「LOVE LIFE」監督：深田晃司

2022年9月某日

「LOVE LIFE」
監督：深田晃司

素晴らしかったです。素晴らしい映画でした。
もう一度観に行きたいです。
近くでやっているのでまた観に行っちゃうかも。

他の方の感想を拝読すると、
皆さま様々ではありつつ、
なにかおどろおどろしい人間関係🙀
の話かと想像して行ったのですが、
観てみたらそういう事ではなかったみたいで、
みなが正直に生きている、「普通」の人達に思えました。

私たちは「普通」の「よい人」のつもりで、
酷い人間と言われないように、
円滑に人間関係をしているようでありながら、
自分があまり意識を向けてない、尊重していない相手に対しては、
立場を変えてみればあんな風な残酷な言葉の数々を、
日常的に誰かに発しているのかもしれない。
し、
私も小さな疎外感や小さくも根深い恨みなどを、
日々抱えて生きてますし。

「嫁」である事で感じる日々の小さな疎外感の蓄積、
そんなことも共感しながら観ました。
木村文乃演じる妙子の、どこか薄ら暗い雰囲気も、
設定となる境遇と共に、
ヨメである事もね、と自分に近付けてみてしまいます。

「嫁」も小さなコミュニティ内でのマイノリティです。
また、大きな社会でマイノリティにされている人々の描写もあり、
主軸のストーリーと共に流れているモチーフを感じます。
誰の人生も、
「事実は小説よりも奇なり」なのではないかしら。

あと、夫婦とか家族って、
もはや愛し合ってるかどうか分かんなくても、
なにかトラブルや辛さを一緒に体験すると、
嗚呼…これは我々家族だけで共有した痛みだな…
という一体感とかで縁がくされて(←)行きますよね…
よくもわるくも。

それがこの人たちは複雑な「家族」になっちゃってるなぁ、
と、つらい関係の人々でした。

過去や今に起きた事が色々こんがらがっているけど、
人はみんな癖や弱さや拘りがあって、
「自分」のようにしか生きられない姿、
それぞれが愚かで愛おしい。

あと、私もありますよ、
はやくシネばいいのに！と思った事がある相手がシンジャッタこと。
長生きしてましたけど。母です。笑(笑うなw)

今朝、久しぶりにクッキリとした母の夢を見ました。
いつも具合悪い人だったのに(私は #ヤングケアラー でした)
今朝の夢の中ではすっごい健康そうで元気だったので、
朝スッキリ目覚めて、そのまま夢のことを忘れていて、
この映画を観ながら「アッ」と思い出していました。
枕元に、敬太君が走っていたシーンかな、
あれは辛いシーンでした。

あと、ネタバレになるので、この作品と韓国の関係は曖昧に書きますが、
人が、強いショックを受けた瞬間の反応について。
それは私が韓国ものが気持ち良くて夢中になる要因なのだけど、
韓国人の感情の発露って、すごい。←語彙w

それに見慣れていると、
パクさんの瞬間の行動も理解できるし、
クライマックスの(私は笑ってしまった)衝撃の(笑)展開もスッと腑に落ちます。

少しだけ登場する #コーダ の青年の台詞を聞く頃には、
私はもうずっと泣きながら笑うおばさんでした。

だいたい、オッパオッパ♪と歌うおばさんに拾われた時点で、
もうあの国の懐に包まれた感じで、
また言うけど、終盤ずっと泣き笑いでした。

胸がいっぱいです。

あと、ろう者の登場人物について。

少し前にたまたま、
ろう者の役をろう者じゃない俳優が演じる事が、
まだまだ日本では多い(殆ど)だと嘆いている方の記事を読みました。

その流れで、
障がいがあったり少数者だったりする役を、
そうでない俳優がやることがなぜ良くないのか、
という記事も読んだばかりでした。

なのでこの作品でパク・シンジ役の砂田アトムさんが実際にろう者であること、
そしてそのこと(聞こえない事)が主軸になったストーリーではなく、
主役陣の1人がろう者であることは別に普通の事で、
交わされる言語に手話や外国語が混ざっていても普通だってこと、
これがまず私の心を落ち着けました。
(砂田さん自身は日本人なのだそうで、韓国人の役なので監督に相談し、日本と韓国のミックスの設定になったそうです。)
これから益々、あらゆるマイノリティの個性を持った俳優本人が、その役を、普通の登場人物として演じる作品が増える事を願います！👍

あと、ポスターにも載っている
「痛かった、全部」
というセリフは、韓国手話で発せられるのですが、
韓国語では日本語よりも「痛い」の単語に「つらい」という意味合いが強いと聞いた事があります。

つらいを痛いと表現するのは、日本にもありますが、
なんだか詩的ですね。
パクさんが猫を差し出すシーンの台詞も、
韓国文化の香りがする詩的な行動だった気がします。
私見ですが。

だから、韓国人の友達が「痛い」と呟いていたら、
バンドエイド渡すだけじゃなくって、
優しく話しを聞いてあげるとよいかも☺︎

あと、猫が可愛くて！
私は猫派なので、ススス、と猫が通るだけで、
感情を持っていかれました😽

#映画LOVELIFE #LOVELIFE #深田晃司
#木村文乃 #永山絢斗 #砂田アトム #田口トモロヲ
#矢野顕子 #映画 #映画記録 #映画鑑賞 #映画鑑賞記録
#movie #映画館