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森保JAPAN シーズン2がはじまる前に

3月24日ウルグアイ戦(国立競技場)、3月28日コロンビア戦(ヨドコウ桜スタジアム)で、2026W杯に向けた森保JAPANシーズン2が幕を開ける。
その前に、シーズン1を振り返って個人的に思うことと、シーズン2に向けた予想をしてみたい。

色々な意見があるだろうが個人的には森保監督の続投には賛成だ。
賛成の理由は、今回森保監督がA代表と五輪代表を兼任したことで、この2つのチームを適切に融合することで代表チーム全体の強化の底上げが図られることが実証されたと感じたからだ。
現状JFAは五輪監督について日本人監督を前提に人事が進められる。
ので、A代表で外国人監督を招聘した場合、五輪OA枠の人選など適切な融合を図るために必要な条件が満たせない状況が発生する可能性があると思う。
現に東京オリンピックの韓国代表ではパウロベントA代表監督が五輪代表に対して全く協力的な態度を見せなかった。欧州人監督の場合は日本やアジアにおける五輪の重要性が理解できないのだと思う。
そこでいうと、森保監督は大岩五輪代表監督とも連携して、チーム強化を目指した適切に融合した1チーム2カテゴリー制に近い協力を惜しまない様に感じるからだ。

シーズン1の集大成である2022W杯はベスト8こそ逃したものの、GLでドイツ、スペインを倒しての堂々1位突破は素直に期待感が爆上がった。
森保監督就任後は基本4231で継続してきた。最終予選の途中で433に変更して難局を乗り切り、W杯本大会でこれまで殆ど使っていなかった、広島監督時代に馴れ親しんだ3421へといきなりぶっつけ本番で布陣変更したが、戦術も含めて見事にハマった。

個人的に、森保JAPANシーズン1の過程で最も特筆すべき試合は、2020年10月9日のカメルーン戦だと思っている。
コロナ禍となって1年近く代表活動が停止していた状態からの活動復帰となった試合で、移動の制限があるため史上初めて欧州組だけでの編成となった日本代表の一戦。
4231で入った前半は全く良いところなくカメルーンにやられていたが、後半の頭から酒井宏樹を右CBにして酒井・吉田・冨安の3バックへの変更が功を奏し、後半は殆ど日本ペースで進んだ。結果は0-0のスコアレスドローに終わったが、そもそも1年ぶりの代表活動でぶっつけ本番3バックへの変更で試合の流れを大きく変えたのはW杯本番の試合に近い。森保監督のW杯本番で事前準備ほぼなしでの3421への布陣変更に対する自信は、この試合の経験で掴んだんじゃないかと思っている。

後出しジャンケンに聞こえるだろうが、個人的に2022W杯本番は3バックで挑むんではないかと予想していた。
理由は2つ。

理由①
相馬勇紀が選出されたこと。
正直この時の日本代表で相馬の起用ポジションが全く予想できなかった。
そこで色々考えると相馬が森保監督体制下で最も起用されたポジションは、恐らく五輪代表における3421の左WBだったように思う。だとすると、森保監督は相馬をこのポジションで起用する可能性が最も高いと感じた。

理由②
W杯代表選手発表の直後に左SB中山がケガをしたが、代役で選ばれたのがFW町野だった。
普通に考えてこの代替選手選考はどう考えてもおかしい。
では何故左SBの代役がFWなのか?と考えて、辿り着く最も合理的な答えは、「左SBのバックアップ選手がいなくても、左後方の守備に関しては別のアイデアを用意してあるので問題ない」という解答に。
でなければこの代替選考はありえない。

つまり森保監督は、かなり早い段階からW杯本番では4231でスタートして、後半3421に布陣変更するというゲームプランを準備していたことになる。
さらに推測すると3バックへの布陣変更に関しては三笘の左WB起用を念頭に置いた策だったのではないかと思う。相馬の選出理由もそのバックアップとしての色が濃い。

