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出張マンガ編集部!持ち込みまとめ

COMITIA139では、初めて編集部の方に作品を見ていただくという経験をしました。方法やいただいたご助言などを詳らかにしておこうと思います。
ある意味で「まとい」のネガキャン記事です!!!ワハハ


持ち込みの手順

コミティアでは一般参加者は開場時間の11:00、出展者は9:30頃からブースの準備が出来次第、持ち込みができることになっています。


順番は整理券制。20以上ある編集部の中から一つを選び、個人情報を整理券に記入し、順番を待ちます。

1つ以上の整理券を同時に持っていくことは禁止されており、持ち込みが終わったらまた選べる…といったシステムがとられていました。

わたしは前日眠れず電車で寝過ごしながらも、9:00に到着。出展準備・お隣さんへの挨拶・見本誌の提出などを済まし、いざ出展ブースへ。10:00前にはゆるりと出張マンガ編集部が動き出す感じでした。

高松美咲さんの「スキップとローファー」が大好きなのと、せっかくなら少女漫画からも見てほしいな…という理由で、講談社の青年漫画誌と集英社の少女漫画誌の編集部へ。

小学館育ちなのでそっちもあればな〜と思ったけれど、開場時間になってしまったので、それはまたの機会。
そう思うと結構お話しくださっていたな。必死だったので忘れてしまったけれど、15分程度の対応が目安らしいです。


青年漫画誌

すごく長いんですが……と言いながら持ち込み、みてくださったのは30代後半くらいのお兄さん。歳を経るにつれ、40代までお兄さんという認識になってくる感覚

◎よかった点
・ここまで良く描いた!
・この長さだからこそできることを描いた
・感情が細やか、表情がいい
・この作品、時間かかったでしょう(1年半と答え)そりゃねえと頷かれる


感情については、一通り描けた後に見直し、客観的にページをめくった時(…!? 欲しい表情が、こない……!?)と自分で描いたながらにショックを受け、大量に描き直したので、安心しました…。そもそも感情を描くことが1年前はとても苦手だったように思うので、よかったです。



◎アドバイス
強いていうなら…ということでご助言いただきつつ、結構しっかり伝えてくださった!とても勉強になった……。


<話の起伏>
・出来事があまり起きない。かなこの部活のシーンやまといがライブをするシーンがあってよかった。
・内省的で、ずっとそれが続いている感じ。それゆえに、絵柄に変化が乏しい。変化が欲しい。
・このページ数で良かったという前提でいうと、ちゃんと読むと細かい。でも、さらっと読むと変化がない。



<どう克服するか?>
・終わりが設定されているといい。卒業まで…とかでも◎ 高校生のうちの、どこに進んでいくか? 1年→2年と説明があるのに(卒業まで行かないの!?)となる
・ポイントとなる事件をおく。
・1冊で完結することになっているから良いものの、連載であれば、どう落ちるか分からずに読んでいくと不安になる。どこに進んでいくんだろう?
・いっぱい感想をもらうといいよ。



<短編にまとめるには?>
・長くなったのは事件がなかったから。
簡単な事件→解決する(しないでもOK)→どう変化・誰かに影響を及ぼしたか


<作者の所感>
最後に質問ある?と聞かれて、「20とか30でまとめるにはどうしたら…」って聞いた。こいつ……短編でまとめる方法が分からないまま170描いたな……。
ゲームや家電の説明書は見ません。地図も見ません。たいていスムーズに行かない。

会話ばかりで描くのがしんどい(同じような2人が座ってるコマばっか!など)時は確かにあって、大感謝たちに指摘をもらってネームで直したりもあったので、事件を起こすって大事だなあ……と思いました。描いてる方もつまらない場面って、やっぱり読む方も面白くないよね。


少女漫画誌

こちらも同じく、中年より少し若いくらいの女性の方でした。アドバイスの時に、このページの、こんな感じで!って参考を見せてくれてとてもわかりやすかった。
そして、わたしの描きたい漫画、少女漫画じゃないな!となったりしていた(今回のブースは少女漫画カテゴリ。青年漫画に出してみたほうがよかったのか…?)



◎よかった点
・気持ちをちゃんと描けていること
・お互いが思いあって影響を与え合うところ
・どちらにも悩みがあり、干渉しあって成長している



◎アドバイス
<話の長さ>
・長さを読まないと読めない 半分以下でもできたことではないか?
・どうわかりやすく描くかを意識する
=もう少しさらっと読んでもわかりやすくする

青年誌の方で言われた「内省的」も、今回の「わかりにくい」も、自分の作品の好きな部分なのでう〜〜〜んとなったが、もっと読者を広げていくことが目標だと必要になるよな…と思いました。わかりやすいけど深い漫画ってあるもんね……両立は今後の気をつけポイントになっていくのかなあ。



<話の起伏>
やっぱりこちらでも、話の作り方についてご助言いただきました。
・どこで転機が起きたのか
・同じような余白とコマ
・メリハリ、もっとつめる
大きくするコマ:気持ちが切り替わるところ



<話の演出方法>
フリ・ウケ・キメが重要で、転機とリアクションをかけるといいという話を。これがすごくためになった。初めてきいた。


フリ…「大事なことがあるんだ」
ウケ…相手のリアクション
キメ…相手のリアクションを受けての自分(キャラ)のリアクション

特にキメがあるかで変わると。
例えば、
①イケメンからの告白の言葉がどれだけグッときても(フリ〜)、
②女の子がどれだけ可愛くて切ない顔をしていても(ウケ)、
③イケメンがどんな表情でその告白をしてくれているか・女の子の反応にどんな反応をしているか(キメ)
だったら、そりゃ③キメが見たい!!!!!になるよね……そうだ……久しぶりに少女の気持ちを思い出した。

そして、キメをしっかり描くと「なぜそんな(大きい/意外な)リアクションをしたのか?」に今後話を持って行きやすくなると。なるほどなあ………

でも気持ちは描けているので、と言ってくれていたから、表情コマの剪定が次回の課題になりそう。


<場面説明>
・今がどういうシチュエーションで、ということを説明してほしかった。
(例)#2での春祭りは立て看板を出し文字を入れるなど
・場面が変わる時、説明するコマをもっと入れて


<対人関係の説明>
これも面白かった!場面説明と続いている。
新しい人物が登場するときに必要な描写として、

・そもそも誰?(名前、所属など)
・どのくらいの関係?(関係性)
・既出キャラとの関係は?


