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【フリゲ感想】生きるその先に -覚醒編-

この記事の文字数は約4,800字です!

おはこんにちばんは! 富井サカナです。
今回は前作が素晴らしかったのでプレイ前からとても期待していた、
古き良きギャルゲーテイスト溢れる三部作の二作目です!

1.どんなゲーム?

今回紹介したいのは、ふくろうと黒猫の杜さんの「生きるその先に -覚醒編-」です!!

【制作】ふくろうと黒猫の杜様(主催:みゃあすけ隊長様)
【制作ツール】ティラノスクリプト
【プレイ時間】1ルート2~3時間程度(全3ルート)
【ジャンル】全年齢対象、男性向けの恋愛ADV
【KW】恋愛、人間ドラマ、涙腺崩壊系、長編
【ED数】6(3ルート各GOOD、BAD)
【筆者プレイ時期】2023年2月にプレイ
【筆者プレイ状況】全6ED(3ルート各GOOD、BAD)クリア
【公式サイト】

【あらすじ】
大学入学を控え、都会に上京してきた吉沢夏生(よしざわなつき)はある夜に不思議な少女と出会う。
白銀の髪に深紅の瞳を持つ少女は、冷たい声で
「私の名は鬼晶(きしょう)。お前の死神だ」
と言った。
戸惑う夏生に対し、鬼晶と名乗る死神は2週間の命の猶予を与える。
夏生は死の運命から逃れるため、妖怪退治屋の助けを借りるべく動き始める……―――。

3つの世界線で構成された物語の二本目。
岐尾森では辿り着けなかった結末が、そこにある。

【一言でいえばどんなゲーム?】
古き良き美少女ゲームの空気をまとった感動の泣きゲー

👆制作サイトもアクセスカウンタがあったりして往年の雰囲気ですよ!
(攻略情報もあり、とてもお世話になりました!)



2.こんな方に特におススメ!

ここの部分の売り文句は前作同様としています!前作同様に!イイ!

・ゲームで感動して泣いて心のデトックスをしたい人
本作、涙腺刺激系というタグを用いていた前作からレベルアップして涙腺崩壊系というタグが用いられています。私は正直なところ前作の方が泣けましたが、今作でも各ルートとも涙を流して感動しました。やはり良いストーリーを堪能して心を浄化することは、高ストレス現代社会を生きる人間には必要ですよね!

・たまにはADVのシリーズものもやってみようと思っている人
本作は長編三部作の2作目となります。また、共通ルートからキーパーソンとして登場する妖怪退治屋の天城家の面々は過去作の「REACT」の主要メンバーだったりします。長編からしか摂取できない栄養素だけでなく、同一世界観スピンオフ的な作品からしか摂取できない栄養素も摂取できる素晴らしい作品となります。なお、後述しますが本作をまず初めにプレイしても十分に楽しめます。

・昔懐かしい美少女ゲームのテイストを味わってみたい人
本作のジャンルは『男性向けの恋愛ADV』となります。古き良きギャルゲー、美少女ゲーファン垂涎の正統派の作品です。人ならざるモノがたくさん出てくる伝奇モノってのもとても懐かしさを覚えます(今の流行りを知らないだけで今でも王道なのかもしれませんが)。テキストウインドウやアイキャッチなどあらゆる部分の「コレダ感」を感じます。

ちなみに以下に前作『生きるその先に -岐尾森編-』と
関連作『REACT』のリンクを貼っておきます。どちらも名作っす!!
(プレイ順はお好きな順で大丈夫だと思います)

👆ついでに前作の感想記事もついでに貼っちゃう!



