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路地とミロンガ

ランチを終えてのんびりと。ミロンガヌオーバでお茶を飲む。

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神保町の路地にある。昔、この街にはこんな路地が山程あって、ボクが生まれて育った松山の大街道の裏側みたいな感じがとてもなつかしかった。
今では随分すくなくなった。

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この路地もすぐ近くまでビル建て替えがせまってて、果たしていつまでこの景色が見られるんだろうって思うと、なんだか今がいとおしい。
お店に入ると石造りの床はひんやり。木肌があったかな壁にテーブル、そして椅子。そして大きなクラシックスピーカーから流れてくる、古いレコードの音が店の中のすべてを包み込む。
今日はバンドネオンが主役のアルゼンチンタンゴがうら悲しくも華やかな音。
ここに来ると飲みたくなるのがウィンナコーヒー。今日もそれを選んでたのむ。

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ウィンナコーヒーなんて今どきのカフェや喫茶店では見ることがない昔ながらのコーヒーメニュー。すっきりとしたブレンドの上にたっぷり硬めに立てたクリームのっけて、それを溶かさずそのまま飲む。
クリームの隙間からコーヒーが口の中へ流れ込み自然と濃厚なミルクコーヒーになって喉を潤していく。
スーツを着たおじさんが二人飛び込んできて、今日みたいな日はビールだな…、って言ってメニューをもらおうとする。たしかにここは世界中のビールを用意していて、大きなスピーカーから流れるアルゼンチンタンゴを肴に飲むビールっていうのも粋でおいしいもの。
けれど今の時期にはアルコール類の提供はなし。

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残念だなぁ…、っておじさんたちは気持ち下げるも、コーヒー飲んでのんびりしようかと。昔なら「コーヒー飲んで一服つけて」いたはずなのになんて無粋な世の中だろうってさみしく思う。しょうがない。


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