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モンドリアンと和の伝統美

私が開催している講座では、伝統文化をデザインの視点で切り取り、ビジネスなどに役立てたり、アドバイスしたりしております。

最近では、そのことを具体的にまとめて「和文化デザイン思考」と言う講座を開き、日頃、和文化や和装などに一切興味のないビジネスマンなどにビジネスに役立つ和文化デザイン思考講座を始めました。

さて、今回は『モンドリアン』と『和の伝統美』の共通点のお話です。

モンドリアンは、ある年代の人からすれば懐かしいですね。

しかしある年代の人には新鮮です。

それにしても、何年か毎に蘇る「モンドリアン」

この十数年に一度の蘇りは、ヘーゲルの事物の螺旋的発展を実証していますね。

モンドリアン流行の発端は、イヴ・サンローランが1965年に発表した、白地の画面に縦横に走る太い黒線、そして赤・青・黄の三原色を配したシンプルだけどカラフルなミニドレスでした。

これは世界中に広まり「モンドリアンルック」と呼ばれ一代ブームを巻き起こしました。

その影響力はファッションの世界だけにとどまらず、モンドリアンは、建築から広告、プロダクトデザインなど、現代のあらゆるデザインに影響を与えています。

ピエト・モンドリアン(オランダの画家)の芸術運動「デ・スタイル」は、「芸術を大衆に理解してもらうためには、とことんミニマムに表現すべきだ」という考え方です。

モンドリアンが表現したミニマムなシンプルと日本の伝統美のシンプルの共通点は多いです。

一般的な『シンプル』の意味は「簡素、飾り気が無い、無駄をそぎ落とした合理性や実用性」を言いいますが、日本が世界に影響を与えたシンプルは「一見簡素に見えるが、多くの要素を凝縮して成立させ、想像力を引き出す余白を残す」というシンプルです。

この『余白』の概念こそが日本のシンプルの特徴だと言えるでしょう。

そこでモンドリアンの白を余白とみれば共通点が見えてきますね。

単純明快でありながら、アシンメトリーで動的なコンポジション。

さらに黒の縦横の線は無限の連続性を想像させ、『アシンメトリー』『動的コンポジション』『連続性』『余白』などといった日本の伝統美の特徴との共通点が浮かび上がります。
しかし、大きく違うところもあるのですが、そのお話はいずれまた講座でさせていただきます。

和文化デザイン思考 講師

成願義夫

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