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23日が近づいてくると食べたくなるネ。

毎月23日が近づいてくると、天丼が食べたくなる。
それもタナカくんの大好物の伊勢丹にある天一の特製天丼。

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今の時期、都心の百貨店の食堂街はいつ営業自粛になってもおかしくない状況で、いつもハラハラしながらやってくる。
うれしいことに営業中。とは言えさすがに平日のランチどきはガランと静か。別の意味でハラハラしちゃう。

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真っ赤な塗りのテーブルは手になめらかでいつもピカピカ。黒くモダンな椅子に高い天井。右手の一段上がったところにはカウンターの客席があり、奥に厨房。
黒服の男性スタッフ、白襟のシャツに黒いスカート、白いエプロンと格調高くクラシックなユニフォームを着たスタッフは準備万端。背筋を伸ばしてお客様を待つ。ありがたい。

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お店のスタッフはずっと変わらず。メニューもほとんど変わらずで食べ慣れたものが食べ慣れた状態で食べられるって、本当にうれしくありがたい。
いつものように特製天丼をえらんでたのむ。「竹」と「松」の2種類あっていつも「松」。どっしりとした丼一個。サラダの器に漬物に汁。

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丼には蓋がなされているのだけれど、にもかかわらずおいしい匂いが漏れ出している。

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まずはサラダを片付ける。レタスにキュウリ、オニオンスライス。どれもが見事にみずみずしくてしかもたっぷりかかるドレッシングがオキニイリ。タナカくんいわく、アメリカの日本料理店のサラダの味…、日本風というよりもオリエンタルな生姜風味が不思議とうまい。

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蓋を開けると天ぷらの揚げた油の香ばしさ、タレの甘い香りが花を開かせ広がっていく。
この瞬間がオゴチソウ。
エビに穴子にアスパラガス。
キスにしいたけのエビ詰めしんじょ、小さなエビのかき揚げがギッシリ片寄せあってご飯の上に横たわる。
タナカくんはしいたけが大の苦手。だからいつもしいたけしんじょと穴子を交換。ボクはボクでしいたけしんじょが好きだったから渡りに船でニ個食べていた。

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ムチュンとしいたけが前歯をくるむようにして歯切れてむっちり、エビのすり身の旨味と香りが口に広がる。タレをまとったご飯をパクリ。蓋をされて蒸された分、天ぷらの衣の香りや風味、タレがご飯に染み込んで、あぁ、天丼ってなんておいしい食べ方なんだろうってウットリ味わう。オゴチソウ。

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甘すぎず、辛すぎず、旨味風味がしっかりとしたここのタレ。衣は表面パリッとしてて噛むとふっくら。衣で覆われ油の中で蒸されたように仕上がるネタのおいしいこと。
むっちりとしたエビは甘くて、しっぽがサクサク奥歯で壊れる。穴子はサクッと歯切れてねっとりとろけてアスパラガスはみずみずしい。
それにしてもキスって魚。もし天ぷらという料理がこの世になかったら、キスって食べられずにすんだのかもネ…、ってタナカくんが言ってたなぁ。たしかに天ぷら以外のキスを食べた覚えがないネ。オモシロイ。

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小エビのかき揚げにエビの天ぷらを最後に残し、汁のしじみのひとつひとつの身も食べてキレイにお腹に収めて終える。おいしかったネ…、また来よう!


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