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ゲームモデルの作り方:13の行動(基礎編)〜行動1:ボール出し〜Vol.4

フットボールというスポーツは自分自身のプレーに集中しなければならないのと同時に、チームとしても集中しなければならない。このスポーツはそのような能力が備わっている人が適していると思う。フットボールは非常に特別なスポーツだよ。
                      フランシスコ・セイルーロ


前回、ゲームモデルには「2つの局面」「4つのモーメント」、4つのモーメントを基にした「13の行動」があること。その行動の下に「考慮するファクター」、その下に「チーム、選手間、選手(個人)」の基準/キーファクターがあり、それが選手のタスクとなることを説明した。

ゲームモデルを細分化し、構造化することによって、誰でも自身のゲームモデルを構築することができるようになることだろう。私が高校教員時代に模索していたのは、ゲームモデルの構造をはっきりと理解することにあった。しかし、チーム、選手間、選手(個人)としてタスク化するというアイディアは思いつかなかく、個人のタスクを攻撃と守備で分けることしか考えつかなかった。

このゲームモデルの構造化は、スペインサッカーコーチングコースで学んだことを私なりに解釈したものである。


ゲームモデルと複雑な意思決定の関係

下の図はゲームモデルの構造を表している。

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フットボールは非常に複雑なプレーの状況の中で、複雑な意思決定をしなければならないスポーツである。そのような状況で複雑な意思決定をするために選手は、チーム、選手間、選手個人としてのタスクをしっかりと理解し、プレーの状況に適合する最適な解決策を瞬時に選び、実行しなければならない。

※尚、図では、セクトリアル(分野別)が選手間に入っているように見えるが、選手の方に含まれる。セクトリアルは5人以下でのトレーニングなので、選手個人にフォーカスをした日に実行されるからだ。

そのためにはゲームモデルを構造化して、選手がプレーの状況の中で自分のタスクを理解しやすくする必要があった。セイルーロが言うように、自分自身のタスクに集中しながら、チームとして、集団として集中しなければならないのがフットボールの特徴だからだ。

最も大切なことは、ゲームモデルは、そのチームのプレー原則であるが、選手を縛るものではない。監督はチーム一人一人の選手の特徴を理解し、選手間の相互作用を考慮して、ゲームモデルを構造化する中で、ゲームモデルに柔軟性を持たせる必要があるだろう。


ペップ・グアルディオラの興味深い動画があった。

プレースタイルについてこのように述べている:

(これは、インタビューの内容を私なりに翻訳し、解釈して抜粋したものである。)

世界中の全ての監督は、自身のアイディアをチームの選手と一緒に実行する。その意味は、彼ら選手にとって、より良いやり方で試合に勝つのだと思うからだ。
私はロマンティストではない。勝ち点が欲しいし、試合に勝ちたい。それが(選手にとってより良いやり方が)勝つための最良の方法だと思う。

相手選手と、自チームの選手の特徴にプレースタイルのいくつかの事柄を適応させる。バイエルンの選手とバルサの選手の特徴は全く異なる。
なぜなら、選手の特徴と言うのは、全く異なるからだ。

しかし、本質的なスタイルは高い位置からプレッシャーをかけ、できるだけ前でボールを取り戻す。より良く試合をコントロールするためには、良いボール出しをする。より良いトランジション(攻撃への切り換え)をするには、多くパスをする。

本質的なスタイルは同じ。でも、私たちはアグエロやケレチ・イヘアナチョに適応する。

例えば、D.シルバと一緒にプレーするときと、デルフと一緒にプレーをするときとでは全く異なる。だから、私たちは選手の特徴に適応する。
でも、プレーしたいから、プレーの形は選ぶ。このやり方だと思う。
試合に多くの勝つチャンスを持てるだろうから。


さて、グアルディオラのインタビューを念頭に置いて、いよいよ13の行動について説明する。この13の行動を読むことで、ゲームモデルの構造とゲームモデルを実際に作る方法が理解できると思う。


最初に局面は攻撃、モーメントは組織的攻撃から始める。


前回も説明したが、組織的攻撃には、「ボール出し」「前進」「ダイレクトプレー」「セットオフェンス」の4つが含まれている。


局面:攻撃 モーメント:組織的攻撃
モーメントには、組織的攻撃のプレーの状況に基づいた定義がある。

組織的攻撃のモーメントに働くプレーの状況(定義)

1. ゲームの局面が攻撃であること。
2. 優先するべきファクターは攻撃の組織構造である。行動は、ボール出し、前進、ダイレクトプレー及びセットオフェンス。
3. 異なる行動において、攻撃の組織構造を修正するファクターは、組織的攻撃の集団アクション及び、補償アクションである。
4. 考慮するファクターから基準とキーファクターが現れる。

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考慮するファクターの「攻撃の組織構造」については、「ボール出し」「前進」「ダイレクトプレー」「セットオフェンス」の4つの組織的攻撃を全て含んでいる。


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スペインサッカーコーチングライセンス・レベル3(S級相当)取得。2016-2017シーズン CF Badalona (2部B)で試合分析を担当。FC バルセロナアカデミー品川大井町校でコーディネーター兼コーチ2019 4月-12月。フットボリスタ・ラボ。

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