出されているものなんでしょうか。
適当な厚さでさらっと読めて、本自体も気になる、良いダイジェストだったと思います。

今回は本紹介の紹介みたいで変な感じですが、こんなところで。
ではまた。


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