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【フリゲ感想】私立!!黒髪学園

この記事の文字数は約6,200字です!

おはこんにちばんは! 富井サカナです。
今回はプレイ前から高い評判から非常に楽しみにしていた作品です。
「女性向け」と明記された乙女ゲームではあるのですが・・・。

1.どんなゲーム?

今回紹介したいのは、土偶帝国さんの「私立!!黒髪学園」です!!

【制作】土偶帝国 様
【制作ツール】ティラノスクリプト
【プレイ時間】1ルート2~4時間程度
【ジャンル】女性向け学園恋愛AVG(乙女ゲーム)
【KW】乙女ゲーム、学園、恋愛
【筆者プレイ時期】2023年1月にプレイ
【筆者プレイ状況】全3ルートのHappyクリア(Normalは未見)
【公式サイト】

【あらすじ】
『そこは、黒髪だらけの学園でした──』

攻略対象が全員黒髪…!?な乙女向けノベルゲームです。
選択肢によってエンディングが変化します。

【一言でいえばどんなゲーム?】
ストレートど真ん中な王道青春ラブストーリーが楽しめる上質な乙女ゲーム



2.こんな方に特におススメ!

・王道な青春恋愛モノをプレイしたい人
今作は作品概要のジャンル名にもある通り「女性向け乙女ゲーム」です。が、男性キャラの魅力だけを描いているわけでなく、女性主人公と各キャラとの関係性の変化を丁寧に描いた青春恋愛モノですので、男女問わず楽しめる作品だと感じました!女性主人公も大変に魅力的なので乙女ゲームに抵抗がなければ男性も十分に楽しめると思います!


・フリゲにも完成度を求めたい人
今作は抜群に完成度が高いです。グラフィックはご覧の通りメチャウマですし、各キャラごとに複数のイベントスチル+差分が用意されていて非常に豪華です。シナリオも主人公が転校する掴みからバッチリで、各キャラと関係性を深めていく過程が丁寧かつ一切の無駄もなく描かれます。女性主人公も男性キャラも個性を際立たせつつ魅力にも溢れていました。各ルートプレイ時間2時間程度で凄まじい完成度と感じました。


・黒髪好きな人
ギャルゲーほどではないかもしれませんが乙女ゲーも灰色や金髪など結構奇抜な髪色を見掛ける気がします。ですが本作の恋愛対象は全員真っ黒な黒髪です。黒髪好きにはたまらない一作でしょう。地味に色味が違うのは芸が細かいですね。



3.ネタバレなしの感想

ここではネタバレなしの感想を記載します。
ノベコレでの私の感想+補足という形にします。

👇こちらはノベコレでの私の感想へのリンクです
ゲームのプレイ・DLページへのリンクを兼ねています

最近の平常運転として、感想記事を書く場合は内容のかぶりが内容に若干感想を抑え気味にしてしまっています。明らかにノベコレ感想の方がview数が多いので抑えない方が良いのかもしれませんが、今年のフェスは菊島姉さんに加えて熱血感想投稿者のSHIAさんがいるので心置きなく抑え気味にできます。本作は特に熱い感想も多いですし。というわけで改めてもうちょっとここで素晴らしいポイントを上げていきます。


■グラフィック

いやはや素晴らしいです。キャラデザも線画も塗りもなんて丁寧なプロのお仕事。スチルの枚数も多いし差分はいっぱいあるし、非常に良いです。当方男なので、乙女ゲーだと主人公の顔がバッチリ描かれている方が嬉しいのですが、本作みたいにメッセージウインドウ横に常に表示されていると特に有難い!背景もたくさんあるし立ち絵ととても調和していて最高です。

■シナリオ

序盤中盤終盤、全く隙がないシナリオでした。主人公が対象キャラを好きになっていくのも、対象キャラが主人公を好きになっていくのも、必然としか思えないような全く無理のない自然な展開力に痺れました。丁寧に描写しつつシーンシーンで無駄が一切ないので全くダレませんし、グラフィック同様に完全にプロのお仕事です。お手本にしたいです。

■システム

凝ったことは特にしていませんが安定度が抜群でした。画面UIやらフォントやらクリックの応答性やらとにかく最適化されていてノンストレスでした。既読判定も細かく設定しているのが分かりましたし、仕事が丁寧すぎる!

■キャラクター

グラフィックとシナリオが渾然一体となったキャラの魅力が素晴らしいです。ネタバレのない範囲で勝手に紹介してみます。本記事で特に読む価値がないパートです。

👆公式キャラ紹介はこちらから!

○田村 ひまり(主人公)
エリートじゃないので茶髪です。素行には問題がないですがエリートに囲まれると成績は悪め。偏見がなくフラットなものの考え方が魅力です。おかしいと思ったことはおかしいと素直に言えるところも素敵。純情で天然で優しくてたまに意地っ張りでなんとも魅力的!!

○橘 栄太郎
堅物メガネ生徒会長。エリートの自意識が高くて肩肘張って生きてます。人に厳しいけど自分にも厳しいのでヨシ!作者さんアイコン生徒会長だし、もしかしてメインヒーロー(って言い方あるの)とか?

