【日記】マンガ制作裏話(セリフにこだわれ!編)
ますはご報告。
こんにちは、ともるです。
まず初めに、ご報告です!
12月にジャンプルーキー!で公開した読切「蓮の花と蜘蛛の糸」ですが
おかげさまで、2022年12月期の月間ランキング8位に入ることができました!
たくさんの人に、読んでいただいたり応援いただきました。
本当にありがとうございました…!
こちらから読んでいただけます↓↓↓
担当編集さんがついてから初めて作った作品でしたが、プロットの段階からいっぱい指摘されたり、ダメ出しされたり、自分の至らなさを痛感したり…
たくさん落ち込んで、わたしはマンガなんか描くべきじゃなかったんや…と打ちのめされてたり…笑
半年間でしんどい思いはたくさんしましたが、それ以上に、勉強になることが本当に多くて。
「世の中の物語ってこんなに深いところまで考えられてるのか…」と、
「物語を作るのっておもしろい!!」と思うことばかりで、振り返ってみるとやっぱりすごく楽しかったです。
担当さんとのやり取りの中で「こんな細かいところまでこだわっていいの!?」と思った出来事や、
修正案を出されたときに、作家側はどう受け入れるべきか、逆に受け入れないべきか、
わたしなりに考えたことがたくさんありましたので、
いろいろまとめて、お話しできたらと思います!
あくまで一個人の意見なので、参考程度に読んでいただけますと幸いです。
※今回の読切を読んでいただいている前提でお話します、ご了承くださいm(__)m
★文字はとにかく読みやすく
今回、読切を作るなかですごく意識させられたのは、
「文字量は一文字でも少なく、読みやすく」
ということ。
絵で見て分かる部分にセリフを置かないようにしたり、
難しい漢字はなるべく減らしたり、
主語がなくても伝わるセリフでは主語を省いたり…。
打ち合わせで、吹き出しひとつひとつ確認しながら文字数を減らす作業をしたこともありました(笑)
主人公の名前が「まゆ子」なのも実は読みやすさからの理由があり、そこに関してはこちらで紹介しています↓↓↓
★セリフは細部まで突き詰める
驚いたのは、文字の見やすさだけでなく、セリフの微妙なニュアンスにもこだわっていたということ。
例をあげると、10ページのこのシーン。
最後のセリフ、はじめは
「最近学校はどう?」
と書いてました。
そのままでもいいような感じもしますが、
担当さんから指摘されたのは
「お母さんは日常的に主人公のことを気にしているから、それが伝わるセリフにしたほうがいいのでは?」
ということ。
「最近」というワードが入っていると、久しぶりに聞いてる感が出てしまうから。
確かに!!!
(というか「お母さんが日常的に主人公のことを気にしている」ということを初期段階のネームで読み取ってくれていたことがびっくりだったんですが。)
他にも、最後のページについて、
一番最後のセリフ、最初は
「上履き買ってくれない?ちょっと汚しちゃって…」
と書いてたんですが、
担当さんから
「最後にお母さんに嘘ついちゃうんですか」
と指摘されてしまいました笑
(上履きは自分で汚したのではなく、汚されている状態なので)
実はこのセリフを書いていたとき、自分でも「まゆ子、最後に嘘ついちゃうなあ笑」とちょっと思ってたんですが、この時もまだどこまでこだわるべきなのか分かっていなかったので、スルーしてしまっていたのです。
セリフに関しては、修正したところや削った部分などかなり多いので、すべてピックアップすることはできないですが、
とにかくこういう小さいところまで、重箱の隅をたくさん突っついて(笑)良くしようとしてくれる担当さんの姿勢を見ていると「ここまでこだわっていいんだな!」と、
言葉をできるだけ突き詰めたい自分としては、
すっっっごく嬉しかったです。
喜んで重箱差し出しますよという気持ちでした。
わたしも負けじと、いっぱい突っついて粗探ししました。
突っつきまくってセリフ丸暗記してしまったくらい(笑)
でもそれほどに、セリフは突き詰めるべきものなんだなと今回すごく思いました。
★絵と同じくらいセリフにこだわるべし
漫画は絵がメインなので、絵にこだわるのは大前提だと思いますが、
同じくらいセリフはこだわっていいです。
というか
セリフもビジュアルのひとつ
くらいの気持ちで考えるべき。
セリフを工夫するだけで、漫画ってすごく読みやすくなります。
文字を削ったり、字面を意識するだけでなく、文字の大きさや吹き出しの場所、どこで改行するか、などなど、工夫の手段はたくさんあります。
ここに関してはいろいろ考えたことがあるので、後日、別の記事でまとめたいと思います!!
今回は主にセリフについて掘り下げてみましたが、次回は内容面(どんな指摘があって、どんなふうに内容を変えたか)についてお話します!
ときどき話題になる
「担当編集の言うとおりに修正したのにボツになった!!」
とか
「作家は担当編集の言うとおりに修正してはいけない!!」
とか、
じゃあどうすればいいんや!みたいな(笑)話について、
作家はどういう姿勢でいたらいいのか、考えたことがいろいろあるので、近々まとめて公開します。
お楽しみに…!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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