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168. 最近よく聴く、暗くて静かな曲 前編・darkher 【音楽】

もうタイトルの通りです。最近聴く曲に迷うと大体ここに落ち着いている、暗くて静かなアーティスト3選。
外でイヤホンで聴くと他の音に負けてしまいがちなので、専ら家で作業中や読書中にかけています。落ち着く。
みんなジャケットデザインも暗くて曲に合っていて、デジパックだから何となくお洒落な感じがするのも良い(笑)

(意外と長くなってしまったので、前後編に分けることにしました。今回はゴシック・ドゥームメタル(?)のdarkherを取り上げています。)


・darkher「Realms」「The Buried Storm」
イギリスのバンドThe Stealsのボーカル兼ギタリスト、Jayn Maivenのソロプロジェクトで、ダークでゴシックな世界観が特徴的なdarkher。
「Realms」がファースト、「The Buried Storm」がセカンドアルバムで、セカンドは去年出たばかりです。

バンド自体とファーストアルバムの詳しい解説はこちらの方がブログでがっつりして下さっているので、ご参照頂ければと思います。

わたしは正直音楽ジャンルの区分けもよく分からないですし、バンドの縦横関係、レーベル等にもとんと疎いので率直に聴いた感想をば。


何より惹かれたのは、深淵から響いてくるような、儚さと翳りを持ったボーカルです。
上で引用させていただいたブログでは、「絶望に満ちた怖いボーカル」と評されていますが、わたしには深い悲しみを湛えた声音に聞こえます。あるいは無感情な人ではないもの、たとえば長い年月放浪するうちに記憶も何もかも失った亡霊の彷徨っているような。

しかしこのドリーミーな歌声は、the stealsの方ではポップでムーディーなバンドサウンドに乗って、心地よい陶酔感をもたらします。おどろおどろしさ、暗黒の気配は全くなく、声は同じなのにこんなにも聴こえ方が変わるのかとびっくりです。

音楽ジャンルとしては主にネオ・フォークとヘヴィメタルの中のドゥームメタルを融合させたものらしいのですが、ネオ・フォークが何なのかいまいちよく分からず。
ドゥームメタルはwikipediaによるとテンポが遅くてダウナーな感じが特徴なのだそうで、まさにこのテンポがゆっくりなのも神秘性を高めている要因でしょう。自然に作品世界へ誘われ、微睡みながら指先から黒く染め上げられていくイメージです。
ここまで耽美な暗黒世界を作り出すバンドは他にないのではないでしょうか。

また、全体の雰囲気は一貫しているものの、一曲ずつの完成度も高くどれを聴いても心霊世界をたゆたうような心地になれるのもポイントです。それぞれの曲の中で、ゆっくり静かに始まって、次第に重厚さを増し盛り上がっていくのが何ともたまりません。

ダークな雰囲気を醸し出すのに一役買っているジャケットを始めとしたヴィジュアルでは、Jayn Maivenは黒一色の装束・長い巻き毛・陰鬱な面差しで、この世のものとは思われないゴシック味があります。もしかすると本物の魔女かもしれない、と信じたくなる説得力。

このヴィジュアルで、あの幽玄な歌声。ライヴは一体どんな神秘的な空間なのか、一度は体験してみたいです。今も精力的に活動されており、イギリスに行けば聴ける……。
対バン相手もゴシックメタル・ダーク系のロゴなのでチェックしてみるつもりです。また良きバンドに出会えたらご紹介します〜。

後編書きました。↓


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