○永瀬 司
パーフェクトヒューマン系のモテモテ王子様キャラ。治安の悪い高校だったらすかしてるってことで不良にボコられそうだけど黒髪学園はエリート校だからそんなことはない。物腰柔らかくて誰にでも優しいけど本音は絶対に見せない的なキャラ。

○三木 大翔
スポーツ万能で天然人たらしな、少年漫画の主人公感満点なキャラ。担当種目が陸上の走高跳ってのもかなり珍しい気がする。背が高くなさそうなので身体能力パねえ。

○花見 友幸
ザ・近所の温和な優しいお兄ちゃん。もうなんていうか包容力の塊。異性で年下で可愛い主人公に対して全く恋愛感情を見せずにこれだけ距離感が近いなんて、同性愛以外では奇跡レベル。ルート実装待ってます!

○杉本 真紀
セーラーで髪の毛真っ黒でロングだとなんだかスケバン感が漂って見えるのは自分だけでしょうか。主人公とは良い距離間で付き合ってくれるし、ちょっと変わってるしで最高な親友ポジキャラ。ギャルゲーのBADエンドの定番で親友と仲良く的なのが良くありますが、乙女ゲーでもあるのかしら?あったら見てみたいっすね。


ちょっと空間が空いてしまったので、改めて未プレイの方は今すぐどうぞ!



4.ネタバレありの感想

というわけでここからは完全にネタバレを含みます。
今回はプレイ中の展開や2つのエンディングの結末にも言及しておりますので、未プレイの方は必ず先にゲームのプレイをどうぞ!先に下を読んでしまうと台無しです。


↓ネタバレ記事開始カウントダウン5

↓ネタバレ記事開始カウントダウン4

↓ネタバレ記事開始カウントダウン3

↓ネタバレ記事開始カウントダウン2

↓ネタバレ記事開始カウントダウン1


■ネタバレ感想(各ルート)

ここからは本作のエンディングまでをプレイして感じたことです。
改めて今更ですが未プレイの方は絶対に立ち入り禁止です。
あと、以下の感想、見返したら結構キモイです。


○橘 栄太郎ルート
少女マンガ(たぶん乙女ゲーでも)の王道の1つでもある、いがみ合う状態からのスタート。黒髪エリートだらけの学園に引っ越して早々、偏見まみれの生徒会長からいきなり高圧的な態度に出られた時の主人公の反応も良かったですよね。このストーリーのかなり序盤のシーンで舞台設定や主人公の性格なんかも合わせて認識できるのでばっちりな掴みだと思いました。(ついでに腕も掴まれてるし)

体育祭のシーンでは会長のメガネを外したご尊顔が拝めます。「普段メガネをかけて鉄仮面気取って鋭い目つきしてるけど、裸眼になったら可愛いお顔じゃないの!あらやだ!」と全プレイヤーが思ったに違いないですが、そんなことお構いなしにてきぱきと介抱する主人公がイケメンです。「くっ、コイツいつも僕があんな厳しく当たってるくせにどうして頼んでもないのにこんなことまでしてくれるんだ!コイツにはプライドってもんがないのか!でも、コイツってばイイヤツだな。というか物理的に近い!」という会長の騒がしい心の声も聞こえてきそうです。(こない)

終盤の展開ではエリートの良くない側面丸出しの父親の呪縛からの解放的なストーリーが繰り広げられますが、主人公の人としての魅力に完全に陥落した会長が生き方そのものを変えていこうという心の動きが感じ取れて良かったです。妹の存在も凄く良かったなぁ、と。身近な人間がフォローに回ってくれるってことは、それだけなんだかんだちゃんと普段からお兄ちゃんをしてるってことなので。

最後のぎこちなく抱き合うシーンも良いです。テスト前に勉強を教えてくれる時と全く違う表情の会長。自然な展開や言動のため(ステレオタイプな印象や展開がない)全く気付きませんでしたが、よく考えたら典型的なツンデレですよね、会長。個人的には偽悪的な人物を凄く好ましく思う(捨て猫を拾うヤンキー的なものではなく、ぶっきらぼう頑固爺みたいなヤツ)ので、会長の本質的な部分で優しいところは序盤から好印象ではありました。あ、序盤というか先に三木ルートをプレイしたのでそちらで好感度爆上がりでした。自分に厳しいってのもかなり美点だと思います。


○永瀬 司ルート
転校初日に会長に絡まれている(?)ピンチを助けてくれるところからのスタート。学ランの第一ボタンどころか詰襟までぴっちり占めて目つきの悪い会長とボタン全開で中にベスト(いや、袖もあるからセーターか)を着ている優し気な表情の先輩の対比が見られるスチルもいきなり印象的です。先輩の泣きボクロやちょいロン毛から醸し出すキラキラオーラが凄いですね。両手を掴まれてもポーっとならずにただ困惑してる感じの、恋愛体質度が低めの主人公も身持ちが固そうで好感度が爆上がりです。

