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「ミセスハリス、パリへ行く」

2022年11月某日鑑賞

「ミセスハリス、パリへ行く」
監督:アンソニー・ファビアン
2022 イギリス🇬🇧

いい時間を過ごしました。面白かった☺️

掃除婦のハリスおばさんが
ディオールのドレスに恋してロンドンからパリへ行く。

その舞台は1950年代後半で、
#地下鉄のザジ や #勝手にしやがれ とかその辺と大体同時代のパリ。
なのにこの日本用の「プリンセスもの」みたいなビジュアルのポスターw
きっとおとぎ話だから軽い気持ちで楽しもう、
と思いながら観はじめました。

最初からハリスさんは、
黒人のバスの運転手ととてもフレンドリー。
そして乗り込んだバスにはギュウギュウに黒人。
えー、この時代イギリスでは黒人差別なかったの?
ワイワイとバスに乗れたの?
と思いきや、ハリスおばさんは掃除婦だからだった。
なるほどなるほど、
労働者階級なら、白人でもハリスおばさんも差別される側の人間。

そしてなんやかんや、
予告で大体わかる流れ(でもドキドキ&ハラハラな事が沢山起きて楽しいけど)
で、パリに行くんだけど、

着いた場所にいるのはボヘミアンの汚いおじさん達。
パリの街は回収されないゴミの山だらけ、
プラカードを持ってストを起こす労働者。
ザジだ!ザジのいたカオスなパリだ♡

そしてまたなんやかんやあってハリスおばさんが予告通りディオールの内部で革命を起こすんだけどww
びっくりするぐらい好意的な人達と、
びっくりするぐらい受け付けない態度の人達といるけど、
なんかみんな結局素朴で、観ていて本当癒される。

その中で出て来る、
ディオールの会計係の青年の家の中のシーンが好きでした。

本棚に本があれば全てミステリー小説だと思うハリスおばさん😂🇬🇧
(もちろん紅茶ばっかり飲む!)

しかしパリジャンの本棚の中身は哲学書で、
若い男女はサルトルについて語り合う、呪文の様な会話😂
勿論悩み事も「自分の存在について…」
#ゴダール の映画で呟かれるポエムの様に🇫🇷

ハリスおばさんが嬉しそうに出してくれるお料理は「イギリスの美味しくないごはん」
(今は美味しいらしいじゃないですか💦私が言ったんじゃありません😂)
フランスとイギリスのからかい合いみたいでクスクス笑えました。

それにしても #ヌーベルバーグ と同時代と思えないクラシカル、言い換えれば時代遅れ感のあるオートクチュールの世界と顧客の世界は、
それこそがこのストーリーの核心でして、
それがどうなるか♩
がお楽しみ。

っちゅうお話しでした😋

それぞれのエピソードに流れるのはずっとキラキラした夢のある音楽で、
ハリスおばさんはきっと大丈夫!
と思わせてくれるので、
辛くてもグッと踏ん張って安心して観ていられる。(ハッピーエンドになります様に!と信じながら🥲)

終わってみれば、
そうか金髪&白人のハリスおばさんの親友は、黒人の掃除婦仲間。
本当いいやつなレディで、
パリにいる間もずっと親友の事を考えてる。
ハリスさんは最初からごく自然にリベラリストだったのだね。

パリの若い2人の難しい会話に「実存主義だよ」とサラッと解説するのがボヘミアンのおじさんなのもエスプリが効いている😙
大昔観た(覚えてないけど) #アキカウリスマキ の #ラヴィドボエーム をちょっと思い出す。
(そういえばおじさんは3人だったな!?)

あまり期待しないで軽い気持ちで観に行って、
大変失礼いたしました。

映画の中で「中高年の労働者の女性」であるハリスは何度も「透明人間」と言われ軽く扱われます。

この映画を軽く見てた私も、
彼女を透明人間扱いしてる側になってたんだなぁ、
と反省⤵︎

そしてこの映画には「現金」や、
「お金を数える」シーンが多くあるのだけど、
世界の数名の成功者が使い切れないお金を稼ぐ世界の中で、
空き缶にコインを貯め、ホロホロになった札を握りしめるハリスさん、
この映画の中で流通する「お金」は「美しいもの」に見えました。

ちなみに今日はポイントで無料鑑賞。
アザッス💸

ひたすらによく歩く、働く、
まさに地に足のついたハリスさんかっこいい!

最初と最後は、
映像も展開もクラシカルで、安定の「映画の愉しみ」をくれる感じも、
素直に楽しめた。

ディオールのショーモデルは、
本当に当時にそんなに多様だった?🤔
とは思うけど、まぁ色々細かいことは置いといて、
リフレッシュにお薦めの映画でした😊

おばさん(&おばあさん)万歳w

何度か #Vespa が登場したり、
最後の方はボーダー着た短い髪(に切った)パリジェンヌも登場して、
うむうむ😊🇫🇷

でも、現実の今の話、
ここ数年特に!
人種だけでなく年齢や体型、ジェンダーも本当に様々なモデルがショーに登場していて、
すごく目が楽しいなぁ、と思います。

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