軽自動車が高級セダンに、の夢(2022.7.3)

 知人と集まって遠くへドライブに行くことになった。
 夕方、待ち合わせ場所に着くと、そこだけ雪が大量に残っていた。
 雪の山が、どざあと崩れて、埋まっていた車が出てきた。今回の言い出しっぺが乗っているものだ。全員揃ったので、出発した。
 どこへ向かっているのか分からないが、しばらく走ったあと、道の駅で休憩。もう夜になっている。
 軽い食事をしながら、UFOの話で盛り上がった。参加者のひとりが最近、車を運転中、真上にUFOが現れ、光線を浴びせられたという。それだけで済んで良かった。実は道内のUFO目撃が急増しているらしい。
 ドライブを再開するため各自、車に戻ることにしたのだが、僕の愛車が見当たらない。道の駅の駐車場を隅からすみまで探したが、見つからない。
 ほかのみんなも探してくれて、ひとりが、向こうじゃないかと指を差した。駐車場を挟んで道の駅の反対側に、廃車をリサイクルする工場のような施設があった。廃車置き場と駐車場の境界を示す物が何も無いので、うっかり分解処理されていまう可能性があるかもしれない。
 そちらの敷地に入ってみる。スクラップが積んであるのと廃車置き場との間を、誰かが歩いてきた。
 マイケル・ジャクソンが『スリラー』のビデオで着ていたような赤い上下を着て、ぎこちないダンスを踊りながら、だんだん近付いてくる。顔が見えるくらいまで来ると、とても人間のものとは思えない造りをしていた。幼児が描いたマイケル・ジャクソンの似顔絵をそのまま、立体に造形したような顔だった。そういうデザインのマスクをかぶっているのだろうか。
 謎の男の横で、スクラップになって積まれている車の中に、僕の愛車があった。思わず、うわあと声を上げてしまった。ショックだった。
 その男がこの施設の従業員なのかどうかは定かでないが、これは僕の車だと訴えた。彼はたどたどしい日本語で、間違って潰しちゃったよごめんね、というようなことを言った。喋る口の周りを見ると、マスクとは思えない自然な動き方をしているので、本当にこういう顔なのだろうか。
 代わりの車を用意してやると、スマートフォンのようなものでどこかへ連絡をし始めた。
 数秒後には大きなトラックが、廃車置き場に入ってきた。荷台から、外国製の高級セダンが下ろされる。代わりの車とは、これのことか。潰されてしまった僕の愛車は軽自動車だった。謝罪の意を含めたとしても、いくらなんでも釣り合わないだろう。
 トラックを運転してきたのは、謎の男とお揃いの赤い衣装を着た女性だった。やはり、いい加減な造りの顔をしている。

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