先輩は見た目が良すぎて周囲から期待されまくった結果、あまり物事に本気にならず、本音を見せず、王子様キャラとして振る舞い生きていくことにしているという状況なのですが、その生き方が主人公との関わる中で変化していくのが見せ場だと感じました。体育祭のシーンなんかは完全にナンパな王子様モードでしたが、モデル撮影のイベントが大きな転換点だったように感じました。本当にやりたいことを改めて思い出すきっかけにもなり、普段との表情の違いを指摘されることであまり気付いていなかった主人公への感情にも自覚する、とても良いイベントでした。

その後は親友の煽りもあって主人公にも本気になっていき、王子様という仮面を外し、自分の心に正直に生きていくことになる先輩。ハッキリ言ってすかした王子様キャラよりラストの先輩の方がよほど見ていて好感度が高かったですね!余裕綽々でスキンシップを取ってきた先輩が主人公を抱きしめて顔を赤らめるシーンが先輩ルートのハイライトだと思いました。大勢に好かれても煙に巻いていたのに、たった一人が自分の感情を受け入れてくれるかどうかで不安になっている様を見て、おお!ついに本音丸出しでリスクを取ってアタックしとる!と親心?が炸裂しました。想いが成就した後の最後のキスシーンではまた余裕を取り戻しつつ、でもなんだか気恥ずかしい、みたいな感情がスチルからも見て取れて凄く良かったです。というか今更ですが会長と三木くんってキスシーンすらない!?なんて純情な高校生なんだ!推せるぜ黒髪学園!!


○三木 大翔ルート
転校先の新しいクラスでうまく馴染めるか不安だったところでファーストコンタクトからフレンドリーに接してくれるクラスのご近所さんスタート。男女関係なく友達オーラ全開の三木は誰からも好かれまくる天然人たらし。顔も整ってて運動神経バツグンですぐに距離を詰めてくる愛嬌◎キャラということで、実はモテることがストーリーの展開の中で分かってきます。そして、そのうえでlike値が高くてもlove値はピクリとも動かない難攻不落キャラであることも見えてきます。主人公と三木も序盤から高いlike値は割と早めにMAXまで到達するのですが、お互い意識しだしてからも「でも相手のlove値ゼロだもんなぁ。相手はlikeだからなぁ」とお互いが悩むところがなんとも若者の健全な恋愛という感じで良かったです。

このルートでは早めのタイミングで双子の弟がその存在からして双子のキューピッドになるわけですが、この双子の兄弟の名前が我が家の息子たちと全く同じでテンション爆上がりでした(弟の漢字は違いましたが)。おおっ!作者さんと同じセンスしてるよ!ということで勝手に大喜び。しかも雄大くんの遊園地の観覧車シーンは子どもながらにあっぱれファインプレイでした。雄大、いい仕事するぜ!

終盤の夜の学校で練習するシーンは非常に胸が熱くなりました。一生懸命に本気で競技に挑む三木と、それを全力で応援しようとする主人公。この場面に至るまでに三木の競技に懸ける背景や境遇がバッチリと描かれているのと、このシーンそのもののシチュエーション力が凄くて、気が付いたらなんか泣いてました。このゲームで一番好きなシーンですし、キャラとしては三木が一番好きです。性格が真っすぐひたむき過ぎるぜ!


■ちょっと気になった点

何か感じた時はきちんと書いておこう、というスタンスです!
そもそも個人的には全体的にメチャクチャいいな!と思うほど、
気になる点が気になったりするんですよね。(自分だけ?)

〇各EDのムービー鑑賞が欲しかった
項目のまんまです。本作は完成度が非常に高く、例えば既読判定なんかもおそらく一文ずつ設定されていたり、シナリオとグラフィックだけでなく、システム面なども細部にわたって非の打ちどころがありませんでした。唯一あるとすれば素晴らしいエンドロールをクリア後は好きなタイミングで見たかったな、というくらいです。普段は初回プレイでED直前を見極めて各ルートのセーブデータを利用してお手製ED見られるモードを作ったりするのですが、今作は珍しく熱中しているうちに忘れてしまいました。追加ルート実装時に合わせて対応してほしいです!


ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

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ネタバレ防止緩衝地帯

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5.おわりに

というわけで「私立!!黒髪学園」の感想はこれでおしまいです。

前作がとても良かったので、本作も制作情報が出た当初の頃(2021年1月!)からずっと楽しみにしていました。公開後の人気を見るにつれ期待度がどんどん膨らみ、かなり期待値が高い状態でプレイしましたがそれを超える完成度の高さで痺れました。

👇こちらも非常におススメな過去作。絵うっま!👇

👇作者さんのサークルページです👇

当方はアラフォー男なので本作は完全にnot for me、制作者さんからすれば完全にnot for youもいいところではあるのですが、申し訳ないと思いつつ推し記事を上げております。感想記事を読まれている方はむしろ女性の方が多そうというのもありますし、恥を忍び、作者さんは迷惑かなと感じつつも、素晴らしい作品は素晴らしい作品なので仕方ないということで界隈の皆様も含めてお許し下され。
(これでも一応乙女ゲーの時は葛藤があったりします)

以上、富井サカナでした。


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↓↓↓↓私自身もゲームを作ってます↓↓↓↓


👇実は自分の中では勝手に姉妹作だと思ってますw👇


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