家賃10万のテナントで顧客のいない状態から1人サロンをオープンし、4ヶ月目に売上100万を達成できた要因
私は、現在3席の小さな店でスタッフ2名を雇用しながら経営をしています。
今現在は、福利厚生を整えた上で、スタッフが時給1800円以上の働き方ができる仕組みを作るという事を経営のテーマとして掲げています。
最近は、自分のサロンワークを半分に減らしながら、一人当たりの生産性80万を維持することができるようになりました。
もちろん、顧客のいない状態で1人で始めた約3年前のオープン当初の経営の目的は今とは大きく異なっていました。
当時は、エリア内の市場調査を兼ねてオープンしてから半年で100万の売り上げを安定させる(生活費を稼ぐ)ことを目的としていました。
初めての土地で、初めての経営でしたので、まず最初の半年間の目的に集中して取り組みました。
その結果、オープンから4ヶ月目に売上100万を超え、その後も売上を維持することができるようになりました。
オープン当初の見込み客像と集客媒体
見込み客として設定していた客層は
・40代の女性
・スマホを使う
・今現在の美容院を変えたい願望があるが、変えるきっかけがない
・大型サロンは苦手
・白髪が気になる
・髪を傷ませたくない
このような客層でした。
それに対して、使用した媒体は
・ホットペッパー
・チラシ
・地域情報誌
この3つでした。
この中でも、その当時最も力を入れていたのはホットペッパーです。
理由は
・SEOに強いので必ず検索上位表示される(認知されやすい)
・スマホで検索する方がターゲット(ネットは使うが、20代ほどは詳しくないので上位表示ページの閲覧率が高い)
・サイト内同エリアにヘアデザイン重視のサロンがほとんど
・サイト内同エリアに20代の若者向けのサロンがほとんど
・サイト内上位表示されるサロンに1人サロンが一軒もない(そこに広告費をかける1人サロンがない)
・自分のメディア(ブログやSNS)を持っていなかった
顧客のターゲットとしては、40代からの白髪染め世代で、店のウリとなるのはトリートメントやヘッドスパの「素材重視」のメニューでした。
今でこそ、髪質改善やヘッドスパがウリの店舗も増えていますが、その当時はほとんどありませんでした。
その当時のエリア内の掲載サロンは20代向けのデザイン重視の大型サロンが中心でしたので、髪をキレイにしたい40代の方で、さらに個人店を探している方が選びやすいサロンが無かったということになります。
さらに、現代は「スマートフォンでネット予約をするのは20代」という時代ではなく、40代以上の方もスマホを持ち、ネット検索する時代です。
ホットペッパーはSEOに強い為、見込み客が検索をしてから店の情報までたどり着くのが早く、認知されやすくなります。
その当時の私の店舗のあるエリアでは、ホットペッパーに登録されている店舗数に対して、設定した見込み客が予約をしたいサロンがすぐ見つけられない状況であると予測し、オープン当初はこの媒体に力を入れることにしました(現在は状況が異なっています)。
目的達成のために意識した2つのこと
オープンしてから最初の目的を達成するために最も意識したのは
① 今の自分が提供できるもので見込み客の興味関心を引くものを多く打ち出す
② ザイオンス効果(同じ人や物に接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象を持つようになる効果のこと)
この2つです。
今の自分が提供できるもので見込み客の関心を引くものとして、オープンから2ヶ月前に生まれたばかりの我が子をメインキャラクターに設定しました。
ホットペッパーのブログがメインでしたが、子供の写真と毎日の成長記録に店のこだわりを少しプラスした、子育て中心の内容のブログを多く書きました。
さらに、店内POPやDMにも同様にしつこい程我が子の写真を多用しました。
このように、自ら「新たに自分の店をオープンした親バカ美容師」というキャラクターを設定しての情報発信を心がけました。
なぜ、我が子を利用したかというと・・・
見込み客である40代の女性は、子供が小学生になり、自分の時間が取れるようになった女性で、生まれたばかりの赤ちゃんの日常を「懐かしい」と感じて見てくださるからです。
その当時、ホットペッパーブログのエリア平均閲覧数は300前後でしたが、私のブログは1日1記事ペースで、毎月1000以上の閲覧数がありました。
当時は客単価が約8000円でしたが、オープンした3月から
3月 新規60名 リピート率 61.7%
4月 新規41名 リピート率 75.6%
5月 新規34名 リピート率 47.1%
6月 新規44名 リピート率 50.0%
このような結果となり、白髪染め世代で来店周期が1ヶ月〜1ヶ月半の方が多かったことから、1人サロンで100万円を達成するには充分な数字となりました。
年代比率は
20代 30%
30代 20%
40代 40%
50代以上 10%
このように、どの月を見てもほぼ同じ比率で、40代以上が5割の狙った客層を集める事ができた事になります。
40代以上の方にターゲットを絞ってはいましたが、結果的には20代、30代でも、同じ嗜好(髪をキレイに保ちたい)の方を集める事ができた結果となりました。
オープン時にやらなかった事
逆に、オープン時にやらなかったこともあります。
それは
・ヘアスタイル(デザイン)の発信
・独自ドメインのオリジナルブログ(ホームページ)
・SNS
この3つです。
これらが、すでに集客できるもので、オープン時に武器となるのであればもちろん使った方が良いです。
しかし、私の場合は、撮影もろくにやったことがなく、ブログもほぼやっていませんでしたし、SNSも放置状態でした。
美容師としてはカス状態です。
エリア内でヘアスタイルや技術の発信をしているサロンがほぼ100%である中、そんな状態からのスタートでヘアスタイルの発信をしたところで見込み客から見た時には何のインパクトにもなりません。
SNSや独自ホームページも同様に、突出していくまでに時間がかかるものである為、オープンから半年で100万を売り上げる目的を達成する為の選択肢に、私の場合は入りませんでした。
もちろん、現在はホームページを作り込み、ブログ集客もしながらメインの集客媒体にしています。(優良顧客が集まります)
SNSに関しても定期的にスタイル写真などの情報発信をスタッフに委託して運用してもらっています。
あくまでもオープン当初に限っては、半年で100万を売り上げるという目的達成の為に広告費をかける判断をしたということになり、その広告費の為の運転資金を確保できるような資金計画をオープン時に立てています。
オープンしてからの経営の目的の変化
オープン時とは違い、今現在の目的はスタッフの時給が高い美容室を作ることが目的となっています。
ですので、オープン当初の半年で100万円売り上げる方法をそのまま続けていてもその目的は達成できません。
オープン時は客単価(時間単価)の設定が安く、雇用環境を整えながら雇用することが難しい経営内容でしたので、その後大幅にメニューを組み替え、単価を上げて大きくシステム変更していく事になります。
しかし、今現在もオープン当初から変わらない事もあります。
例えば、オープン当初は自分の子供をメインキャラクターにしていたのを、現在はスタッフがメインキャラクターになっています。
店のブランディングの一環として、スタッフ個人をブランディングしていくことで、今現在のお客様がスタッフにとって生涯顧客になる可能性も出てきます。
仮に、似たような美容室が隣にできたとしても、スタッフの個性だけは全く異なる要素になります。
つまり、今現在見込み客に提供できるものとしてスタッフ一人一人の個性も立派な武器の一つとなるということです。
このように、内容自体は変わっているものの、オープン時のままブレずに続けているスタンスもあります。
ふと振り返ってみた時に、現在でもブレていない部分があり、なおかつその延長に数字が付いてきているものがあるとすれば、それが自分自身の強みになります。
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