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仔羊料理という唯一無二のおゴチソウ

友人の誕生日を祝う会。何を食べたい…、って聞くと「羊が大好き」というので「赤丸ヂンギス」にやってくる。

うちの近所の荒木町の路地に面して店がある。
ジンギスカンもあるのだけれど、ここオリジナルの食べ方でたのしませてくれる「仔羊料理」が売り物の店。

間接照明のムードある店。ゆったりとしたテーブル配置の店の真ん中には大きなストーブ。そこで炭が焼かれてる。
メニューはあるけどお店の人が今日のおいしいものを説明しながらメニューを勧めてくれる。その説明がとてもやさしく魅力的で、結局おまかせになっちゃうところが心憎い。
まずは羊のタンのスモークに仔羊のたたきが到着。

スモーキーでざっくり歯切れるタンはまるで羊を感じさせないやさしさ。たたきは10噛み目あたりからじわじわ羊がやってくる。実は羊があまり得意じゃないボクもここの料理には抵抗なくていつもおいしくたのしめる。

テーブルの上に炭が入った七輪と網が置かれて肉を焼く。

羊の肉に油と塩であえたネギを挟んで畳んで焼き上げるネギタン塩のような食べ方の一品は、ざっくり歯切れてとてもジューシー。ホワイトアスパラガスと一緒に焼いて一緒に食べる。

歯ごたえのよいチャックアイロールに続いてハツと羊のタン。お供は季節のズッキーニ。どちらも塩と胡椒だけで十分味がととのいおいしい。

変わった焼き方の提案もあり例えば薄切りにした肉で蒸したニンニクを巻き串でコロコロ転がしながら焼く提案。ホクホクとしたニンニクの食感、風味がおゴチソウ。もも肉を焼いてレモンバターと一緒に食べたり、タレに漬け込んだ肉を焼き上げサニーレタスで包んで食べる「ラムギョプサル」。オモシロイうえおいしくたのしい。

そしてメインのジンギスカン。

網がジンギスカン鍋に変わって野菜と肉がやってくる。
どちらもタレに浸さずそのままで、まず鉄板を羊の脂を押し付け潤す。
そこに野菜をザザッと移しこんがりほどよく焼けたところで鍋の縁に移動する。むき出しになった鍋の真ん中に肉をのせ、レアに焼けたら野菜と一緒に食べるというもの。

肉はリブにロースにヒレと3種が別々に供されその順で食べていく。さっくりとした歯切れ感とクセを感じぬリブの肉。ロースは脂がトゥルンととろけ羊らしい香りと甘みが口を潤す。ヒレはなめらか。肉の脂をまとった野菜も味わい深くてなんとも旨い。

焼いた肉や野菜をタレに浸して食べるというのがここのスタイル。

すりおろしたリンゴがたっぷり混じった醤油風味のタレで、甘み、辛みに酸味のバランス抜群。食べすすめるに従って肉の脂がタレに移ってキラキラしてくる。そのキラキラの分だけコクや旨味が増してくるのもおゴチソウ。

肉の合間に生で食べられるとうもろこし。みずみずしくて甘くて舌がリセットされる。羊の餃子、モモはクミンシードの香りがおいしい。
〆はすりおろした山わさびを乗っけたご飯。

よくかき混ぜて食べると山わさびの辛さが甘さに変わる不思議にニッコリします。
おいしい、おいしいって食べてたらお店の人が「荒木町でおいしい羊を食べたんだよ…、ってお友だちに是非吹聴してくださいネ」って笑顔で言う。こういうゴキゲンなお店は大好き。だからたっぷり吹聴します…、オキニイリ。


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