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【20代向け】地方都市で約1年間コーヒー屋を個人経営した僕が、「これから自分のお店を始めたい」同世代に伝えられること。

地方でコーヒー屋さんやカフェを始めたい。そんなことを思い描く20代は少なくないと思います。僕もその一人でした。そして実際にコーヒー屋を地方都市で役1年間個人経営してきて、さまざまな学びを得ました。この学びをここに記録することで、自分のお店を始めたい同世代の力になれるかもと思い、今回記事を書いております。

自己紹介はこちらにありますので、気になる方はみてみてください。

お店のインスタグラムはこちらです

https://www.instagram.com/senba_coffee/

「成功のための戦略を立てることが大切」とよく言われますが、それ以上に重要なのは、「負けないための基盤」をしっかり整えることだと僕は考えています。今回のnoteでは、僕が「ゼロの状態からお店を始めるなら」という前提の上で、どのようにしてその基盤を作り、試行錯誤を繰り返していくのか、超具体的に説明していきます。

一つ言えるのは、この記事を読むことで、あなたの個人経営のスタートが確実に変わるということです。僕が学んだことを共有することで、あなたが同じ失敗をしなくて済むように、そして、あなたが届けるサービスを手に取る人が、1人でも多く増えるよう願っています。

もし、少しでも「地方でコーヒー屋を開業する」という計画を真剣に考えているのなら、この続きを読んでみてください。きっと、あなたの力になれるはずです。

「負けない体制」を整える

20代でコーヒー屋個人経営を「ゼロの状態から始めるとしたら」。僕が最初に考えるのは、「生活費をいかに抑えるか」です。生活費が少ないということは、コーヒー屋で稼ぐべき金額も少なくなり、その分だけ経営にかかるプレッシャーを軽減でき、(参考までに、僕は家賃を2万円台前半に抑えています)それにより、人間関係や開業資金にお金を使う余裕が生まれるからです。「勝つ」ことよりも、まずは「負けない」体制を整えることを目指すことが第一ステップです。

ただし、生活コストを下げることに集中しすぎて、人間関係にお金を使わなくなると、交友関係が狭まり、結果として発想や思考も狭くなりがちです。これは、お店の認知度や自分自身のアイデアにも悪影響を及ぼし、負のループに陥る危険性があります。

このため、いくら生活費を抑えることが重要であっても、人間関係は大切にする必要があります。飲食業界で、特にお客様一人当たりの単価が比較的低いとされるコーヒー屋を個人で経営していくには、「仕組みの強さ」が必要不可欠です。家賃などの固定費はなるべく低く設定しておくことも大切であると同時に、その分浮いたお金を、ビジネスの成長や人間関係の維持・発展に使うことも重要であると思います。

お金を稼ぎながら自分の認知を広げていく

コーヒー屋を始める前に、地域の個人経営の飲食店(コーヒー屋またはバー等)でアルバイトをすることをおすすめします。ここでの目的は、単にお金を稼ぐだけでなく、お客さんとのコミュニケーションを通じて、自分を知ってもらうことです。ただし、「来てくださいよ」と押し売りするのではなく、お店を始めたら何も言わずとも継続的にその方が来続けてくれるくらい、その人と真剣に向き合うことが大切だと思います。

SNSでは、「Web集客だ!」「SNS発信が大事だ!」という内容のアドバイスが多く見られます。確かにこれらの手法は現代のマーケティングで有効な場合もありますが、特に20代前半で資源が限られている場合、こういった飛び道具に頼りすぎると、かえってうまくいかないリスクもあると考えます。

強調したいのは、「1対1のアナログな、長期間かけた継続的なコミュニケーション」の強さです。これは最も強力な集客手法の一つだと思います。お客さんとの関係を丁寧に築き、その信頼関係をベースにお店を開業すれば、自然とお客様が足を運んでくれるはずです。

また、「勤務先のお客さんを奪おう」と考えるのではなく、「そのお客さんがあなたのお店に行きたくなるくらい、真剣に向き合う」ことを心がけるべきだと思います。お客さんとの対話やサービスを通じて、心からの信頼を得ることを目指すことが重要です。これこそが、長期的に成功するコーヒー屋経営の基盤となるように思います。

今の勤務先で築いている人間関係を、どのように強化できるか?そして、将来あなたのコーヒー屋を訪れる理由を、お客様に提供できる方法は何か?そのあたりを考えてみてください。

並行して出店先を探す

コーヒー屋を始める際の出店先の選定は、慎重に行うことをおすすめします。僕はテイクアウト専門の小さなテナントを借りましたが、状況によって最適な場所は異なるため、自分に合った場所を見つけることが大切です。テナントを選ぶ際には、家賃がなるべく低い方が良いですが、立地や周辺の競合状況も考慮することが重要だと思います。

アルバイトをしている期間中にも、テナントや間借りでコーヒー屋ができそうな場所を長期的に調査しておくことが大切だと思います。人間関係を大切にし、広げていくことで、自然とそういった情報が入ってくることが期待できるでしょう。

例えば、自分がやりたい業態に似たサービスを既に行われている方々との信頼関係を築いておくと、出店に関する貴重な情報やアドバイスを得られる可能性が高まります。こうした人間関係は、表面的なものでなく、深く、長期的な信頼に基づくものであることが重要です。これらの関係性がしっかりしていれば、開業時にはすでに確かな基盤ができているため、安定したスタートを切ることができるでしょう。

