だいじょぶだいじょぶ、の夢(2022.12.16)

 どこかの旅館。
 海沿いの、漁港のそばにある旅館に、団体旅行で来ていた。
 大広間で夕食。港からあがった新鮮な海の幸は、とてもおいしい。
 にもかかわらず、僕はデザートに出たフルーツの中でもキウイだけを食べていた。自分のテーブルのキウイを食べ尽くすと、次のテーブル、そこのも平らげると、また次のテーブルへと移動する。まるで異常発生したイナゴの群れが草原を荒野に塗り替えながら渡っていくような所業だ。団体旅行の仲間に申し訳ないとも思わず、キウイをむさぼっていた。食事の中にキウイが出ていたと気付かない人もいたと思う。
 一緒に来た人の中には、なぜかプロレスラーが多い。酔った女子プロレスラーに絡まれたりした。
 翌日。
 旅館の系列に水産加工場もあるので、そちらを見学。
 すり身を作る機械。ゴミ収集車そっくりなミキサーで、すり身を練っている。
 いい具合に練り終わったところで、がたんと音がして部品が外れ、すり身が床に落ちた。白かったすり身が一瞬で、真っ黒に変色する。中年男女のすり身担当が慌てて対応した。
 見学者がいることを失念したのか、女性が、我々にも聞こえるような声で、黒くなったとこ削って使うからだいじょぶだいじょぶ、と言った。男性の方は納得いかなさそうな表情をしていたが彼女に従い、すり身を抱え上げて別の部屋に運んでいった。
 後日、すり身から大腸菌、操業停止、というニュースが。

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