ゲームモデルの作り方:13の行動(基礎編)〜行動10:セットオフェンスへの守備〜Vol.12
今回を入れて後2回で「ゲームモデル の作り方:13の行動(基礎編)」を終了する予定である。
今回は組織的守備におけるゾーン1(守備側から見て)で行う行動:「セットオフェンスへの守備」について書く。
相手チームがゾーン1(守備側から見て)のファイナルゾーンにボールを運んできたと想像する。守備側は、組織的守備の行動である「セットオフェンスへの守備」を実行するために素早く守備組織を整える。
下記の「ゲームモデル:13の行動」図をもう一度確認して欲しい。
「ボール出しへの守備」「前進への守備」と同じく「セットオフェンスへの守備」のゲームモデルの作り方を知ることで、組織的攻撃の「セットオフェンス」をさらに深く理解できることだろう。
「セットオフェンスへの守備」は、相手チームを分析し、その分析した内容をもとにチームでトレーニングをする。
プレシーズン中に監督のゲームモデルに基づく、特定の「セットオフェンスへの守備配置」やマークのタイプを決めて、どこにDFラインを取り、どこからプレッシングをするのかを決めなければならない。
セットオフェンスへの守備の目的は:
「ゴールを守る」こと。
プレッシングをかける時も、ゴールを守ることを前提としたプレッシングでなければならない。
私の個人的意見だが、ゾーン1(守備側から見て)ファイナルゾーンにおける「セットオフェンスへの守備配置」システムは、通常、一つで良いと考える。
一つの組織化された「セットオフェンスへの守備」組織を形成し、ゴールを守ることを目的とした、ゴール前にスペースを作らない、相手の配置に左右されない、能動的な守備組織システムを構築することが重要だと思う。
マンチェスターシティは特別な場合(相手のFWの枚数が極端に増えたり、ラスト5分でゴール前への放り込みが予想される場合など)を除いて、セットオフェンスへの守備では4−1−4−1システムを使っている。
アトレティコ・マドリードも微調整はあるが、常に4−4−2システムをチーム全員で組織的に行っている。
もちろん、相手の「セットオフェンスへの配置」に適合するように少しの修正はある。
「この選手がボールを持ったら、外側へ追い込め」
「この選手の場合は逆に内側へ追い込み、2人でボールを取り戻す」
「守備時にCFは通常、オフェンシブ・ポジションにいるが、相手のピボーテが強力なので、ゾーン1まで下がってピボーテをマークしてくれないか」
などの微調整はある。ただ、根本となる「セットオフェンスへの守備配置」と守備組織の構造は一つで良いと考える。
監督・コーチの考えは様々だと思うので、そのチームに最適な守備組織を形成することが大事だ。
試合中も、当然、相手のゾーン1(守備側から見て)ファイナルゾーンの「セットオフェンスの配置」を確認し、微調整や、ゴール前の危険なスペースを埋める作業は必須になる。
そのためには、自身の「ゲームモデル」「13の行動」「セットオフェンスへの守備配置」チームの一般的、選手間、選手(個人)の基準/キーファクターをしっかりと決めておくことで、素早くどのような試合状況にも対応できるようになる。
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