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ベルクのような存在

ベルクがすごく恋しくなってやってきてみる。

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新宿駅の象徴のようなビールカフェ。
大家さんからいじめられることはあってもいばることのない小さな店で、好きな人にとっては無くなくっては困る店。
とは言え「いい意味でお客様は神様なんかじゃない」という一本筋の通ったところのある店でもあって、だからいつまでたっても「知る人ぞ知る」ポジションに甘んじている。

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ボクはそういう人やそういうお店が大好きで、ボク自身もそういう人でありたいと思っているから来るとじんわり元気がでてくる。仲間がこうしてがんばってるから、ボクもまだまだがんばらなくちゃ…、と思って元気が出てくるのです。
どんな曜日でもどんな時間帯でも座れないことがあるほど人気の店だったけど、今ではちょっと静かになった。そういう時期です、しょうがない。

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今日はビッグドッグを選んでたのむ。最近、ビッグドッグには4種類のチーズソースをかけて食べることが多かったけど、今日はチリソースをトッピング。お供にビールといきたいところ、最近、少々不摂生がたたってか足の指先に嫌な予感が漂っていて、それでビールは我慢する。アイスラテをたのみます。
ビッグドッグは時間がかかる。それでビーパーをもらってテーブルについて待つ。
今日のお店はちょっとのんびり。そのせいかビールを飲む人が結構多くてそれも1人でグビッと飲んで、プハーッと息を大きく吐いてまたグビリ。みているボクの体と心のコリまでほぐれていくようなシアワセそうな横顔にニッコリしました。次はプハーッと洒落ましょう。

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ビッグドッグの完成を知らせるビーパーにちょっとびっくり。
はじかれるように立ち上がり、手にずっしりとビッグドッグをもらって運ぶ。

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ドッグロールから見事にせり出す大きく太いソーセージ。
ホットドッグは熱々のソーセージを冷まさぬように食べる工夫が作ったんだ…、と言われたりする。
パンの料理じゃなくてソーセージが主役の料理。

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このビッグドッグをみるとまさに主役はソーセージ。パキッと端をおってパクリと口に含むとジュワッと肉汁。ざっくり歯切れてムチュンっと歯茎を撫で回すさま。ウットリします。オゴチソウ。
とは言えパンもサクッと上等。歯切れがよくてほどよい塩の加減と小麦の焼けた香りが主役のソーセージの味わい、風味を引き立てる。主役、脇役が手に手をとってひとつ方向に驀進していく名舞台。

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ひさしぶりに食べたチリソースに惚れ惚れしました。酸味がスッキリしているのです。甘み、旨味にたよるのでなくトマトの味わい、風味に酸味が煮込んだ肉の持ち味引き立てパンをとろかす。適度に辛く、それがソーセージの旨味を引き立て甘くする。

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自分が甘くて旨いのじゃなく、他の素材を甘くておいしくさせるソースって素敵じゃないか…、って再認識。ひと噛みごとに口の中には存在感あるソーセージ。にもかかわらず最後に残るのはほぼソーセージといううれしい一品。

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ソーセージにちょこんと貼り付くようにくっつくパンを見て、寿司屋の〆の厚焼き玉子にほんのちょっとだけくっついてくるシャリのようだね…、って思ったりした。粋でござんす、オモシロイ。


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