3.ネタバレなしの感想

ここではネタバレなしの感想を記載します。
ノベコレでの私の感想+補足という形にします。

👇こちらはノベコレでの私の感想へのリンクです
ゲームのプレイ・DLページへのリンクを兼ねています

例によって感想記事前提でさらりとした内容となっていますが、他の皆さんの感想なんかも見て興味を持ったら是非さっさとプレイしましょう!
以下、もうちょい魅力を深堀します。


■シナリオ

前作と同一世界観の元に作られた作品ですが、やはり少年時代の思い出だったり、人ならざる者との恋愛だったり、和風伝奇的な設定だったりが興味深く、恐らく簡単なプロットを見ただけでも面白そうだなと思えるシナリオに仕上がっている感じです。印象でしかないですが前作と比べてテキスト量はややすっきりとした印象で、よりプレイしやすくなった印象を受けました。

■グラフィック

グラフィックはとても良いです。特にキャラクターの服装が好きですね。その辺は個別で後ろの方で再度触れます。あと、イベントCGがたっくさんあるのでとても豪華です。数えたら差分なしで約50枚ほどありました。お色気シーン、感動シーン、バトルシーンなどバランスよく取り揃えていますので要チェックですよ!

■BGM

今作からはフリーノベルゲームレビュー界の生ける伝説であるNaGISAさんが音楽提供しています。作曲されているというのは知っていたのですが、質も量も素晴らしいお仕事でとても驚きました。書きおろしの曲なのでいずれもシーンにピッタリですし、本作がまとう少し懐かしい雰囲気とも相性抜群だったと思います。『妖怪退治屋のテーマ』とかREACTで流れてなかったっけ?と本気で思うようなピッタリ感でした。日常シーンや感動シーンの曲などもいずれも良かったです。おまけモードから音楽鑑賞できるのもありがたかったです。

👆こちら、本文と関係ないですがレビューサイト。いつも拝見してます!



4.ネタバレありの感想

というわけでここからは完全にネタバレを含みます。
各キャラのエンディングにも言及しておりますので、未プレイの方は必ず先にゲームのプレイをどうぞ!先に下を読んでしまうと台無しです。


↓ネタバレ記事開始カウントダウン5

↓ネタバレ記事開始カウントダウン4

↓ネタバレ記事開始カウントダウン3

↓ネタバレ記事開始カウントダウン2

↓ネタバレ記事開始カウントダウン1


■ネタバレ感想(各ルート)

ここからは本作のエンディングまでをプレイして感じたことです。
改めて今更ですが未プレイの方は絶対に立ち入り禁止です。


■鬼晶ルート
〇キャラクター
鬼晶は本シリーズでは明確にメインヒロインポジとなってます。今作で2度目の個別エンドは圧倒的ヒロインの証!正体は伏せる必要もなくあらすじ段階で死神と明記されていますね!前作のプレイ中は死神が殺しに来たという冒頭だったのでどんなキャラか分からない手さぐり的な感覚がありましたが、前作で既に心優しきお姉ちゃんバレしているので安心して見ていられました。昔の想い出のシーンの素顔の鬼晶がメチャンコかわええです。というわけでメガネは常に外していてもらいたい!

〇ストーリー
今作は早くデレろ~デレろ~と思いながらプレイしました。主人公の境遇については前作同様にルートの話の中で明らかになるのですが、やはり長きにわたって主人公を陰ながら見守っていたというところがこれまで生きた年月(800年以上)と比べればそこまで長い期間ではないとはいえ非常にグッときます。ラストで主人公が鬼として覚醒するに至りますが、主人公と鬼晶の髪と瞳の色がお揃いになるのでお似合い感が凄いです。ラスト、愛の逃避行の先にも様々な冒険が待ち受けていそうだな、と思いました。素性を隠した最強のコンビが全国各地で妖怪退治屋と戦いまくるアナザールートも見てみたいですね。


■沙姫ルート
〇キャラクター
服装や見た目の造形でいうと本作イチ好みです。かわええっす。もし自分が大学生に入って一人暮らしを始めた時のお隣さんがこんなだったら、きっと嬉しすぎてテンパってドン引きされていたにちがいないです。言動からはかなり超然としたような印象というか、何かを諦めているかのような雰囲気が感じられます。このあたり、生い立ちと密接に関連しているので非常に巧みな描写だったと思います。

