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サカキシンイチロウのおいしい手帖

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おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
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2020年10月の記事一覧

テラスに座ってコロナにバーガー、極楽さ!

先日渋谷をぶらぶらしたらいろんなことを思い出し、どうしても来たくなったお店ができた。 ウーピーゴールドバーガーっていうハンバーガーの店。 道玄坂の坂の途中の路地にある。 タナカくんが見つけてきた店で、ボクはハンバーガーにそれほど執着しないから彼と4、5回来たくらいかなぁ…。 彼はひとりでぶらりと来たり、友だちを誘って来たりしていたみたい。「これどこだ」ってメッセージ付きのメールをくれて、みるとこの店の入り口の上に張り出した屋根に寝転がるネコの写真。あまりにシアワセそうな写

ベルクのような存在

ベルクがすごく恋しくなってやってきてみる。 新宿駅の象徴のようなビールカフェ。 大家さんからいじめられることはあってもいばることのない小さな店で、好きな人にとっては無くなくっては困る店。 とは言え「いい意味でお客様は神様なんかじゃない」という一本筋の通ったところのある店でもあって、だからいつまでたっても「知る人ぞ知る」ポジションに甘んじている。 ボクはそういう人やそういうお店が大好きで、ボク自身もそういう人でありたいと思っているから来るとじんわり元気がでてくる。仲間がこう

珍しく朝からサラダを食べるのさ…!

新宿御苑の横を歩く。大きな木々がこちらに向かって溢れ出し、ゆっくり大きく揺れている。 小さな枝の一つひとつがゆったり自分の揺れ方でザワッと動いてしばらくおさまり、再びザワリと揺れる姿に気持ちが揺れる。 風が揺すっているんだとわかっているけど、何かが…、それも無数の何かが枝や葉っぱのひとつ一つを動かしているような気がして涙が出てきた。彼は空の向こうにいるんだろうか。 そう思った途端に一際大きく木々が揺れ、そうなんだなぁって思ってちょっと立ち止まる。 大きく息を吸って、ゆっくり

朝の田んぼのにぎりたて

朝の田んぼにやってくる。 代々木の駅からまっすぐまっすぐ西に向かって歩いたところ。 青山にもある。西新宿にもお店はあってどこもそれぞれ独特の風情があるけど、ボクはここのお店が一番好き。 こじんまりしていて、お店のどこに座っても厨房の様子や気配が伝わってくる。 威張りや気取り、気負いなどとは無縁の気軽な空間。 お店の人のにこやかなところもオキニイリ。 しかも数ヶ月前から朝食営業をはじめてて、そう言えばこの店って朝の空気がぴったりな店。そう思って最近たまに朝に来ている。案外、

レストランという存在の本質を味わった朝

ずっと朝の営業を休止していた帝国ホテルのなだ万が朝食営業をはじめた。もしかしたらヒルトンホテルの朝食バフェも再開したかも…、と思って来てみる。 そしたら残念。 さすがにバフェ営業はまだ先のコト。テーブルサービスの朝食でした。 でもロビーに入ったボクの姿を見つけたマネジャーが近づいてきて、おかえりなさいませ…、って挨拶をする。オキニイリテーブルに案内されて、メニューを持ったスタッフにおかえりなさいとまた言われ気持ちがホッとあたたかになる。 家に帰るたび大きな声でなるべく元気

チョコレートパフェの正解

銀座のピエールマルコリーニ。 チョコレートパフェを食べたくって食べたくて、気持ちが急いだ。 お店の一階はチョコレートショップ。カカオの香りに体がふわっと包まれる。 2階を指差しニッコリすると、内線電話で2階、3階のカフェの状況を聞いて「どうぞ、2階のお席をお使いください」と答えも丁寧。 カカオ色した階段を上がって2階に向かいます。 狭くて急なこの階段。足を悪くしていたタナカくんは1段、1段ゆっくり上がっていくのを下からみてた。気持ちは早く上に行きたい。でも足が思うように動か

焼き鳥にビール、泡で喉を洗って釜飯

タナカくんは鶏肉が大好きだった。 濃厚な脂のコクや皮の味わい。特に筋肉質な鶏のもも肉が大好物でスーパーに行くとまず真っ先に鶏肉を見に行っていた。 器用に料理を作ってたのしんでいたようなんだけど、残念ながらボクは鶏の脂や皮が苦手で好きな部位は胸、ササミ。鶏好きさんが愛でるクセの強い地鶏や希少部位なんてものはありがた迷惑。 だから焼き鳥屋さんにはあんまりいかなかった。 ただ好きな店は何軒かあって、銀座の「鳥ぎん本店」がその一軒。 新鮮な鶏肉を備長炭でただただ焼き上げる、威張らぬ