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【ライブレポ】Drive at your Brain「Time to say my last Good bye」2023.1.27

大塚HEARTS PLUSで開催された、Drive at your BrainのLAST LIVE。
ヴィジュアルシーンを飛び出して、邦ロックのジャンルでも活動してきた彼らにとって、Cross Sign、DAMIA、Crea,という盟友的なバンドを迎えた主催イベントでの解散は、ある種の必然なのだろう。
Ba.りーもが加入し、Drive at your Brainと名義を変更してからは2年。
前身となるB'LAIVEにVo.Jekyll、Gt.可憐が加わってからは5年。
唯一のオリジナルメンバーとしてBLaive時代から在籍するDr.愁においては、約8年というバンドの歴史が、遂に幕を閉じることになる。

平日ということもあって、仕事終わりで駆け付けたのだが、残念ながら、対バンはほとんど見れず。
逆に言えば、イベント形式だったからこそ、Drive at your Brainの最後の雄姿を見届けられたとも考えられるので複雑な気分ではあるが、導入の「Re:union」から、アンコールの締めくくり「WORLD×WORLD」まで目を離せない圧巻のパフォーマンス。
ギリギリのタイミングでライブハウスでの声出しが解禁されたという追い風も手伝って、彼らのステージだけでも十分元が取れるライブだったのは間違いない。

序盤は、現体制になってからの楽曲を立て続けに披露し、バトンを繋いだ盟友たちが作った流れのままに勢いをつける。
Jekyllのイヤモニが不調だったようで、表現に集中できないフラストレーションは感じたが、怪我の功名、歌唱に専念しなければいけない環境になったことで邪念が取り払われたのかもしれない。
解散ライブに漂う悲壮感や未練、時間が進んでいくことに対する焦りなどがだいぶ早い段階で払拭され、大きな一体感を生むきっかけになっていた。

B'LAIVE時代の楽曲も思いのほか演奏してくれた印象で、「Break It!」からはしばらくヴィジュアル系モード。
曲の合間には、"JekyllJekyllJekyll!"や"可憐可憐可憐!"と、このシーン特有のメンバーの名前を3回ずつコールするお約束がオーディエンス側からも聞こえるようになってきた。
ずいぶんと声が出せないライブ環境が続いていた中、数年ぶりの生歓声に、何故かこちらも感慨深くなる。
バラードナンバー「Umbrella」では、Jekyllが実際に雨傘を差してのパフォーマンス。
彼らのライブは実際に雨の日が多いようだが、この辺でちょっとだけ雨が降ったとか降らなかったとか。

嬉しかったのは、出来るだけ多くの楽曲を演奏したいとの想いから企画されたというメドレーパート。
ミニアルバム「ハイブリ!!」の収録曲から、美味しいところをピックアップしてオーディエンスのテンションを上げに上げていた。
ジャンルの垣根を飛び越えるために、ヴィジュアル系を捨てるのではなく、共存するという道を選んだ彼らだからこそ出来る振り切り方で、MCを挟んだとはいえ、その後、再び「PARALLEL」、「Time to say my last Good bye」とロックモードに戻っても、さほど違和感を与えなかったのは、清々しいまでに楽曲に対して全力で向き合っていたからなのだろうな。

本編ラストは、ライブのタイトルでもある「Time to say my last Good bye」。
楽曲の内容も相まって、さすがにこの時ばかりは切なさが強調されるのだけれど、最後に見えるのは希望。
集中力は途切れることなく、彼らの歌から、演奏からは、まだ自分たち音楽は終わりではないと伝わってくるので、寂しさと同時に、安心感にも包まれる不思議な気持ちになっていた。

アンコールでは、Jekyllが並行していたメンズアイドル、SHIBUYA SIXXのラストライブで不本意なパフォーマンスだったことに対してのリベンジとして、彼らの代表曲であった「星屑のプラネタリウム」にバンドアレンジを施して演奏。
ワンマンのようなスペシャル感を煽る演出にもなっていて、満足度を高めていくと、「Feel the Freedom Music」、「WORLD×WORLD」でクロージングしていく大団円。
ステージング以外に過剰な演出がない、彼ららしい引き締まったラストスパートで、とても美しい散り方だったのでは。
爽やかさというか、ひたむきさというか、こんなにもポジティブな感情が先立つバンドの終わりは、見たことがないかもしれない。
いつか、またこの4人で奏でる音楽が見たい、聴きたい、というのは胸に秘めておくとして、まだ続いていくであろう彼らそれぞれの音楽に期待していようと思う。

なお、ラストライブの映像は、DVDとして販売されるとのこと。
配信用のカメラ映像が中心になるのだと思うが、それでも記録になるのは嬉しいな。

  1. Re:union

  2. LIFE

  3. 百花繚乱

  4. Break It!

  5. Umbrella

  6. COLORS

  7. メンヘラバスターズ

  8. Medley of 「ハイブリ!!」

  9. PARALLEL

  10. Time to say my last Good bye

en1. 星屑のプラネタリウム/SHIBUYA SIXX
en2. Feel the Freedom Music
en3. WORLD×WORLD


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