をあげてくださっていた。

これ、面白いのが既出キャラとの関係で、「まとい」で例えると、かなこと仲のいい榛名というキャラが出てくる。
ここで、

榛名「よっ、槙!」ーーーかなこ「うわ、榛名じゃん」


という干渉が行われているとする。しかし、ここに加えて

榛名「あー…ども」ーーーまとい(……ぎこちなくお辞儀をする)
榛名「的井さんもこんちはー」ーーーまとい(……ぎこちなくお辞儀をする)

という描写が入ると、親密度や榛名が特別にかなこと仲がいいのか、それとも誰にも人見知りをしないのか、という情報をコンパクトに入れられる。

これがとても面白かった。絶対次やろうと思ったし、まといお前は人見知りをするな
関係ないけど別件で、対人援助についてお話をしていたときに「仲の悪さ(相性の悪さ)から与えられるものもある」ということを言われて。
仲がいいか悪いかだけじゃないよな、良くしたいのにギクシャクしている、悪いと割り切っている、空気のように扱っている、など、いろんな視界への入れ方があるなあと、漫画にも重ねて考えたりした。



<エンタメ性>
編集さん「どの年代に読んで欲しいと思って描いたの?」
わたし「わかりません、残したいと思って描いただけなので」

まといみたいなこと言ってんじゃねえ社会と関われ〜〜〜〜〜
と思いつつも、これが……難しくて……なぜならエンターテインメントを与えるのはわたしじゃなくてもできるし…それはわたしの役割ではないのでは……が、本心のため……

・商業に興味があるなら、読んでもらう層の意識をしたほうがいい
・今の絵柄だと、若い子・幼い世代に届かない
・読んでもらう人に楽しんでもらう、その層に楽しんでもらう意識をしたほうがいい
・絵はもっと頑張ってください
・自分ができる方向を探っていってね

でも、「エンタメ担当自我は留守にしているので関係ありません」って軽率にできなくて……
というのも、イベント当日、購入いただいた客層が男性中心だったんですよ!(衝撃)
まさかの萌えor百合射程圏内!?みたいな…(?)
それももちろん嬉しかったのですが、もしまといと同じ年代の女の子に届けたいとしたら、その年代に読んでもらえるような絵柄じゃないと届かないんだ!を深く実感しました。

なんか実験・研究みたい。エンタメはわからないけれど、研究ならわたしにもできるかも。
今回は少女2人のイラストのみがぱっと見見える感じだったから、次は内容の掲示・表紙の情報盛り込み・置くポストカード等のイラスト作風によっても客層をコントロールできるんじゃないかしらと、有意義な探求ができそう。


<短くまとめるには?>
・盛り込みすぎないこと
・裏設定を作り込みすぎないこと
・今の2人のトラウマをどうするか?について、連載なら20~30のハードル、読切なら1人1~1.5~2つのハードルをピックアップして用意すればいい。ハードルの差。
・一番超えさせたいハードルはどこ?を考える
・事件がなくてもいい、ただ(悩み)→トラウマ→克服

このアドバイスも面白かった……!
「まとい」が長編なの、全然後悔ないんですよ やりようあったとしても 裏設定についても、だって裏設定が開示されることないくらい多いのが人間じゃん生活じゃん…になってリアルを手放せないし……

でも、1話ごとに見ていくと解決できてるから、わたしにもできるかなあ短編、の気持ちになりました。もし「まとい」が1話完結だったら、以下に着目してそこにだけ焦点を当てて、ってできていたら月日も場面もポンポンと飛ばせたのかなあ。

#1 かなこ:恥の経験への肯定
#2 まとい:かなこを友達だと認める
#3 ? 溜めの回
#4 かなこ:悪口の記憶・秘密主義な自己の克服
#5 まとい:ライブができるようになるor自信を持って歌えるようになる


こんな感じに。とはいえ、1話完結で人間の悩みは解決できるようなもんじゃないので…そこが、ヒトとして生きることを描く魅力だと思うので……何言ってんだ


<作者の所感>
非常に刺さったけど、一般入場前から「これからこれ売るんですけど!?やだよ!!」の気持ちになったけど、本当に色々言ってもらえて良かったな……


まとめ

結論から言うと、大変良い経験になりました……ありがとうございました。一般入場後は混雑具合どうだったんだろう? 出展者向けの時間帯だと並ぶ人も少なく余裕があったのか、とても親身になってくれた。

また、わたしは美術畑の人間ではないと思い、この2年間は漫画という手段に出てみたが、わかりやすいポップカルチャーがしたいんじゃないなとも思った。美術とポップカルチャーの真ん中に生きている感じ。

それでも、こうして考察・分析してみて、とても研ぎ甲斐のあるおもちゃ(趣味・手段)だなあと思うので、のんびりまた制作したいな。

そして、(もうやり尽くした、描くことはない)から(悔しい、次は絶対もっといい作品になるのに!)に気持ちの転換があったし早かったので、それは良かったねと人に言われました。本当にそうだな。


と言うわけで、出張マンガ編集部おすすめですよ!という記事でした。

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