〇ストーリー
中盤当たりのイベントではひどい目に逢いました。合意の上どころかむしろ誘惑までされてるのにあんな冷たくされちゃう主人公が不憫で不憫で。下着が見えてるパジャマのシーンあたりからもうこっちは内心でギラギラしてたっつーの!
生い立ちの部分の真相を巡る展開ががかなりミステリー要素があって面白かったです。プレイしながら推理?妄想?がはかどりました。鬼としての覚醒時の状況を考えるとかなり納得感のある展開でした。また、自分を愛してくれる親だと思っていた相手が自分を恨む親の仇だったという誤解をしている状態であれば、自暴自棄にもやぶれかぶれにもなるでしょう。むしろその割にはまともだったので頑張ったんだな、などと思いました。ラストシーンはREACTの麗音ENDのようにビキニのグラフィック(もちろん黒ビキニおじさんのことではない)がほしかったです!お色気担当なんだからもっとお色気を出してほしい!


■詩衣ルート
〇キャラクター
妖怪退治屋の立華家の当主。御三家とあるのですが他は天城家と関弥家なんでしたっけ?見た目が何となくチャイナっぽい服装なので、見た目から和装の鬼晶と洋装の沙姫と差別化ができていて良い感じです。
友達と呼べるような存在がいないからなのか、パワハラ親父に育てられたからなのかかなり個性的です。「爬虫類が好き」までは良いのですが、あの生物部でのデートシーンのインパクトは古い過去からたくさんの恋愛ADVをプレイした中でも極めて印象深かったです。主人公が不憫すぎる。。。

〇ストーリー
直前にREACTを履修していたせいもあってか、早い段階で主人公の覚醒をどう防ぐのかについては分かりました。でもあの儀式の方法はなんともリスクが高すぎてとんでもない覚悟と勇気が必要ですよね。リターンを考えればそれくらいはしないと、という意味では凄く設定の納得感はあるのですが、うまくいくか確信が持てないイチかバチかの状態でアレは凄いです。愛の力ですね。
エンディングのシーンはREACTの黒ビキニおじさん、じゃなくて麗音の父親を思い出しました。本作の詩衣ルートって実は一番ハッピーエンドなの詩衣の父親なんじゃないの?と思う展開でした。メチャクチャ良い具合に話がまとまってますよね。


■ちょっと気になった点

何か感じた時はきちんと書いておこう、というスタンスです!
が、特に気になる点はないですね。

強いて言えば前作に比べて少しだけプレイ時間が短くなったような気がします。往年のギャルゲーのように感動シーンのテキストはもっとダラダラと長くても良いと思いました!(プレイヤーの泣き待ちみたいな感じで)
ただ、この点については100人いたら90人(もっと?)はテキスト量はスッキリしてほしいと思うので、現状が最適だと思います。


ネタバレ防止緩衝地帯

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5.おわりに

というわけで「生きるその先に -覚醒編-」の感想はこれでおしまいです。
前作同様かそれ以上に素晴らしい一作でした。
今作も各ルートとも泣かせて頂きました。

ちょっと表示が縦に長くなってしまいますが、完結編の第三部も順調に制作中とのこと!こちらもメチャクチャ楽しみです。どうストーリーをまとめあげるのだろうか!(沙姫の出番あるのね!意外!)

ゲーム制作、特に長編のノベルゲームの絵とシナリオをどちらも担当するのは信じられないほどの労力が掛かるものですので、これだけのクオリティとボリュームの作品をコンスタントに毎年出し続けるというのはまさに奇跡的なことだと思います(しかもみゃあすけ隊長さん、フェス作を大量に遊びつつFAもたくさん描いてらっしゃる)。次回作は順調に進んでいるようですが、無事に完成まで走り続けて欲しいところです。応援してます!

以上、富井サカナでした。


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