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本を作って文フリに出たら小説が書きやすくなった。

私が文章を書き始めたのは二十歳過ぎの頃。
しかし書き上げた作品は長いこと二つ三つで、
書きかけで止まった作品は数知れず、
10万字書いてあまりの不出来さに
自らボツにした作品。
十年以上全然小説が書けなかった。

書きたい気持ちだけはある。
しかし永遠に完成しない。

長いスランプに陥り、
散文を書くのがやっとの時期もあった。

しかし、今から五年ほど前、
ふと自分のために文章を書いてみようと思った。

昔、人から創作との距離が近いんですね、と言われたことがあって、自分でも小説ばっかり真面目に書いていたらいつか死ぬと思ったことがある。

なので、書きたいけれど
書けない自分を持て余していた。

だけどそのときは比較的体調が安定していて、
これまでの体験を後押しするように
私小説で書いてみようと思った。
そして嘘みたいにすんなりと作品は完成した。

とりあえず記念に文学賞に出してみた。

かすりもしなかった。

でも知人に読んで貰ったりして、プリントアウトしたのじゃなくて本で読みたいと感想を言って貰えたのはとても嬉しかった。

そして、その頃からX(当時はTwitter)で縦書きアプリでショートショートを書いて、まめに投稿するようになった。自分の中で小説を書くハードルが格段に下がった。

そしてTwitterがきっかけで、本を私家版で作ることにした。デザイナーのベルソさんと繋がって、思い切って本を作りたいんです!とお願いした。

そして出来上がったのは『表現の時代』。

いちばん初めに作った本(文フリでは新装版にした)

この本を作ったことがきっかけで
文フリ京都8に参加することになった。

すごく良い経験になったし、勉強になった。
私は社会経験がゼロではないけど、限りなく乏しいので、何かをイチから作って売るということがどういうことなのか体験できたのは大きい。

そしてここからがようやく本題なのだけれど、

文フリに出ることは、本を書くプラス作って売るという行動が追加される。

本の文字組やデザインなどの
専門的なことはデザイナーである
ベルソさんの力をお借りしました。

それ以外にも売り場の見せ方とか、
宣伝の仕方とか、キャッチコピーとか、
この本はこういう本です、と
お客さんにわかりやすく宣伝できるかが
すごく大事。

私は接客が苦手なので、
そこはすごく実力不足を痛感したのだけど、
当日に向けてフリーペーパーやポップを作った。

フリーペーパーとポップ

フリーペーパーは、書き下ろしショートショート。
ポップはキャッチコピーに、簡単なあらすじ。
本の帯を意識して作った。

あと背面にもあらすじを自分で考えていれた。

文庫版の裏表紙によくあるやつ

文フリで本を作って売るって、文章だけ書いて賞に応募すること以外に考えることが多くて、その後本を作る時、小説を書き出すときの視点が変わった気がする。

まず私は物語のテーマを決めるのがとても苦手なのだけれど、テーマは途中で変わることもあるから最初からなくてもいい。

ただ、キャッチコピーやパンチラインは聞かれたら答えられるようにする癖がついた。

要するにどんな本?
「〇〇の話です!」がイメージできるかどうか。

文フリでのお客さんとのやりとりは
本当にひとりひとり違って、
即決で決めるひともいれば、
フリーペーパーを見て、試し読みをして、
会話を重ねて、本が旅立ってゆく。

勿論何の反応も示さず通り過ぎる人もいる。

まだ文学フリマには一回しか
出たことがないので、回数を少しずつ重ねて
色んな体験や色んな人や作品に出会えたらいいやと思う。

そして自分も書き続けていきたいと思う。

最近は昔に比べたら、コンスタントに生産出来ているほうだ。

まあ掌編や短編がほとんどで長い作品は全然書けていないのだけれど。
ちまちま公募に応募したりしている。

そしてなんだかんだ
小説を書くようになって二十年近く経ち、
自分なりに小説の書き方は出来つつある。

書きたい場面から書くのではなく(メモはする)
冒頭から継ぎ足し、継ぎ足し書いていく。

設定資料も状況に合わせて都度アップデートしていく。デジタルとアナログ両方つかう。

プロットは作らない(というか作り方がわからない)

結局、小説のレシピって人それぞれ。

私はオリーブオイルとニンニクは絶対と言う人もいれば、香味野菜は絶対使わないという人もいるだろう。

何の話だ、料理の話じゃなくて創作の喩えだ。

とりあえず、本を書くのは楽しい。
本を作るのも楽しい。

毎日、いろんなことがあるけれど
小説を書くという喜びがあるから
私は頑張れる。

文学フリマはそんな本を好きな人が集まる場。

来年の文学フリマ京都9に
さざなみぶんがくとして
参加予定です。

もうすぐ大阪でも
開催されますね!

行けるかどうか、直前にならないと
わかりませんが
なんとか時間を確保して
参加したいなあと思っています。

長くなりましたがそんな感じです。

#創作 #文学フリマ

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