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ギャ男がプリキュアライブに行った話

9月28日に昭和女子大学 人見記念講堂にて開催された「スター☆トゥインクルプリキュアLIVE2019 KIRA☆YABA!イマジネーションライブ」に行ってきた。
スター☆トゥインクルプリキュアにおいてプリキュア役を演じる声優陣と、主題歌シンガーたちによるライブコンサート。
当日は二部制だったのだが、娘の習い事の関係で、夜の部の親子チケットを購入することにした。

ギャ男歴20年超。
大規模なフェスから、ほぼ身内だけの小規模な企画まで、無数のライブに行ってきた自負はあるが、それでもこれは勇気のいる決断だった。
アニメ界隈とは、ここまでほぼ無縁で過ごしてきた僕。
一方で、ヴィジュアル系という特殊なジャンルにおいてオタクの道を突き進む者として、そのジャンルにはそのジャンルのルールやマナーがあるということは容易に想像できる。
ライブ未経験の娘をいきなり連れて行って、どのように振る舞えば良いのか、どのような目で見られているのか、無知の知があるからこそ、コアなファンの熱意が推定できるからこそ、ライブに行くということに久しぶりに緊張感を覚えていた。

そうはいっても、娘はもう6歳になり、来年は小学生。
このタイミングを逃せば、プリキュアからの卒業が想定され、"音楽好きにとって、どうしてもとは言わないけれど出来ることならやっておきたいこと"である親子でライブに行くという夢が叶うのは、随分と先になってしまう気がしてくる。
腹を括った僕は、無事にチケ発を成功させ、娘に対しては、プリキュアの舞台に連れて行ったり、嵐のコンサートのDVDにより現場の雰囲気をイメージさせつつ、声優陣がアフレコをしている動画を見せたりして、プリキュアへの憧れを声優陣への憧れにも拡大させるよう当日に向けてのコンディション作りをしていった。

もっとも、親子チケットが発売されているライブコンサートだ。
なんだかんだ、子供もたくさんいるのだろう。
舞台もイベントも、ほとんど子供連れだったし、と都合の良いように解釈するようにもなった。

そして、当日。
子供はほとんどいなかった。
9割方が大きなお友達で、親子連れを見て、"女児向けコンテンツだということを思い出した"という声がどこからか聞こえてくるほどの圧倒的少数派だった。
娘も完全に委縮しており、心細さが頂点に達したところで会場入り。
一応、オペラグラスは持ってきたが、前に背の高い男の人が立ったらどうしようとか、最悪2時間抱っこを覚悟するしかないかとか、不安いっぱいで座席を調べたところ、"さすがプリキュア!"と膝を打った。

親子チケット分は、前の3列目までに集約。
その後ろは緩衝材的に1列空けて、通常チケット分の席が振り分けられる座席指定だったのだ。
要するに、子供達は視界に大きいお友達を入れずに、ステージを見ることができる。
僕らの席も、2列目下手寄り。
普段、逆最前で腕組み鑑賞のギャ男にとって、小さいハコでも、この至近距離で見るのは稀だと思えるほどの近さだ。

はじまってからも、とにかくクオリティが高い。
もう少しプリキュア設定から外れた緩さも出てくるかと思っていたのだが、ほとんど隙がないステージ。
あくまで目線は子供のプリキュアに向けられていて、キャラを演じきったうえでのライブ感を出しているし、MCでは舞台裏も織り交ぜて、大人のプリキュアも盛り上げる。
着席で見ている保護者の視点でも、テンションが上がるほどだ。

演出についても、歌い手を入れ替えながら、子供が飽きてしまう隙間時間を作らない工夫。
ダンサーや映像も上手く使って、子供目線を意識してはいても、子供騙しではない充実っぷりである。
セットリストは、基本的にスター☆トゥインクルプリキュアに関わりのある楽曲のみで構成されていて、別枠として「DANZEN!ふたりはプリキュア」を加えたといったところ。
もっと、ベスト的な選曲になるのかと思って、ボーカルアルバムをチェックしていなかったのが悔やまれる。
大人であれば、ライブで良い曲が見つかったら音源を買おう、でOKなのだが、子供にしてみたら、知っているこそ正義だ。
知らない曲が続くと、その曲やパフォーマンスの良し悪しとは別問題として退屈な時間になってしまう場合もあるため、そこは親としての反省点。

長女とはこれが最後になってしまうかもしれないが、次女については、まだチャンスが残っている。
今回学んだ経験を、必ず次に活かしていきたい。

なお、「キミのソンリッサ」から「Prism Rainbow Heart」までの流れが個人的に好みだったので、事後にボーカルアルバムも聴いてみた。
このシリーズの楽曲はレトロフューチャーなアレンジが多く、全体的にツボなんだよな。

そんなわけで、親子シート、最高だった。
意見したい事項としては、終演が21時を超えてになってしまうので、開演時間19:30は、もう少し前倒してほしいかな、というぐらい。
通常のライブだったら問題ない時間ではあるが、子供向けコンテンツだという前提に立ち返ると、帰宅が22時を過ぎるのはやはり厳しかったので。

余談だけれど、ヴィジュアル系でも親子シートを導入してみればいいのでは。
ファン層が子育て世代になったことにより動員が減ったホール規模の中堅バンドは、ファンの出戻りに期待できるだけでなく、次世代のファンも同時に獲得できる仕組み。
その世代が育って明日のバンドマンやバンギャルになるのであれば、もう衰退したなんて言わせないでしょ。

ただし、子供に見せても良いバンドに限られるため、かなりハードルが高くなってしまうのだけども。

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