これまで築いてきた人間関係が開業にどう役立つか、出店先を選ぶ際に、どのような人脈や情報を活用できるかをしっかりと考えることが非常に重要です。

4万円で業務用機材を揃える

オンラインで購入できるおすすめの業務用スペシャルティコーヒー豆の仕入れ先や、4万円で揃うコーヒーを淹れるための機材を以下にまとめています。これらを参考に、自分自身、そしてお客さんに最高のコーヒー体験を提供できるように準備を整えましょう。僕は実際にこれらの道具を使い、お客様に「美味しい」と言っていただけるコーヒーを淹れることができています。

【オススメの業務用コーヒー豆】
シンプルな中深煎りのブレンド。お客様からの評判も大変良いです。
ふと思いついたときに、オンラインで気軽に注文できるのでとても助かります。焙煎日のその日のうちに発送してくださるので、鮮度も安心です。

【オススメの電動コーヒーミル】
挽き目も調整でき、十分な機能です。1年間問題なく使えています。

【オススメの温度調整機能付きケトル】
注ぎも調整しやすくデザインもスタイリッシュ。使いやすいです。

【オススメのドリッパー】
私の店では、これを三つ購入し、使用しています。
スイッチでお湯を止めることができ、美味しいコーヒーが淹れられることも確かですが、ドリッパー持って移動させる時、コーヒーが飛び散りにくいのも、清掃の手間が省け、大変助かっています。

【オススメのコーヒー豆収納容器】
落とし蓋になっており、空気を容器の外に押し出すことができます。私の店では、豆を収納したまま容器ごと冷凍保存することで、美味しい状態のコーヒー豆を、お客さんに長期的に楽しんでいただけるよう工夫しています。

【オススメのコーヒーフィルター】
お湯抜けがよく、クリアな味のコーヒーになります。

天然水で淹れる

また、美味しいコーヒーを提供するために、「水」にもこだわりました。僕の店舗で使用している水は、市販の天然水です。コーヒーはそのほとんどが水で構成されているため、水のクオリティが直接コーヒーの味に影響します。「水道水」で淹れたコーヒーと、「天然水」で淹れたコーヒーを飲み比べてみると、驚くほど味に差が出ることに気づくはずです。日本人は味覚が鋭いです。珈琲屋として、「コーヒーのおいしさ、香りの豊かさを高めること」と向き合っていきましょう。お客様は、僕たちのこだわりをきちんと感じ取ってくださっています。

「あなただから」来てくださるお客様を確実に増やす

コーヒーが美味しいというだけでなく、「あなただから来る」お客様を大切にすることが、長期的な成功の鍵だと感じています。例えば、古くからの友人や家族であれば、近所にどんなに安くて美味しいコンビニコーヒーがあろうと、あなたのお店に足を運んでくれることでしょう。このような関係は、ただ美味しいコーヒーを提供するだけでは築けません。

新しいお客様が「気になって」来店してくださるのは、最初の一歩にすぎません。彼らとも真剣に向き合い、深い信頼関係を築くことで、やがてそのお客様も、継続的に足を運んでくださる常連さんになっていただけると感じました。このように、ただ「美味しいから来る」お客様を大切にするだけでなく、「あなただから来る」お客様が確実に増えていくことが重要だと思います。

以下は自戒を込めてですが、この信頼関係を築くためには、「ありがとう」の気持ちを常に忘れないことが大切です。僕自身も、コーヒー屋を一年運営してきて、この感謝の気持ちがいかに重要であるかを深く感じています。感謝の気持ちは、お客様に対する接し方に自然と現れ、彼らもそれを感じ取ってくれるものです。

目の前に来てくださったお客様に対して、「この人に何を与えられるだろうか?」と常に考え続ける姿勢が、信頼関係の基盤となります。その結果として、お客様はあなたのお店に繰り返し足を運び、他のコーヒー屋では得られない特別な体験を求めてくれるでしょう。

自分の店に来てくれるお客様に対して、今何ができるか?お客様が本当に求めているものを提供するために、何が必要か考えることは欠かせません。そして、感謝の気持ちをどのように表現できるかも考えるのは重要なポイントだと思います。

考えることを辞めない

お店をやっていると、うまくいかないかもと思うこともあるかもしれません。僕もそう感じたことがありました。しかし、その時に大切なのは、そこで立ち止まらず、冷静に考え続けることだと思います。これまでの経験から得た学びは、実際に行動して初めて身につくものであり、それが将来の財産になると感じています。

SNSで見かけるアドバイスや理論も参考にはなりますが、実際に自分でやってみて得られる経験には代えがたい価値があります。失敗したと感じることもあるかもしれませんが、そのたびに「この経験をどう活かせるか?」と考えることが大切です。どんな状況でも、次にどう動くかを考え続けることで、少しずつ前に進んでいけると思います。

まとめ

この記事では、地方都市で約1年間コーヒー屋を個人経営して得た経験を基に、これからコーヒー屋を開業しようと考えている20代の方々に向けた具体的なアドバイスを提供しました。コーヒー屋経営において「負けない体制」を整えることが第一歩であり、生活費を抑えつつ人間関係に投資することが大切です。また、開業前の活動を通して人との信頼関係を築くことが、集客において非常に有効だと思います。

出店先の選定や業務用機材の準備も慎重に行い、お客様が実際に手に取る商品やサービスのクオリティを高めることが重要です。そして、長期的な成功の鍵は「あなた自身」が理由で来店してくださるお客様を大切にすることです。

何より、経営の過程でどんな困難に直面しても、「この経験をどう活かせるか?」を常に考え続けることが成功への道を切り開くと信じています。この記事が、あなたのカフェ開業の一助となれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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