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サカキシンイチロウのおいしい手帖

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おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
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2020年9月の記事一覧

櫻井さんちの上等洋食、おもてなし

上等な洋食を食べたいなぁ…、と思ってそれで御徒町。 東京で背筋が思わずしゃんと伸びるような洋食レストランは、不思議なことに皇居の東側に集まっている。 それも浅草、上野、銀座と東京メトロ銀座線の沿線エリアに集中してる。 考えてみれば銀座線って昭和のはじめの完成。そして当時の高級料理の代表が洋食だった。だから洋食レストランが上野、銀座界隈に集中しているのは不思議じゃなくて当然なのかもしれないなぁ…。 地下鉄で上野、御徒町に近づくとおいしい洋食を食べたくってお腹がなります。 今日

茶碗蒸し代わりのグラタン、ご飯のおかずの土鍋シチュー

銀座に出ました。築地近くの東銀座でお昼を食べる。 「銀之塔」っていうシチューのお店。 20年ほど前まで、築地場外の近くにテストキッチンを持っていたことがある。そこで仕事を終えるとこの界隈をぶらぶらして食事するのがたのしみで、この店もそんなときによく来てた。 タナカくんも好きなお店で、今日はなんだかなつかしい。 歌舞伎座の裏側にあって店はどっしりとした蔵造り。2階、3階にも客席があって、ボクは一階の入り口脇のテーブルが好き。今日もそこ。 なつかしいなぁ…、ひんやりとした蔵

洋食の花形、ベシャメルソースとデミグラスソースを共に味わう

通っているうちに徐々に好きになっていく店がある。 情熱的な一目惚れじゃなく、時間をかけて好きなところがひとつ、そしてまた一つと見つかって、気づけば虜になっている。 しみじみ好きになった店とでもいえばいいですか。 その先、一生のおつきあいになりそうな予感がする…、例えば伊勢丹の食堂街にある「西櫻亭」がそういう店で、第一印象は決してよくなかった。 けれど来るたび好きになる。 特に今の時期、百貨店の中にあるというのが安心材料であったりし、お店の人の付かず離れずな適度な距離感もいい

オカエリ銀座

銀座3丁目の「煉瓦亭」。 明治28年創業。西暦にすれば1895年ですから120年を越える老舗です。なのに肩肘張らせぬ気軽で明るい雰囲気がお店のすみずみにみちみちている。 饒舌でなく節度をもったサービススタイルも、あくまで料理とそれをたのしむお客様が主役の店という気持ちが伝わる。 お店の入り口には「おかえりGINZA」ののれんがかかる。 テーブルの上にはウスターソースと練り辛子、塩と楊枝がガラスの器におさめられ、ステンレスの蓋はキラキラ。 分厚いタオル地のおしぼりを従えや