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シリーズが苦手な人にこそ見てほしい 「キングスマン:ファースト・エージェント」感想

※この記事には「キングスマン:ファースト・エージェントの」決定的なネタバレは含まれていません。
しかし、シリーズ「キングスマン」「キングスマン:ゴールデンサークル」の重要なネタバレは含んでいます。
シリーズ未見の方はご注意ください!

タイトル通り、私はキングスマンシリーズが大の苦手であった。
スパイガジェットや、ユーモアセンス、魅力あふれるキャストは大好きだ。
しかし何よりもグロシーンが苦手な私。映画館ではいつもビクビクしながら見ていた。
しかし、キングスマン前日譚を描くいわば「エピソード1」である最新作「キングスマン ファースト・エージェント」は、今までとは一味も二味も違う、シリーズ中で一番好きな作品になった。

私がキングスマンが苦手な理由

1.グロテスクな表現

先述したように、一番私が苦手としている要素がグロテスクシーンだ。

1作目の「キングスマン」では序盤から味方のエージェントが敵の攻撃によって文字通り縦に「真っ二つ」に割れる。
それだけじゃない、敵の歯が吹っ飛んだり、顎にステッキが貫通したり…
まさに、R15+にふさわしいほどのグロシーンの連発だった。

次作の「ゴールデンサークル」ではPG12になり、グロ描写が抑えめになったものの、やっぱり体は真っ二つになるわ(今回は横に!)、人がミンチマシーンに入れられるわ、泣きべそをかいて映画館を後にしたのを覚えている。

グロシーンは好きな人にはたまらないと思うが、慣れていない私は苦痛でしょうがなかった、今でもゾッとする。

2.主要キャラが死ぬ

苦手な理由の二つ目は、主要キャラが有無を言わさず死ぬことだ。

1作目では映画ポスターのど真ん中に写っていて、誰が見ても主役であるコリン・ファース演じる「ハリー」が、映画中盤で銃殺されてしまう。
敵に催眠され、操られてしまうところでもう苦痛だったが、まさか普通に殺されるとは…
ハリーの死はストーリー上では欠かせなかったことだろうし、次作では奇跡の復活を遂げるのだが、それでもあのシーンは今でも脳裏に焼き付いている。まさにトラウマ。

次作「ゴールデンサークル」では、1作目からの重要人物「マリーン」が銃弾に倒れてしまう。
本拠地であるキングスマンさえも敵組織に壊滅的に爆破される。
やられる時はコテンパンにやられる「キングスマン」。
同じスパイ映画では「007」のMI6本部も敵に爆破されたことがあるが、キングスマンは組織の人が比べ物にならないほど死んだ。ああトラウマ…

今作は一味も二味も違う!おすすめポイント

そして今作「ファースト・エージェント」も安定の「PG12」。
「また見るの辛いだろうな…」ビクビクしながら映画館に足を運んだ。
苦手なのに見たくなる。これは怖いもの見たさだろうか。

結論から言うと、そんな私の不安を払拭するほど今作は面白かった!

今作はキングスマン誕生を扱ういわゆる「プリクエル」である。
とにかく、騙されたと思って何も知識を入れずに見て頂きたい。
もうちょっと情報がほしい半信半疑の人のために、あらすじとおススメポイントを以下に紹介する。
決定的なネタバレはしていないが、予備知識無しで観たい人注意して頂きたい。

まずは、公式サイトのあらすじを引用させて頂く。

1914年。世界大戦を密かに操る謎の狂団に、英国貴族のオックスフォード公と息子コンラッドが立ち向かう。 人類破滅へのタイムリミットが迫る中、彼らは仲間たちと共に戦争を止めることができるのか? 歴史の裏に隠されたキングスマン誕生秘話を描く、超過激スパイ・アクションシリーズ待望の最新作。 最も過激なファースト・ミッションが始まる!

ポイントその1
「歴史上の人物が登場する重厚なストーリー」

今作が今までのシリーズと一番違うのは、実在の歴史上の人物が出てくるところだ。もちろんストーリーそのものはフィクションだが、世界史を学んだ人ならおそらく一度は名前を耳にしたことがあろう個性的なキャラが続々と出てくる。
ラスプーチン、マタ・ハリ、ジョージ5世…そしてラストのあの人…
私は日本史専攻だったが、この時代の各国の思惑や出来事が面白すぎて、世界史を今から学んでみようと思ったぐらい。

そしてまさに第一次世界大戦が起ころうとしている時に、キングスマンは世界平和のために秘密裏に誕生する。
「歴史を動かした大きな出来事の裏には、実はある組織が暗躍していた」
こんなフレーズににグっとくる人は、絶対に見てほしい。

ポイントその2
「キレッキレのアクションシーン」

これはシリーズ共通して言えることだが、今作もアクションシーンがとてつもなくスタイリッシュで、見ていて惚れ惚れする。
なかでも物語中盤の主人公オックスフォードの右腕「ショーラ」とロシアの怪僧こと「ラスプーチン」の華麗なバトルは本当に笑っちゃうほどカッコいい。
誰もが聞いたことのあるクラシックの名曲に合わせて、あえないほどの外連味で踊りながら戦うラスプーチン。良いキャラだ。
バトルシーン自体は前作等と比べると少なめだが、その分一つ一つが大変"濃く"なっていると思う。
シリーズ特有のカメラワークもクセになる。

ポイントその3
「そんなにグロくない!」

これが私にとって一番重要なところ!(笑)
物語自体がシリーズ屈指のシリアスな展開なので映画の厚みが違う。
先述したがバトルシーンが少なめなので、グロシーンも本当に少ない!
かといって、グロ表現が全くないわけではないのでそこは注意。
そりゃ「PG12」だもの…
なので顔を背けるシーンは一つだけあった、終盤のアレ。
でもアレを乗り切ったら大丈夫。
ご親切にスローになるから直前で目を伏せれば大丈夫です。
まあ私もこれまでシリーズを通して耐性がついたのかしれないけど。

以上、なんだかんあだアツく語ってしまったが、キングスマンっぽさはしっかり踏襲している今作。ショッキングなシーンもやっぱりある。
それでも空気をガラっと変えた野心作、苦手な人にこそ見てほしい!

最後に、1つ。
本作を気に入ったならパンフレットは絶対に買うことをおススメする。

内容のボリュームはさることながら、何よりも「手触り」がスゴイ。
何を言ってるかわからないかもしれないが、高級レストランのメニューのような質感だ。これは実際に触ってみないとわからないと思う。
「世界一手触りの良いパンフレット」としてギネス認定してほしい。

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