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おいしい食べ物、たのしい食べ方

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おいしく食べてやろう。 たのしんでやろうと思うと、いつもの料理、いつものお店も違ってみえる。 飲食店を嫌いになるのはもったいない。
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2020年3月の記事一覧

とろける卵のエッグスラット

去年、ロサンゼルスからやってきて話題になった「エッグスラット」。 Eggslut。EggとSlutが組み合わさった店名で、このSlut。かなりどぎつい意味の単語。こんな店名でいいんだろうかって心配になっちゃうけれど、それも話題の一部。…、なんでしょう。 開店当初はかなりの人気で行列もできていた。 けれどそれも落ち着いて、朝の時間ということもあってかすんなりお店に入れた。しかも席も半分ほどが空いていました。 インバウンドの人がほとんどで、メキシコ、アメリカ、香港、それからイン

甘エビよりも穴子がよかった…、お決まりの寿司

昼、寿司をつまもうと、新宿三丁目の「鮨丸」にくる。 ボクの育った松山にすし丸っていう寿司屋さんがあって、家族でよく食べに行ってた。冬には蒸し寿司があってそれが大好きで、3年ほど前までこの鮨丸にもランチメニューで用意されてた。 それが一層なつかしく、よく使ってた。けどいつしか蒸し寿司がメニューになくなりそれでしばらくご無沙汰だった。ひさしぶり。 店の入り口脇には対ウィルスの取り組みをわかりやすく貼り出している。「手」で「生」のものを扱う寿司屋という業態は、衛生基準がもともと

茶碗蒸しが主役のお昼と、凛々しい女将

銀座で昼食。酒の穴に来る。 らん月っていうしゃぶしゃぶ、すき焼きのお店のビルの地下2階。 ひとつ上のフロアにはステーキがおいしいレストランも姉妹店としてあったりして、ビル全体がおいしい世界。 ランチタイムで一番人気があるのはここ、酒の穴でしょう。 手軽な値段で気軽な料理。メニューの品揃えも豊富でそれで次々、スーツ姿のおじさんたちがやってくる。 それにしてもこの店のおねぇさんたちの物憂げな立ち居振る舞いに、昔はドキドキしたものでした。一見すると機嫌悪そうにみえる表情に、こち

スイートポテトって不思議な名前…、だよね

新幹線までの時間があって、お茶。博多の駅ビルの中のアペティート。 ロイアルホールディングスの運営するベーカリーカフェ。 かつて表参道に機関店があった。今、フライングタイガーが入っている場所に出店していておしゃれだった。 パン工場がありサンドイッチがおいしくて、テイクアウトもイートインもシームレスにつながる今、思い出しても最先端の店だった。 新しすぎたからもあるんでしょう…、東京の店はほぼ手じまいでロイヤルの本拠地、博多に何軒かあってその一軒がココ。パンの物販にイートイン。

バーベキュー系ハンバーガー、バーガーキングでオニオンリング

バーガーキングで朝。 ひさしぶりのバーガーキング。 ハンバーガーにはダイナー系とバーベキュー系の2種類あって、前者は鉄板、後者は直火と調理法がまるで違う。脂のおいしさとしっとりとした焼き上がり感を味わおうと思えば前者。焼けた脂の香ばしさとがっしりとした肉の噛みごたえをたのしもうと思えば後者。 バーガーキングは後者の代表。 ただ肉質が変わると直接的に出来栄えに影響がでるのがバーベキュー系ハンバーガーの特徴でもあり、ここ数年、バーガーキングのハンバーガーの劣化が激しい。 それ

苦くて酸っぱい泡の飲み物、カリカリ感がおいしいフレト

四谷三丁目のオールシーズンズコーヒー。 オープンしてまだ数ヶ月。けれどしっかりこの街になじんだようで、近所の人たちでにぎわうお店になってきた。 今日もほどよくにぎやかでした。 テーブル席に座ると目の前の窓があいていました。ちょっと寒くて上着を脱ぐのもためらわれ、けれど今の時期には換気を良くする。しょうがないなと思って我慢。 にもかかわらず冷たい飲み物をたのんでしまう。 コーヒーベリーフィズっていうメニューがあってそれが気になり飲んだわけです。コーヒーの実の表面部分をシロ

新宿二丁目楽庵の不思議になつかしい割子そば

新宿二丁目の仲通り。 夜になるとにぎやかになる街ではあるけど、昼は閑散。田舎の商店街のようなムードになっちゃう。 そば屋が一軒ありまして「楽庵」という店名。小さなお店。 実は同じ通りの別の場所に、深夜営業のそば屋が一軒、昔はあった。ゴリゴリとした十割蕎麦が当時としては珍しく、贔屓にしてた。 そこにいた人の一部が移って働いていた店。元のお店は今はもうなく、その店の当時のムードや料理が今でもほどよく受け継がれてる。 なつかしさに浸りましょうか…、とひさしぶりにやってくる。 今

