秘密研究所 夢日記2024.5.22

 外国。本国に近い地域のどこか。
 数十年前、世界中を巻き込む大きな戦争があり、ここは激戦地だった場所。
 僕を含む数人は、この地にかつて存在した、軍の秘密研究所について調査するため訪れていた。
 戦後、痕跡を消され、無かったことにされている研究所の実態を掘り起こすのが、我々の目的だった。
 主にお年寄りへの聞き取り調査をする。物的証拠が押し入れの奥から出てくることもある。
 ここの施設では、薬剤投与により限界を超えた筋力を発揮させる研究が行われていたらしい。被験者は現地の人たちだった。当時、我が国の占領下にあったこの国の民を、人体実験に使っていたのだ。後ろめたさから、戦後、証拠隠滅に躍起になったのだろう。
 実験に成功した数人は実戦投入され、鬼神の如き強さと称えられ局地的には戦果を上げたようだが、敗戦への流れの中ではさざ波のようなものだったのではなかろうか。
 安全性の保証されていない、わけのわからない薬を打たれて命を落とした犠牲者が、どれほどいたことか。

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