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イスタンブール運河計画の個人的まとめ

イスタンブール運河計画というのをご存じだろうか?

イスタンブール運河計画

舞台は中東のトルコのイスタンブールである。

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それはさておき黒海を中心としていくつもの国がありトルコは黒海と外洋を繋ぐ2ヶ所の海峡を領有しています。

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1か所目がトルコ最大の都市にあるボスポラス海峡またはイスタンブール海峡。2か所目はダーダネルス海峡またはチャナッカレ海峡と呼ばれる。画像3

イスタンブールの西側に新しく運河を作ろうとしているのが今回のイスタンブール運河計画です。全長45キロ、7年の工事で建設費用は750億トルコリラ(約1兆2800億円)。トルコ政府は年間10億ドル(約1050億円)の通航料収入を見込まれるている。

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注)地図ではトルコ語の発音に準じて都市名がイスタンブルとなっています。イスタンブールは日本語なまりですが分かりやすさを優先して文中ではイスタンブールと表記しています。

メリット

この運河を作るメリットはいくつかある。

・多くの国が資源の運搬のため海峡を利用しており渋滞が起きており2003年頃は、半月から1ヶ月入り口で待機しておかなければならない程だったが解消出来る
・トルコはコロナの影響で失業率が30%に達しており公共事業で雇用を創出する必要がある
・海峡は自然にできたものであるためジグザクに蛇行しているため高い運転技術を必要とするため年間40件程度おきており事故が絶えない。事故が多い為トルコは海峡を通る船舶の規模や通行可能な時間を規制している

デメリット

反対にデメリットもある。


・運河計画は既存の湖やダムを壊して利用するため下流のイスタンブールで水不足が発生する恐れがある。トルコ全体の約23%のGDPを創出する最大の都市で水不足はトルコ全体の経済に多大な影響を与える恐れがある。
・開発により黒海や地域の環境が破壊され生態バランスが崩れる恐れがある
・ボスポラス海峡とダーダネルス海峡の通航について定めたモントルー条約を骨抜きにする恐れがある


結論

資源の確保は国家の重要な課題の一つです。2020年にはトルコストリームというパイプラインが出来ている。ロシアから黒海の海底を抜け天然ガスの供給をうけている。


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パイプラインもそうですが新しい運河で黒海に隣接する国としては資源確保に柔軟性が持たせられるのは喜ばしい事ではないでしょうか。

モントルー条約と同じ内容でやれば外交上は問題なくなるように思いますが水不足は致命的な結果をもたらす可能性があるのでまず厳密な調査をするべきじゃないかなと思います。基本的にはメリットが有る事なので問題なければ始めればいいかと思います。失業者の問題や船の滞留による環境汚染というのも解決していくべき問題だからです。イスタンブールは東京の二倍程度の大きさで東京より若干人口が多く、緯度で言えば青森と同じぐらい。イスタンブールだけが豊かにならないように富の再分配がなされるといいですね。ちなみにこの運河計画は2021年の夏から始まるらしいです。推測ですがこの計画が完了したあかつきにはチャナッカレ海峡側にも運河を作るんじゃないかな?と思います。もしくは作るという事を交渉のテーブルに乗せて外交を進めていくんじゃないでしょうか。

最後に


日本は逆に国全体が海に囲まれており船で一度に大量に輸送する事ができるため資源確保する相手さえ出来れば輸送自体は簡単に出来ます。今回の勉強を通して、相手の立場になって考えるというのは相手のことを知らなければそもそも難しいというのがよくわかりました。地理として黒海というものがあるというのは分かっていたんです地域独自の課題があったりしますね。地域独自性がみれるのはとても面白い発見でした。

おわり

(文/さじん@nenrikisousui)


情報引用元

在イスタンブール日本国総領事館


ARAB NEWS


独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMEC


日本貿易振興機構 ジェトロ

一般社団法人国際建設技術協会


以上

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