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【マンガ感想文9】記憶を無くしてもう一度読みたい「レベルE」
もし記憶を無くしてもう一度読みたいマンガはなにかと聞かれたら、候補の一つに上がるのがレベルEである。
幽遊白書とHUNTER×HUNTERで有名な冨樫義博氏による、知る人ぞ知る(どうでもいいがこの表現はいまいちよくわからない)名作である。たった3冊(ある意味残念。もっと書いて欲しい)なので1時間もあれば読めるので、是非読んで欲しい。
主人公は宇宙人の王子で、実は地球にはすでに多数の宇宙人が来訪しているという設定である。この王子は天才的な頭脳と「民衆の支持を下げずにいかに国民を苦しめるか」と考えるサイコパスな人物である。その頭脳と性格によって周囲の人を精神崩壊レベルに苦しめることを楽しんでいる。
お勧めなのはNo.001~003の記憶喪失の王子が登場した話と、No.015の王子の婚約者が現れる話である。両方ともマジでひっくり返りそうなオチが待っている。繰り返すが本当にびっくりする。数多くの漫画を読んでいるが、これほどのどんでん返しはなかなか知らない。
死ぬまでに読まないと絶対に損するレベルである!
とはいえそれだけがこの漫画の魅力ではない。個人的には隊長が好きである。彼は有能で真面目な人物であるがゆえに、厄介ごとに巻き込まれたり押しつけられてしまう。特に王子から理不尽な扱いをされる。しかし真面目であるが故に、王子を殺したいほど憎んでいても命令に従ってしまう。
たぶんであるが、予想の斜め上という表現は、隊長が初めて使ったと思われる(大して予想外でなくてもこの表現が使われることが至極残念である)。
それ以外にちょっと考えてしまうのが、マイノリティーの存在である。No.004~005のストーリーでは人間を捕食する宇宙人が現れるが、彼らは性欲と食欲が同時に発生する。したがってどうしても人間を食べることが我慢できなくなっていまう。
宇宙人は地球において圧倒的なマイノリティーである。もし存在がバレてしまえば地球の社会では排除されてしまうので、地球人に擬態して静かに暮らしている。そのために彼らの生態上の必要な行動を我慢せざる得ない。
しかし作中のストーリーにあるように、寝るなと言われても眠くなるし、食うなと言われても腹は減るのである。彼らは地球人から見れば恐ろしい存在であるが、同時に悲しい存在である。
最後に基本シリアルな話なだけに、ギャグシーンはあまり多くないが、そのシーンがブッと吹き出すほど面白い。王子の嘘がバレた時に隊長が静かに切れるシーンとかすごく好きである。
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