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茶所静岡の日本茶カフェ巡り 1

「静岡のお茶、めちゃくちゃ美味しいじゃん!こんなお茶飲んだことなかった!」

 地元静岡を遠く離れ、北海道の大学に進学した私は、お茶を飲んだ友人の一言にびっくりしてしまいました。

 私が、高校まで住んでいた静岡県は「日本一の茶所」と言われていて、その名前の通り、2019年に鹿児島県に抜かれるまでの約49年間、全国の荒茶生産量は1位(ちなみに2021年からは再び1位になっている)、緑茶の消費量は静岡市、浜松市が全国の政令指定都市の中で1、2位となり、お茶の作付け面積は静岡14,500ha。静岡県の約50%はお茶畑という、お茶=静岡県と言っても過言ではないぐらい、お茶の一大産地です。

 そんな茶産地であるからこそ、茶農家、製茶工場、お茶の卸問屋、小売店など茶業に従事する人も多く、静岡県民の知り合いを辿ればどこかで茶業者にあたるのではないか??というぐらい、お茶が生活にも密接の関わり、身近で当たり前なものになっています。

 私も、現在は茶業に従事しているし、祖父は今も現役のお茶農家だったりする。学校の同級生は実家がお茶農家だったりする人も多いです。

 企業に行けば珈琲よりもお茶が出てくるし、街中には何軒もお茶の小売店が点して、道の駅には、その土地ごとの銘柄茶が売っている。飲食店に入れば水よりも先にお茶が出てくる時さえあります。

 そんなお茶に囲まれた環境で育ってきたからこそ、普段飲んでいるお茶の味について考えたことはなく、飲んでいるお茶の味が“普通”だと思って生きてきました。

 しかし、お茶の栽培や生産のできない北海道出身の友人は、普段はペットボトルのお茶しか飲まず、急須で淹れたお茶を飲んだこともないというのです。

 実家から送られてきた祖父が揉んだお茶を、いつもと同じように急須で淹れて、飲んでもらうと、友人はお茶のおいしさを大絶賛!飲ませた私が驚くほどでした。

 それは不思議な体験であると同時に、自身の根源的なアイデンティティを肯定されたような嬉しさを強く感じた瞬間でもありました。

 幼い頃は、お田畑は遊び場でもあって、祖父に連れられてはお茶畑に行って、お茶の実を集めたり、農作業を手伝ったりしてきました。深夜遅くまで茶工場に篭って、お茶と向き合う祖父の姿を思い出し、まりに身近にありすぎて、考えることさえしなかったお茶という飲み物の存在の魅力に気づく大きなきっかけになりました。

 私は友人のその一言によってどっぷりと日本茶の沼へとハマっていくことになったのです。


 お茶という存在を意識するようになった私は、お茶を調べていく過程で日本茶のカフェがあること知るようになりました。

 近年では、InstagramやTwitterなどの SNSの発達によっておしゃれなカフェや食べ物が取り上げられて、写真と共に世界中に拡散されることが一般的になっています。

 純喫茶やレトロな喫茶店などもSNSを通して知ることが多く、SNSによって特徴的な喫茶店も増え、カフェ巡りという趣味が発展した気がします。

 そんな中で、今までのお茶のイメージを変えるような日本茶のカフェが近年登場し始めて、少しずつ広まりはじめています。


 お茶が有名な静岡県には実は数多くの日本茶カフェが存在しており、お茶屋さんが自ら作った日本茶カフェや多様な品種、個性的なお茶を取り扱うカフェなども増えてきています。
 昔から日本に根付き、親しまれてきた日本茶ですが、製法や組み合わせによってさまざまに味や香りを変化させ、お茶の持つポテンシャルと個性の豊かさに驚かされることもあります。

 茶所静岡の日本茶カフェを紹介しながら、日本茶の持つ魅力と、奥深さをぜひあなた知ってほしいと思っています。
 普段お茶を飲む人も、飲まない人にも日本茶の底の見えない沼にハマってください!

#静岡
#日本茶
#カフェ

(参考文献)

●令和4年6月 お茶の情勢 農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/cha/attach/pdf/ocha-44.pdf

●令和4年産一番茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量 農林水産省

https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/attach/pdf/index-56.pdf

●家計調査(都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり支出金額,購入数量及び平均価格、令和2年) 静岡県H P

https://www.pref.shizuoka.jp/j-no1/cha-rui.html

●茶業の現状 静岡県経済産業部

https://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-340/documents/shiryo4.pdf




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