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【Starlight Destiny#65】コロッケダブル地獄

母は猫のひたいほどの土地にじゃがいもを植えていた。
日曜日になると、父と一緒にそそくさと物置小屋に出かける様子を
よく目にしていた。

収穫の時になって子供たちと私は召集され、
驚くことに種芋はわずかこれだけだったのだ。じゃがいもの生命力には感嘆すら覚えた。
母は麦わら帽子をかぶり、誇らしげな後ろ姿で採れたてのじゃがいもを掘り起こしていた。私たちの手で、約2時間かけてみかん6箱ほどのじゃがいもを収穫した。
帰りの車中では父が「じゃがいもは蒸かしてバターで食べたいな」と言い、ちーちゃんは「にっころがしいね」と言った。
その話題で盛り上がりながら家に帰り、
私たちはお風呂に入る代わりにベッドに入り疲れ果ててしまった。

すると夕方、台所から音痴なながらも力強い母の歌声が聞こえ、
私は目を覚ました。彼女は歌いながら料理をするのが好きで、
カセットを巻き戻しながら歌っていた。

夕食のメニューは、なんとコロッケ100個ほどだった。
私たちは美味しそうに頬張り、ソースやしょうゆをかけながら楽しんだ。
しかし、母は明日から食べ終わるまでコロッケしかないと言った。
さっと横目で見ると、揚げていないコロッケが100個近くあった。
私たちのリクエストは全て無視され、
すべてのじゃがいもがコロッケに仕上げられてしまったのだ。
それ以来、4日間はコロッケだけの食事だった。
私たち家族にとって、コロッケは以前ほど好きなご飯ではなくなった。

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