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【マンガ感想文4】漫画の神様と現代の鬼才がコラボした名作「PLUTO」

これは全巻一気読み推奨作品です。

やや文字が多くて内容も複雑で深いのですが、たった8巻なので3時間もあれば読めます。

PLUTOは手塚治虫氏の「鉄腕アトム」の中でも屈指の人気を誇るエピソード、「地上最大のロボット」を、浦沢直樹氏が大胆にリメイクした作品です。アトムを含む世界最高峰の性能を誇る7体のロボットが次々と破壊される事件が起きます。一体誰が彼らを破壊できたのか?7体のロボットのうちの一人でもある刑事ロボットゲジヒトはこの事件の捜査を始め、その謎に迫ります。

7体のロボットは戦闘能力だけでなく、優れた人工知能を持っています。それだけに複雑な思考ができ感情も生まれます。刑事ロボットのゲジヒトは愛する妻がいます。ノース2号は音楽の良さを理解しようとします。ブランドはライバルのモンブランの仇を撃つべく敵と対決します。それぞれが個々の人生ならぬロボット生を歩んでいました。

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人工知能が発達するうちに、人間との境目が曖昧になります。それだけに人工知能を考察すると、人間の知能や感情を考察することにつながります。一度敗れたアトムが目覚めるときに必要だったのは「ある感情」でした。それこそがひょっとしたら人間とロボットを分けるものだったのかもしれません。

浦沢直樹氏の卓越した画力以上に、手塚オリジナルのキャラクターと世界観を踏襲しつつ、大胆なアレンジを試みた構成力に圧倒されます。同時にロボットが人間に接近するほど発達すると、どのような世界が訪れるかを予見した手塚氏の想像力に改めて驚かされる作品です。

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