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【暴論7】古い火力と原子力を使い続ける偽善

現在気候変動への影響のために、火力発電所、特に石炭火力への風当たりは強くなっています。そのため石炭火力発電書の新規建設はかなり難しいのが現実です。そのためか今年の日本の夏は電力供給が極めて危険な状況にあると言われています。

この状況が何をもたらすかというと、古い発電所を使い続けることになります。基本的には古いものより新しい施設の方が効率が高く、CO2の排気量は減ります。新しい施設を建てられないから古いものを使い続けると、当然状況はどんどん悪化します。

その象徴的な事例が4月のJパワーの二つのニュースでした。4月16日にJパワーは山口県宇部市の石炭火力の新設を断念しました。一方翌日の17日に長崎の松島火力発電所を更新することを発表しました。もちろん施設を更新することで効率は向上するのはいいのですが、新設しなければ未来のエネルギーは増えません。

一応申し上げると、Jパワーさんを責める意図はありません。むしろ無念だったろうなと思います。

もっとヤバいのが原発です。日本国内の原発は現在使用可能なものが33基ありますが、2020年時点で40年以上の原発は4基、30〜39年が10基、1~29年が19基あります。半数近くが30年以上経過しています。ここ十年で建設されたものはゼロです。

原発は法律で原則稼働期間が40年と決められているので、2040年までにほとんどの原発は法的には稼働不可能になります。ですがこの法律には抜け道があり、審査を通過すれば60年まで延長が認められます。

アメリカではターキーポイント3、4号機なんと80年間の運転延長が認められました。現時点でも60年延長が認められている原発が数多く存在します。遠からず日本もアメリカと同じようになるでしょう。

新しいものがいいとは限りませんが、施設はどれほど慎重に使用してメンテナンスをしても劣化します。長期間運転するほど事故のリスクは高くなります。それにも関わらず新しい原発を建てずに、古い原発を使い続けるのは偽善以外の何者でもありません。

気候変動から未来を守るためと言っていますが、結局誰も未来のことなんて考えてないのかなと思えてしまいます。誰も彼も現状維持しか考えておらず、未来のための投資をしない世の中なのかと悲しくなります。

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