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サカキシンイチロウのおいしい手帖

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おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
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2021年5月の記事一覧

路地とミロンガ

ランチを終えてのんびりと。ミロンガヌオーバでお茶を飲む。 神保町の路地にある。昔、この街にはこんな路地が山程あって、ボクが生まれて育った松山の大街道の裏側みたいな感じがとてもなつかしかった。 今では随分すくなくなった。 この路地もすぐ近くまでビル建て替えがせまってて、果たしていつまでこの景色が見られるんだろうって思うと、なんだか今がいとおしい。 お店に入ると石造りの床はひんやり。木肌があったかな壁にテーブル、そして椅子。そして大きなクラシックスピーカーから流れてくる、古い

ラ・タベルナのドリアにはエビがゴロゴロ!

昼の時間がきてちょっと歩いて「ラ・タベルナ」。 近所に住んでいた頃は食堂でもあり、居酒屋でもありと使い勝手良く通ってた。 基本、メニューはイタリア料理。夜がとてもたのしくてヒューガルデンを片手に生ハムつまんでトリッパ煮込んでもらってとわがまま聞いてもらってた。 小さなお店ながら厨房は大きく常時4人の調理人がスタンバイ。忙しくなるとサービススタッフも厨房に入って鍋をふる。今の時期、デリバリーやテイクアウトの注文が電話で次々入ってきていてお店は静かでも厨房の中はフル回転。 ま

甘い朝。フレンチトーストにベーコン添えて

甘い朝にしたいなぁ…、と思って市ヶ谷。「№4」にやってくる。 ブリオッシュ生地を使ったフレンチトーストを目指して到着。スマフォオーダーシステムもあるけれどフレンチトーストにカリカリに焼いたベーコンを添えてほしくて、直接お店の人にたのんで先払い。 コーヒーをもらってテーブルについて待つ。 注文をした人ができた料理をもってやってきて「ベーコンの焼き加減はこれでいいですか?」って聞く。見事にカリカリ。溶け出した脂肪が作った小さな穴が無数にあいて仕上がっていて、ニッコリしたら「ゆっ

23日が近づいてくると食べたくなるネ。

毎月23日が近づいてくると、天丼が食べたくなる。 それもタナカくんの大好物の伊勢丹にある天一の特製天丼。 今の時期、都心の百貨店の食堂街はいつ営業自粛になってもおかしくない状況で、いつもハラハラしながらやってくる。 うれしいことに営業中。とは言えさすがに平日のランチどきはガランと静か。別の意味でハラハラしちゃう。 真っ赤な塗りのテーブルは手になめらかでいつもピカピカ。黒くモダンな椅子に高い天井。右手の一段上がったところにはカウンターの客席があり、奥に厨房。 黒服の男性スタ

雨音にチャイコフスキー。銀座ウエスト

ひさしぶりの銀座の街です。 食事を終えても去りがたく、銀座ウエストでお茶を飲む。 せっかくだから甘いもの。ケーキのサンプルを見せてとお願いすると、うやうやしくケーキのトレーが運ばれてそのどれもが華美でないのにうつくしく、全部食べたくなってしまうほど。 友人はチョコレートとバニラのスポンジがバタークリームでモザイク状に組み立てられてるチョコレートケーキ。ボクはエクレア。 アイスコーヒーをお供にもらう。 ふっかりとした分厚いタオル生地のおしぼりにミルクとガムシロの銀のピッチャー

うなぎの蒲焼に肝焼きにネギ

渋谷で昼食。鰻にしようと「松川」にした。 若い人たちの街、渋谷にも大人のお店がいくつかあって例えば蕎麦の福田屋だったりとんかつのかつ吉だったり。そして鰻のこのお店。そういえば天ぷらの老舗がこの街には見当たらないのがオモシロイ。 鰻の松川が好きなのは「鰻肝焼き丼」があるからで、肝焼きがあるときだけの限定商品。鰻の内蔵をたっぷり使って作るので、鰻何尾分もの肝を必要とするからなんでしょう。いつもあるかどうかおそるおそるたのむ。今日も聴いてみたらあるというのでニッコリします。