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サカキシンイチロウのおいしい手帖

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おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
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2022年5月の記事一覧

贅沢な揚げ玉…、天南蛮のエビの天ぷら

神田から歩いて、歩いて淡路町。 神田まつやでそばをたぐろうと思って昼にやってくる。 いつもにぎやかなお店です。今日もお店の前でちょっと行列。15分ほど並んで待って、お店に入る。 昼からお酒をたしなむ人の多いこと。 肴はそば屋の焼き鳥が一番人気。ゆっくりお酒をたのしんで〆にそばという粋な時間を送る人たちの間に割り込み、そのシアワセのご相伴に預かりニッコリ。 インバウンドさんも増えてきた。 かつてのおおらかな空気がこうしてちょっとづつ、戻ってきているように感じてホッとする。 蕎

仔羊料理という唯一無二のおゴチソウ

友人の誕生日を祝う会。何を食べたい…、って聞くと「羊が大好き」というので「赤丸ヂンギス」にやってくる。 うちの近所の荒木町の路地に面して店がある。 ジンギスカンもあるのだけれど、ここオリジナルの食べ方でたのしませてくれる「仔羊料理」が売り物の店。 間接照明のムードある店。ゆったりとしたテーブル配置の店の真ん中には大きなストーブ。そこで炭が焼かれてる。 メニューはあるけどお店の人が今日のおいしいものを説明しながらメニューを勧めてくれる。その説明がとてもやさしく魅力的で、結局

文化財的喫茶店の朝から贅沢に味わう…。

岐阜から愛知の一宮に朝から移動。 一宮といえば喫茶店モーニングのメッカのひとつと言われるエリア。店それぞれが個性を競う豊かな喫茶店文化が息づいている。その豊かさの象徴みたいな店のひとつにやってくる。 「シェルボン」という店。 まず建物、空間がすばらしい。 ムーミン谷にありそうな緑色した丸三角屋根の建物で、外から見ると小さく見える。囲むように整えられた植栽が鬱蒼として立派なことが、建物自体を一層小さく見せている。 中に入ると印象一変。天井の高い伸び伸びとした吹き抜け空間。し

コーンポタージュに洋食弁当

今日は上等な洋食を食べましょうと、伊勢丹の食堂街にある「西櫻亭」。 料理の味のみならずお店の雰囲気やサービスも好きなオキニイリ。 ビルの中にあるのに天窓風に作られた照明のおかげで明るい。しかも一戸建てのテラスのような雰囲気がある照明下のテーブルの、開放感が好きで今日もそこに座った。 「櫻弁当」といういろんな料理をちょっとづつたのしむことができる料理を選んでたのむ。 まずコーンポタージュがやってくる。 カップにソーサー、小さなスプーン。サラリとした喉ごしでスープのうま味、と

店は変わった。されど商品は変わらず、それがありがたい。

ひさしぶりの「伊勢廣」にくる。 店がある京橋界隈は再開発で街の景色がすっかり変わった。 ここも風情のある路地が根こそぎ更地になって、その向かい側の立派なビルにお店が移った。 焼き鳥の専門店で「鳥の字」をデザインしたキャラクターが随所に配され、新しいのに老舗の風情。店に入ると大きく弧をなすカウンター。炭場が置かれて煙がもくもく上がり、カウンターの裏の仕込み場では何人もの職人さんが串打ち仕事をテキパキしている。 2階、3階へのエレベーターは数人単位でのご案内。しばしおいしい