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「勇気づけ」のアドラー心理学

図書館でたまたま手にとったアドラー心理学に関する本は、子どもとの接し方に関するものだったので、もうちょっと全体の概念がわかる本も読みました。1冊目の感想はこちら↓

追加で読んだのは下の2冊。どっちも同じ方の監修(?)ですが、後者は特に子ども向けにやさしく書かれた本です。心理学をいかにも「学問!」とせずに、実践的に、しかも子ども向けに語りかけるツールとできるのって素敵だなと思いましたよ。

八巻秀 監修(2015)『アドラー心理学 - 人生を変える思考スイッチの切り替え方-』株式会社ナツメ社

八巻秀 監修(2017)『教えてアドラー先生』株式会社世界文化社

いろいろと書かれていましたが一番大事な要素だけ書くと。

勇気づけ(Encouragement)の心理学

- 人間はだれしも目的に向かう欲求を持っている
- 達成の際にはかならず人間関係上の困難にぶつかるが、この人間関係状の「困難を克服する力」をアドラーは勇気と呼んだ。
- 困難に立ち向かい、乗り越えるための活力を与えることを「勇気づけ」と呼んだ。

勇気づけのための5つの理論

1.自己決定性
自分の人生の主人公は自分。自らの意思で決定している。
2. 目的論
- 行動は目的に向かっている。未来の目的は自分で決められる。
- どうしてこうなった、ではなくこれから何ができるか
3.全体論
- 人との心に矛盾はない。理性と感情、意識と無意識は相反さない
- つい〜してしまう。うっかり〜した。なども含めて自分の意志。理性/感情も補い合う関係。
4.認知論
- 人は誰でも、自分だけの価値観を持つ。主観。
- 人間は客観的に人やものをとらえるのは不可能。
- 客観的事実よりも、どうとらえ、どう意味付けているかに着目
5.対人関係論
- 感情や行動には相手がいる。自分の誰かの相手役。
- 人間の悩みは人間関係


この「勇気づけ(Encouragement)」という点がアドラー心理学の一番のキーワードと私はうけとりました。

また、一貫して人間の”関係性”に重きをおいた理論で、かつ個々の価値観や意思を尊重する。そのための手助けとしての「勇気づけ」を手段としているなんだかポジティブで未来志向な理論ですね。

私は心理学については全く知識はないですが、”困難を克服するために相手を勇気づける”ことを中心に据えて、人との関係を考えていくというのはなんだか共感。


というのも、ちょっと前から私が、職場でのマネジメントや子育てにおいて、密かにテーマにしてたのが人のエンパワーメント(empowerment)。

エンパワーメントは直訳だと「力(権限)を与える」とかですが、意味としては、その人の持つ力を最大限引き出すこと、それにより自律的な状態をつくること、ってかんじ。(てきとう)
エンパワーメントについてはこの辺の記事がいいかんじ。
https://achievement-hrs.co.jp/ritori/?p=2566


Encouragementにしても、Empowermentにしても、単なるhelpとはちょっと違って、「自分自身に乗り越える力がある..!」「私、で、できちゃうかも...!」みたいな自分に可能性を感じられている状態をつくるために、ちょっと背中をおしてあげる、みたいなイメージなんですよね。


それで何かにチャレンジしたり、えいやっ!と越えることができるならば、多少まやかしや、勘違いが入っていてもいいと思う。

自分もそうやって少しずつ未体験のことを積み重ねてきたので、これからも自分をそうやって前に向かせていきたいし、自分の子どもや周囲の人のこともそんな風にEncourageやEmpowerできたらいいな〜とか思うのでした。

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