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読後感想 弱虫ペダル SPARE BIKE

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弱虫ペダル SPARE BIKEの読後感想をまとめています
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描かれた線から伝わる全てが漫画の醍醐味-弱虫ペダルSPARE BIKE 荒北靖友 2読後感想-

描かれた線から伝わる全てが漫画の醍醐味-弱虫ペダルSPARE BIKE 荒北靖友 2読後感想-

東堂は文系なのかな?よく文句もスラスラペラペラ出てくるのか感心しちゃいます。彼にとって一番許せないのがカチューシャダサいの一言!なのが可愛くって。

振り返ると巻島も当初カッコ悪いって言ってたんですよね。カチューシャに難癖つける人程後に東堂との親密度が上がるのか!!
この二人がどんな風に仲良く(?)なっていったのかすごく知りたいです。ギャーギャー喧嘩するうちになんとなく自然に、かな?箱学の4人は性

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焦燥感という名の闇の中でその男が踏み出したのは先の見えない階段-弱虫ペダルSPARE BIKE 荒北靖友 1 読後感想-

焦燥感という名の闇の中でその男が踏み出したのは先の見えない階段-弱虫ペダルSPARE BIKE 荒北靖友 1 読後感想-

箱根学園随一のエースアシスト荒北靖友の物語です。本編でも語られていた荒北靖友の過去。本編では再起不能の故障で野球をやめ、荒れていた荒北がロードバイクの福富に原付バイクで勝負を挑み敗れたことが描写されています。(弱虫ペダル 21巻)ここではその後の話、自転車競技部に入部したての頃が描かれています。

自分が何者でもない焦燥感、苛立ち。それを周りにぶつけリーゼントで武装していたのが福富寿一と出会う前の

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友の思いを背負って-弱虫ペダルSPARE BIKE 東堂尽八 4読後感想-

友の思いを背負って-弱虫ペダルSPARE BIKE 東堂尽八 4読後感想-

山岳賞目指し、頂上を目指していた東堂。それなのに糸川のピンチに対し迷いなくその可能性を手放す事を選ぶ。自分の栄誉より大切なものを知っている。人としてのあり方に心をぐっと掴まれました。
でもそんな東堂に糸川は諭します。
レースの勝者はただ1人だがそのチームメイトは自分がケガでリタイアしようと全身で喜ぶのだと。

糸川は人の喜びを自分の喜びと同じくらい大切にできる人。二人がずっと友達なのはお互いに大切

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未来への足がかりは自分の気持ち一つ-弱虫ペダルSPARE BIKE 東堂尽八3 読後感想-

未来への足がかりは自分の気持ち一つ-弱虫ペダルSPARE BIKE 東堂尽八3 読後感想-

箱根学園、そして山岳賞。東堂の未来を示唆するワードが出てきました。
山岳賞を取りたい、という思いがオシャレと真逆な熱い気持ちにスイッチを入れます。

この言葉に東堂の行動原理が全て集約されているような気がします。もしくだらない、とかママチャリだし無理、とやる前から却下したら未来の山神は誕生しなかったと思います。そしてもっと先、大学生になった東堂が起こす奇跡もこの行動原理でなしえた事だと思います。

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糸川修作の矜恃と東堂尽八の落胆-弱虫ペダルSPARE BIKE 東堂尽八2 読後感想-

糸川修作の矜恃と東堂尽八の落胆-弱虫ペダルSPARE BIKE 東堂尽八2 読後感想-

糸川修作のギアを固定、と心に秘めレースを抜かれそうになっても負けそうになっても最後まで完遂する姿にぐっときました。

ギアを固定するって誰に強制されたものではない自分の心で決めたもの。負けそうになったらこっそり変えたっていいのにそれを良しとせず、勝負に負けてからきちんと悔しがる。修作は自分のカッコ良さをちゃんと持ってる。今の彼のカッコ良さは周りに伝わりにくいものです。ただ無意識の勝負への美学がこの

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ある人はそれを努力といい、ある人はそれを工夫という-弱虫ペダルSPARE BIKE 東堂尽八1 読後感想-

ある人はそれを努力といい、ある人はそれを工夫という-弱虫ペダルSPARE BIKE 東堂尽八1 読後感想-

冒頭いきなり

と叫んでますが
……えーと私、その数十頁前にあなたの最愛のライバルの苦難や挫折、努力に積み重ねのストーリーを読んできましたよ?

