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自分の健康について考え直すとき、ときどき読み返す本。『ゆるい生活』/群ようこ

今日は、好きな本『ゆるい生活』の感想文を書いてみようと思います。漢方が気になっているときたまたま見つけ、エッセイで読みやすそうと買ってみたのが本を読んだきっかけでした。

著者は、映画『かもめ食堂』、連続ドラマ『パンとスープとネコ日和』などの原作も書かれている小説家、群ようこさん。ある日めまいに襲われ、漢方薬局を訪れてから、漢方生活を始め、同時に日々の生活も見直していき、エッセイには約6年の日々の記録がまとめられています。

本の一番好きな点は、群さんと漢方薬局の先生の対話を通じて、日常生活に活かせる東洋医学の視点を学べる点でした。エッセイでは群さんの不調、漢方を始め生活を見直し起こった変化に対し、先生が説明をしていくような箇所が多くあります。群さんが先生から教えてもらったことがわかりやすく説明されており、学びながら読み進めることができました。「群さんの場合は○○だった」みたいな内容もありますが、一般的な内容も多いです。先生のコメントを通じ、東洋医学的な考え方、問題の原因、その対策をいろいろ知ることができたなと思います。

本を読んだ後、私自身も漢方薬局に行って、そのとき漢方薬局、漢方生活について予備知識があってよかったなと感じたので、そのことについても。

調子が悪いとき、私は東洋医学の視点からの解決法を探すほうです。それでも「漢方薬局」はハードルが高かったです…。町で見る漢方薬局は、普通の薬局と雰囲気が違い、保険もきかないし、漢方が効くかもわからないし、一度店に入ったら性格的に「やめます」と言えないだろうし、実際に薬局を訪問するまでが長かったです。でも行ってみると、本を読んで「こんなことを聞かれたりするのかな」と思っていた内容の話も多く、予備知識があることで少しリラックスできたところがあった気がします。

そして、漢方、漢方生活がどうなるかのイメージが事前にわいたことも助かった点。漢方は煎じるか粉末のものか選べ、煎じ薬のほうが効き目が出るということで煎じ薬を選びました。そのとき煎じ方などの説明は事前にしてくれるけど、その他のことではイメージがわかないことも多かったです。

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(煎じ薬と水を火にかけて煮込み、1日分の漢方をまとめて作り、その後3食にわけて飲んでいく)

そんなとき、本で群さんが実践されている描写や変化などは、漢方生活のイメージをつかむのに役立っていた気がします。例えば、群さんは漢方生活を始め、提案された生活を守っていたら、やせすぎたり、他にもいろんな変化があったよう。群さんと同じような変化は私にはなかったのですが、本を読むことで「漢方を始めると、何が自分の体に起こるのか」を事前に知りることができてよかったなぁと思います。

本はエッセイなので、漢方情報主体で読みたい人にとっては、少しマッチしない本かもしれません。私自身、特定の先生の説明箇所を振り返りたいときは、読みたい箇所を探すのに苦戦し、どこだっけと困ることがあります…。また、後半は漢方の情報が減り、話のトーンも若干変わって、読むスピードは落ちてしまいました。

でも、この本を最初の一冊として読んで、よかったなあと感じています。本では、日々の生活、具体的な漢方記録、先生の説明がまるっとまとめられています。群さんの生活の体験談の話と一緒に、東洋医学の考え方を一緒に学ぶことができ、気になるけどこれまでとっつきにくかったテーマを、よみものとしてわかりやすく知ることができたなと感じます。

不調があったら、生活リズム、栄養を見直すがこれまでの基本でした。しかし本を読んでからは、東洋医学、漢方の考え方を知り、事象をみる視点が増えたなと感じています。不調に対して何か試してもどうにも改善しないとき、健康のために何か変えたほうがいいかもしれないと感じるとき、糸口、ヒントを求めてときどき今も開く1冊です。

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