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中野区児相「みらいステップなかの」視察から江東区の児童相談所について考える

みなさん、こんにちは!

看護師・助産師・一児の母で
がん・不妊治療経験者
江東区議会議員の酒井なつみです。

中野区に昨年できた「みらいステップなかの」を見学してきました!

「みらいステップなかの」外観


どんな施設か

10階建ての大きな建物で、区立中学校に図書館、教育センター、子ども・若者支援センター・児童相談所が併設されています。


詳細はコチラ⬇


建物概要

令和4年4月に開設された児童相談所を視察させていただきましたが、外部からの視察受け入れは今回が初めてだそうで、「走り始めたばかりなので1年間はお断りしていた」そう。(当然です)
お忙しい中受け入れありがとうございます!!


建物入口で記念撮影


それでは、学んできたことと区に生かしていきたいことをご紹介です!


スライド資料


親子子育て応援ラボのメンバー


中野区児相の特徴

1.従前の子ども家庭支援センター機能と児童相談所機能を統合し一体運営している
2.一時保護する就学児のうち4分の1くらいのお子さんは学校に通学できている
3.学校と連携した学習支援を行っている


「みらいステップなかの」の相談機能
▶総合相談
▶若者相談(40歳未満)
▶児童虐待相談
▶就学相談

これら各種相談ができ、建物の中ではワンフロアに児童相談所、子ども・若者相談、教育センターの職員が100人くらい働いています。(連携しやすい!)

また、教育支援室(フリーステップルーム)も設置され、不登校のお子さんの居場所機能も果たしています。(民間委託事業)


相談実績は都合により割愛しますが、開設後の変化として、以前より迅速に対応・意思決定できることや、一時保護するお子さんの数も増えたり早く保護できているとのこと。

また、療育手帳の認定について、区が行うように変更されたことで認定期間が大幅に短縮(3ヶ月半→ひと月以内)し、区民サービスが向上しているそうです。

一時保護所の運営も区で行うようになり、様々なことが変わってきています。(※保護されたお子さんの生活の場であり見学は不可)

私は子どもの権利擁護に力を入れたいので、居室の個室化やきょうだい一緒に過ごせる部屋など、居心地のよい空間環境づくり、随時こどもの意見表明や権利擁護をする環境体制づくり、学習・登校支援など、大いに参考になりました。

どこの自治体でも共通課題でしょうが、児童相談機能の維持向上、職員の残業時間が他部署と比べ多く、業務改善が必要であるとのことでした。
(※国の法定基準を超えて職員配置を手厚くしているものの、です。)

中野区の場合、人件費とこどもを守り育てるための費用が年間19億超かかるとのことで、その財源負担についても大きな課題となります。


おわりに

「児童相談所をつくる」と一言で言っても、その中身は自治体によって個性があり、職員さんの想いもさまざまです。

しかし共通しているのはこどもを想う熱い気持ちですね。

職員さんは残業も多くハードな業務をしているため、心のケアや業務改善、十分な人手とその財源負担は喫緊の課題です。

また、こどもたちの命と安全を守り、夢や希望を実現するために、虐待の未然防止や手厚い子育て支援、こどもの権利擁護が必要なのは言うまでもなく重要なことです。

一人の母親としても、虐待はいつも隣り合わせだと感じています。
子どもは可愛いし宝物ですが、虐待は環境によって引き起こされるものだと認識しています。

お母さんが笑顔で子育てできるよう、江東区を子育て先進区にしたい!その想いをより強くしました。


江東区の児童相談所は開設時期は未定で、現在基本構想を練っている段階です。(現在は区内に都が運営する児相があり、東京都がその役割を担っています)

私はスピード感を持ち取り組むべきだと考えますが、一方で他の自治体同様の課題も多く、本区においては虐待の未然防止のための子育て支援も不十分です。


両方とも更に推進していきますので、引き続き応援してください!

SpecialThanks
ご説明いただいた中野区児童相談所の職員のおふたりと、この視察をアレンジしてくださった品川区議会横山ゆかり議員に心から感謝しています。




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