知らない路地に眩暈がした話
先日、香川へ旅に出たときの話。
行き先は山の麓にある、有名なうどん屋さん。
ローカル線を乗り継ぎ、観光地でもないごく普通の駅で降りる。
お店まで徒歩20分の道のり。
何気ない住宅地を歩いていると、突如眩暈が襲ってきた。
寂れたお店の飲料の古い看板
原っぱにポツンと立つ石屋さん
地元の人でさえだれも見向きもしない、よくわからない石碑
そして夕暮れの匂い。
なんだか目に見える全てが愛しい。そして不思議と懐かしい。
懐かしすぎて、頭がクラクラしてきた。
以前、似たようなことを記事に書いたことがある
「前世はここに住んでいたのかも」みたいな陳腐なものではなく、
どちらかというと、何かに掴まれたような気持ちだ。
「私はここに住むべきではないのか」と。
一方、知らない土地に、懐かしさを見出すのは、理論的に説明できる気もする。
街のオブジェクトの一つ一つを取れば、自分が今住んでいる場所のものと、ほぼほぼ同じだからだ。
信号機、道路標識、建築が会社が作った家や会社、学校、コンビニ。
似通ってくるのは当たり前のことだ。
さらに、今住んでいる場所や環境に嫌気が差していることも手伝っているかもしれない。
でも、それをも乗り越えて、その土地の力といおうか、不思議なはたらきが作用している気がする。
特に今回の旅ではそう感じた。
私は何故、帰らなければならないのだろう、と。
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