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残業がイヤな、就活生。

困った。

残業はしたくない。でも、好きなことを仕事にしたい。キャリアアドバイザーとして就活生と話してると、こうした学生に本当に多く出会う。

「残業はイヤなんですけど、でもゲームの仕事には興味があって」
「保険業界に興味があるんですけど、長く働くのはちょっと……」

気持ちは、わかる。誰だって、長く働きたくない。かくいう僕も、長時間労働でココロが疲弊して、適応障害で2度ほど倒れたこともある。もう、あの環境には死んでも戻りたくない。

だけど、これだけは言えるのが、「長く働く=悪」ではなくて、「“自分に合わない環境で“長く働く=悪」ということ。

「プライベートも大切にしたいんですよね」
「仕事だけに生きる人生は、ちょっと」

この気持ちはごもっともだし、平成13年とか14年生まれ(まさかの平成2ケタ世代!)の就活生たちと、僕のような平成ギリギリおじさんの感覚が違う、というのは、もちろんある。社会的に過労死などが話題になって、それが今の大学生の心の中に暗い影を落としているんだろうな、ってことも話を聴いていると分かる。

一方で、エンタメ業界や人材業界のような「クソ忙しい」業界に少なからず身を置いた経験から言うと、残業時間が長いことに不平不満を言う声は至る所から噴出してる一方で、(子育てなどは別として)それを理由に会社を飛び出す、って人はあんまりいない。「まぁ、好きな仕事に就けているし」「なんだかんだ一緒に働いている人は好きだし」みたいな結論に落ち着くことが、多いみたい。

もちろん転職を考える人も中にいるけど、残業時間を減らしたい、というよりかは、僕みたいに「人間関係でトラブルがあって」とか、「想像していた仕事と違った」とか、「起業したい」とかが、多い。

これはあくまで僕の仮説だけど、長時間労働は、

「×人間関係のストレス」
または
「×興味ない仕事」

のときに、大きな悪となって心を蝕み始めるのかな、と。これはフリーランスになってみて如実に感じてることだけど、僕自身、1週間ずっと仕事をしていて、それでも倒れていないのは、人間関係のストレスが激減したこと、そして興味のある仕事だけをやっていること、がかなり大きいと思ってる。

と、ぐだぐだと書いてきたけど、つまり「長く働く=悪」とは一概に言えなくて、「“自分に合わない環境で“長く働く=悪」ということ、かなと。

会社は、実際に入ってみないと自分に合ってるか分からない“運ゲー”要素が強いのは確か。でも、どんな雰囲気の会社だと居心地が良さそうか、その仕事は自分にとってストレスを感じにくそうか、といったことを考えつつ、入社後のリスクを減らす努力はできる、はず。

そして、もしも「好きなことを仕事にしたい!」という気持ちを持っているのであれば、本当にその気持ちは大切にしたほうがいい。その気持ちがあれば就活も頑張り抜けるし、実際に働いた後も、仕事を続ける原動力になり得るから。

だからこそ、「残業時間が多い・少ない」という定量的なフィルターだけで自分の選択肢を狭めるのは、おすすめしない。「残業万歳!」といった標語が掲げられているようなブラック企業の社員は別として、残業が多くても、その仕事、そして一緒に働く人に恵まれれば、いわゆるホワイト企業に勤めていても残業の多さが気にならない、という人も山ほどいる。

労働時間は、マストの条件というより、ベターな条件と捉えていたほうが会社選びはスムーズに進む、かもしれないね。

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