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海で宝探し!ビーチコーミングと特許

こんにちは!特許調査の仕事をしてます、酒井といいます。
この記事は「みじかめコラム」です。
イギリスでの「海で拾った宝物を特許で特定したお話」を紹介します。
出所は大英図書館のコラム⇩です。

宝物を拾ったのは、記事サムネにも写真が載っている Eilidhさん。
スコットランドの西海岸に点在するヘブリディーズ諸島にお住まいで
子供の頃からビーチコーミングが好き。今も海岸でガラス瓶や金属のスプーン、色鮮やかな陶器を拾ったりするのを楽しんでいるのだそうです。

潮が大きく引いたある日  Eilidhさんは
今までに見たことのない「楕円形のボトルキャップ」を拾いました。

https://www.bl.uk/case-studies/eilidh-carr

ボトルストッパーの上部にはイニシャル「AGBARR」が刻印されており、その下には特許番号「12,942」が刻印されています。

https://www.bl.uk/case-studies/eilidh-carr

大英図書館のチャットサービスに問い合わせたところ
下記の特許が特定されました。1909年の特許とのこと。
(ボトルキャップもその時期の物かもしれないですね)

https://worldwide.espacenet.com/patent/search?q=pn%3DGB190912942A

ボトルキャップにも刻印されていた AG BARR は
現在もスコットランドで炭酸飲料を製造しているそうです。

大英図書館の記事にはもう少し詳しい話や
ヘブリディーズ諸島での生活も紹介されてます。(よかったら!)

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さて・・・
特許情報、日本では図書館に問い合わせるという感覚が
そこまで普及していないような?気がしますが

イギリスでは少し事情が違うようで
昔(1600年代)から特許文献は図書館で保管・閲覧されていたようなのです

先ほどの公報画像も、右下をよく見ると
バーミンガム図書館の受付印が押されています。

Espacenetに収録されている 古めのイギリス特許は
ほとんどが「図書館に紙で保存されていた」のをスキャンして
電子データにしたものなんですよ

収録データがこちらに公開されているんですが

1600年代からの公報を「紙」で持っていて
「さすが大英図書館・・・」と唸ります

また大英図書館には
Business and Patent Centre という、特許を専門に扱う部門があります。

上記のように古くから資料を保存し続けているためだと思うのですが
日本とはかなり事情が違っていて興味深いですよね!


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