2022年6月14日のチュニジア戦後に三笘が「チームとしての意識の共有とバリエーションが不足している」と指摘したことに対して、森保監督は「彼自体が戦術。さらに独力でいける選手になって欲しい」という受け答えをしたことから、メディアで大きく「戦術三笘」と書き叩かれていた。

しかし個人的には森保監督はこの時点ですでに三笘の左WB起用を固めていたのだと思っている。
左WGであれば攻撃に対する期待値に比重が傾くので、三笘の発言はごもっともな意見に聞こえるのだが、森保監督はすでに左WBで起用する腹積もりなので、当然守備に対するタスクも大きく求めるし、低い位置から長距離での単独ドリブル突破を期待しているので「さらに独力でいける選手になることを期待する」という発言は別に理に適っている。
実際W杯のスペイン戦での三笘は、守備面を含めて独力で状況を打開できるMVP級の活躍をした選手として燦然と輝いていたし。

森保監督を見ていると記者会見で嘘の発言はしないが、目指すべきチームの全体像に関しては意図的に質問者が理解できない様に隠しているように感じる。でも嘘ではないので言葉の裏をよく目を凝らして推察すると意外と本音が見えてくる気がする。

2022W杯での日本代表の戦い方が森保監督の考える理想のゲームモデルなのかというと、当然そんな訳ない。
4年賭けてチーム構築してきて辿り着けた4年後の到達地点で、現実的に勝つための方法論として選択したのが、広島時代に結果を出した成功体験がある3421への回帰だったのではないかと思う。
理想のゲームモデルではなく、逡巡や後悔もすべて吞み込んで勝負にこだわった戦い方を選択したのだ。
だからこそ代表監督の継続にも即答で了承したのだと思う。

だから、シーズン2こそが森保監督が本当に目指すゲームモデルを構築する時間なのだと思う。

森保監督が日本代表で目指している理想のゲームモデルは、おそらくポジションレスでユニバーサリゼーションなサッカーなのだと思っている。
カタカナだらけで何を言ってるのか分からないかもしれないが、ざっくり言うとサガン鳥栖がやっているサッカーに近いゲームモデルを模索するのだと思う。

何故そう思うのかというと、理由は2つ。

理由①
2021年11月W杯アジア最終予選のメンバー発表で「MF/FW」と、中盤より前のポジションの選手を区分けせずに発表している。
さらに2022W杯本大会でも「FP(フィールドプレーヤー)」という表記でメンバー発表を行っている。
これは森保監督の中で、「試合における役割をポジションに割り当てるとゲームモデルに対する整合性が感じ取れない」ことへの抵抗を現した行動だと推測している。
つまり極論で言うと、DFが前線まで侵入した代わりにFWが最終ラインに戻って穴を埋めるといった「ポジションレス」なサッカーを志向しているのだと思う。

理由②
シーズン1の終盤時期において、何故か左WG(左SH)で南野の起用へこだわっていたこと。
だってどう考えても三笘の方が適性が高いのが判り切ってるのに、それでも南野を起用し続けたことに、何の意図も計算もないわけがない。
これは、森保監督がチーム作りにおけるギリギリ最後の段階まで、このチームでどうやってユニバーサリゼーションを実現していくのかの実証実験を試していた、と推測している。
結果的に成功したとは言えないが、これはシーズン2に対する布石になるのではないのだろうか。

と、色々書いてきたが、あくまでも個人的な推測です。
実際にシーズン2が始まっちゃうと、起きる事象ごとに嫌でも一喜一憂してしまうので、こんなに自由勝手に書き綴れるのは今だけだと思い、思い切って書いてみました。

あと、日本代表はざっくりサガン鳥栖化すると予想しました。
だから、サッカーキングのYoutube「クイズ!正解は1年後~J1リーグ2023~」で、森保監督がJ2の選手は選出しないと発言して、権田が招集されない可能性から「J1からSAMURAIへ、日本代表に選出されえるGKは?」という出題がありましたが、個人的にこの問題の答えは
A. サガン鳥栖 朴一圭
だと思う。これ結構自信あるんだけどな。

最後に、個人的に考えた2026W杯を目指す日本代表のスタメンです。

個人的2026W杯メンバー

(文中敬称略)


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