巻島と東堂、とことん真逆な二人のとことん真逆な歩みが1巻に収まる構成になっているのが好きです。

音のうるさい自転車はカッコ悪いから音がならないよう”工夫”した、と東堂は言います。カッコ良さを追求するため、ママチャリの乗り方を”工夫”するのは見方を変えれ

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人をうらやむ気持ちは誰にもあるけれど-弱虫ペダルSPARE BIKE 新開隼人2読後感想-

人をうらやむ気持ちは誰にもあるけれど-弱虫ペダルSPARE BIKE 新開隼人2読後感想-

二人が追跡するシーンはとてもスマートでした!
赤信号で振り切られても冷静で、新開が福富を引っばり加速します。獲物を狙うハンターのようです。

今井のやってる事は相当身勝手な理由からです。そういう気持ちがわからなくもないけど、という新開。落ち着いて大人だな、と思いますが次のセリフと今井が震え上がる程の直線鬼に豹変する瞬間のコマで、あ、やっぱりめちゃくちゃ怒ってる、と感じました。その後今井は素直に学校

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福富のピンチに新開はどうする?-弱虫ペダルSPARE BIKE 新開隼人1読後感想-

福富のピンチに新開はどうする?-弱虫ペダルSPARE BIKE 新開隼人1読後感想-

福富のピンチに当然敢然と立ち向かう新開。新開隼人と福富寿一の安定のバディっぷりは中学生の時からなんですね!

一見新開が福富のしたい事を受けて行動してるように見えるけれど、新開のしたい事のベクトルが福富と同じ方向なだけであって決して受け身ではないんですよね。

むしろ福富が新開が同じ方向を向いて行動することに若干安心して頼っているようにも見えます。
本編では一時二人は同じ方向を見られなくなる時期が

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自分の信念を自分自身で証明する-弱虫ペダルSPARE BIKE巻島裕介 4  読後感想-

自分の信念を自分自身で証明する-弱虫ペダルSPARE BIKE巻島裕介 4 読後感想-

巻島が自分の信念、”自転車は自由だ”ということを自分の力で証明しました。誰も追いつけない速さで。本編で巻島が坂道にかけた言葉。

この言葉は自分が登って登って登った先に掴んだ答え。
巻島の原点、そして信念がこのレースに詰まっていました。
足はガクガクで息も苦しい。それでもキモチイイ。少しずつ自分が解放されていくような巻島の登りから目が離せなくなります。

そして自分の本音を貫く事。
寒咲キャプテン

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巻島裕介の魅力と才能が開花する瞬間-弱虫ペダルSPARE BIKE巻島裕介 3  読後感想-

巻島裕介の魅力と才能が開花する瞬間-弱虫ペダルSPARE BIKE巻島裕介 3 読後感想-

部室の壁に練習記録、とか見つかるかもしれない、というゾクゾクするスリルでやめられないっていう自主練のモチベーションの保ち方が独特すぎてつかみどころのない巻島の魅力がものすごく出ている回でした。

金城に話かける時に緊張してモジモジする一方で部室の壁にマジックでデカデカと”オレ練”と書いちゃうそんな巻島好きですね。まだ口癖の…ショを抑えてるところが可愛らしいです。
そして、自分の力で自分自身の世界を

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寒咲兄妹の慧眼にひれ伏したいっ -弱虫ペダルSPARE BIKE巻島裕介 2 読後感想-

キラキラの金城、ギラギラの田所。金城真護がとてもピュアな感じが新鮮です。この2年の間に起きた事、金城の責任感の強さが彼の面持ちを険しく逞しく変えたのだろうか、と本編の金城真護を見る度に少しだけ切なく思ってしまいます。

一方巻島は自分のしたいことを見失ったまま練習に参加しています。楽しくない練習。自分のスタイルを封じる練習。(でも先輩二人は決して悪気があるわけではなく、巻島のため、チームのためを思

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愛すべきクライマーのはじまりの物語 -弱虫ペダルSPARE BIKE巻島裕介 1 読後感想-

高校入学時から緑の頭だったんだ!というのが真っ先にきた第一話でした。
全てを変えたい、と意気込む程の事が高校入学までにあったとしたらそれはなんだろう、そこまで自転車が好きになるきっかけはなんだろう。いつか巻島裕介のもっと過去の話を読んでみたいですね。
SPARE BIKEの好きなところはお話のさらに深いところを知りたい!という気持ちに駆られるところかも知れません。
個人的にはSPARE BIKEの

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