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サカキシンイチロウのおいしい手帖

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おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
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2022年4月の記事一覧

そば屋で極上の海鮮丼を食べる粋

築地の外れのビルの一階。表通りから階段を3段降りた通路の奥に「長生庵」っていうそば屋がある。 築地の街のリズムに合わせて朝早くからやっていて、そこの海鮮丼がめっぽううまい。 買い出しにふたりで出かけるついでに食べる朝のごちそうをひさしぶりにとやってきてみる。遅めの朝食、早めのお昼って感じの時間でもすでににぎやか。 入り口前の看板でも海鮮丼とそばのセットが推されてて、今日は天然本鮪の丼が売りのようです。 いつも食べてた「海鮮8色丼のそば付きセット」を選んでたのむ。 他にも2

土鍋で煮込んだフカヒレのおいしいことには涙がでちゃう…。

三回忌を偲ぶゴチソウをなににしようかとあれやこれやと考えた。 タナカくんが一番好きだったものと言えば上海蟹にとどめをさすに違いない。 一番好きだったお店はゴキゲンなご夫妻がやってらっしゃる六本木のイタリアンレストラン。 どちらもあまりにタナカくんの思い出と密接に結びついててまだ食べたり行ったりできない状態。次の冬には上海蟹を、次の命日にはイタリア料理をと誓って今日はフカヒレ食べる。 維新號のフカヒレの土鍋煮込みが大の好物。 なにか目出度いことがあると行ってた。贔屓は新宿の店

東京駅地下にある小さなアメリカ。

地下鉄で行けるアメリカ、バビーズヤエチカにやってくる。 大好きなお店です。 アメリカンスタイルの朝食にハンバーガーにパンケーキにパイ。 メニューの種類が多いわけでなく、ほとんど変わることもない。けれど何を食べてもおいしくて、軸がブレない安心感がある。 今日の厨房では体の大きなシェフが料理を作ってる。 そういう人が作るアメリカ料理は無条件でおいしく感じる。ワクワクします。 それにしても教育の行き届いた人たちです。 サービスのたびにつけくわえてくれる気の利いたひと言や、退席した

バターミルクパンケーキのほのかな酸味に恋をする!

原宿から渋谷にかけてぶらぶらしようとまずは原宿。 町外れにある「サンフランシスコピークス」にやってくる。 カジュアルなアメリカンスタイルのダイナーで、昔、一緒によく来てた。 ボクが好きなのはホットドッグで、タナカくんはたいていパンケーキを食べていた。 今日は彼が好きだったパンケーキにスクランブルエッグとグリルドベーコンをつけてもらって、お供にコーヒー。 大きなジャグに入ったメープルシロップにコーヒー用のミルクが並び、気持ちはススッと西海岸に飛んでいく。 しばらく待ってや

銀座トリコロール。回転ドアの向こう側

銀座のトリコロールで朝をはじめる。 朝食メニューは一種類だけ。しかもずっと同じメニューでやっている。 トーストにサラダ、バターにジャムと、これぞ喫茶店の朝食セットって感じのメニューでゆで卵すらつかない潔さがボクは好き。 銀座の街にはえるレンガ造りの一戸建て。 シンメトリーの建物の真ん中に回転ドアが作られている。回転ドアって街と特別な空間をつなぐ特別な出入り口のように感じてボクは好き。高級なホテルが好んで設置してたのもその特別感を演出したくて…、ということだったのでしょう。

かけかつ丼というオリジナル

荒木町の「鈴新」に来る。とんかつの専門店。 小さな店です。カウンターに13席。厨房から客席に行くには一旦、お勝手口から外に出て正面玄関から戻らなくてはならないほど。 白木のカウンターは見事にキレイに磨かれて、厨房器具もピカピカです。 ロースにヒレ、アジ、イカ、エビとフライメニューは多彩に揃いけれど人気はかつ丼。 煮かつ、かけかつ、ソースかつと3種類あって中でも「かけかつ丼」が独特でそれを目当てにワザワザ食べに来る人もいる。 揚げたてのカツを煮込むのでなくご飯にのせた上か