焼いたタチウオ、骨までしゃぶる

熊本の夜。中心街で昔から熊本の素材を使った板前料理と〆の釜飯で有名な「青柳」という老舗を訪ねる。 本店ビルは現在改築中でまもなく開店。 それまでの仮店舗でのんびりくつろぐ。厨房の周りをLの字型に囲むカウンターに座って季節のゴチソウいただく。 厨房の中にはひと目で熊本の人だなぁ…、ってわかる顔つき、体つきのくまモンみたいな板前さんがニコニコしながら料理を作る。 まず刺身。メニューにタイラガイを見つけてそれを含めて盛り合わせで…、ってお願いしてみる。すると「貝がお好きであれば

テイスティングを眺めながら味わうコーヒーってまた格別なり…。

食後のたのしみ、オールシーズンズコーヒーにくる。 随分人気がでたようで、今日もほとんど満席状態。テーブル席はひとつもなくてカウンターの席をもらった。 目の前でドリップコーヒーが出来上がる場所。 しかも注文分のコーヒーを入れ終わったら、テイスティング用のコーヒーをおとしてく。豆の量やお湯の温度を変えながら落としては飲み、落としては飲み。ブレンドの味を決めていく。 誰かひとりが黙々とでなく、お店のスタッフみんなが試して意見を言って合議で決めていく様子がとてもたのしげ。いいなと

惣菜のバフェ、家族でがんばる寿司屋の昼

岐阜の昼。福寿司分店にやってくる。 郊外の住宅地にポツンとある店。店の前には小学校。今日は卒業式があるらしく、子供たちの明るい声が響いてる。 昼は近所の人たちでほどほどにぎやか。 けれど夜の宴会がほぼキャンセル。本来だったら今日は座敷が全部埋まっていたはずなんだけど、こういう状況だからしょうがないです…、ってお店の人はあきらめ顔。 うちは家族でやっているからなんとでもなるけれど、人を雇って家賃を払っている人たちは大変でしょう…、って。外食産業は大変だけど飲食店はしぶといん

ホテルにおいての朝食は、太陽の巡行のごとし…。

朝、西新宿のヒルトンホテルのマーブルラウンジ。 ここ数ヶ月、くるたびに静かになっていくバフェレストランで、今日はその静かさが極まった…、って感じの静かさ。 200席を超える大きな空間に20人ほどしかお客様の姿が見えず、それに対してお店の人は30人ほど。 それというのもバフェの料理をシェフがお皿に盛り付け手渡すスタイルに変わっていました。全部の料理がそうではないけど、メインの料理はほぼそのやり方。自分で取り分けするときも気をつけなくちゃと、注意喚起するに十分。 ホテルという

HotでHot、熱くて辛い銀座の香家

銀座で早めの夕食にする。 銀座ナインっていう高速道路の高架下にある施設の地下。丸ノ内線の改札口に直結していて、だからボクには便利なロケーション。 あぁ、ここはかつて川が流れていたんだなぁ…、って直感させるゆるかに円弧を描いて続く通路の両側に飲食店がズラリとならぶ食堂街。とんかつあり、セルフのうどんあり、タイ料理やスパゲティーと気軽なご馳走が揃ってて、金鱗のオフィスの人たちが終日やってきてにぎわっている。 テナントが定期的に入れ替わって、一番最近出店した店。「香家」にきてみる

芯が通ってやわらかい、やさしいうどんに讃岐のおでん

家に帰ってきて、どうにもうどんが食べたくなった。 比較的夜遅くまでやってるお店があって、とは言え出汁がなくなったら店じまい。今日はどうかなぁ…、と思って来てみる。 「咲花善伝」と書いて「さかいで」と読ませる店で小さいけれど実力派。 おそるおそる来てみれば、また大丈夫ということでお店に入ってホッとする。 カウンターだけ。お店の奥にはうどんを打ち、切る麺工房があり入り口近くに大きな釜。お湯がずっと湧いていて湯気がふわふわ舞っている。 創作うどんっぽいメニューもあるけど、これぞ讃

カジュアルなのに優雅なアフタヌーンティー

西新宿のハイアットリージェンシーホテルの一階。 かつて、ミッシェルエストロワグロっていうフランス料理のお店があった。星付きレストランで、そこの鴨料理は日本最高水準じゃないかと思って贔屓をしていたお店。 昨年暮に残念ながら閉店し、しばらく空いてた。 何になるのかなぁ…、と思っていたら「ヴィッキーズ」っていうカジュアルなビストロとして再開した。 普段遣いができそうな程よい値段の贅沢感。 特にアフタヌーンティーのメニューが魅力的で友人誘ってやってきてみた。 東京って実は緑豊かな街