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地域を見守り続ける歯医者さんを目指して

いわよし歯科クリニック
有村真一郎 院長

都城市にある「いわよし歯科クリニック」では「らしく生きることを見継(みつ)ぐ。」を理念として掲げています。
「見継(みつ)ぐ」という言葉に込められた思いや、地域歯科医療のビジョンを院長の有村真一郎さんにうかがいました。

現場で蓄えてきた経験と技術

ーー経歴をお聞かせください。
2000年(平成12年)に鹿児島大学の歯学部を卒業して鹿児島大学歯学部附属病院の第一口腔外科に入局しました。同時に大学院の歯学研究科に入学しています。
2006年に鹿児島大学の医学部歯学部附属病院の口腔外科医員となりました。
翌年に歯学の博士号を取っています。

ーー博士号を取得したあとはどうされたのでしょうか
博士号を受けたその年から長島町の国民健康保険平尾診療所というところに派遣してもらいました。
翌年の2008年(平成20年)に、宮崎県都城市の国立病院機構都城病院(現都城医療センター)の歯科口腔外科に移りました。ちなみに都城市はタレントの東国原英夫さんや俳優の永瀬正敏さんの故郷です。
約5年間、診療の現場でスキルを高めさせていただき、2013年からは都城医療センターと併任という形で国立療養所星塚敬愛園の歯科口腔外科に着任しました。

――研修医、勤務医の期間に多くの経験を積まれたのでしょうね
口腔外科の範ちゅうだけでなく歯科治療にも多く携わることができました。インプラント治療にも深く関わることができました。都城医療センターでは、口腔癌や外傷などの急性期医療、星塚敬愛園では高齢者に対する慢性期医療に携わり、そこで経験した様々なライフステージにおける歯科治療に従事できたことが、現在の歯科臨床の礎となっています。
また、休日を利用してさまざまなセミナーに参加できたのも貴重な経験になっています。

「思い」が「確信」にかわった瞬間

――特に印象深いセミナーはありましたか
2010年に受講した歯科基礎臨床講座が強く印象に残っていますね。
アゴの位置や噛み合わせが全身の健康と密接に関係していることが学べました。漠然と抱いていた推論や推測がカチリッと噛み合った瞬間でしたね。
それまで歯科だけでなく内科や外科の患者さんも診察する機会があったのですが、患者さんの中にお口の不調をかかえた方が実に多かったのです。
口の中と全身のコンディションが密接につながっていることを実例やデータを通して確認できたのは大きな経験でした。

――2018年に独立されて「いわよし歯科クリニック」を開業されました。
先ほどお話したセミナー以外でも研修医、勤務医としての経験の中で気づいたこと、感じたことがたくさん私の中に積み重なっていました。
治療を終えたあとで再び同じような状態を繰り返さないためには患者さん本人の意識改善が必要な場合もあります。
指導や提案を含めて総合的にケアできる歯医者さんが必要だと痛感したわけです。

オーラルケアの地域拠点として

――お口のトータルケアを実現する拠点として「いわよし歯科クリニック」があるわけですね。
そのとおりですね。
患者さんの痛みを取ってあげるのが歯科医の役割ではあるのですが、痛みが発生する原因となっている生活習慣や食生活の改善を提案していくことも歯科医の重要な役割だと思いました。
また、治療の後には定期的なメンテナンスも必要です。
これらを実現するためには、患者さんにとって歯医者さんが身近な存在でなければなりません。
そのための拠点を作ろうと思いました。

――「らしく生きることを見継(みつ)ぐ」という運営理念についてお聞かせください。
患者さんがよりよい人生をおくれるように歯科医院として見守り続けるとでもいいましょうか。
お口の中の好不調は幸福度に直結すると考えています。
歯が痛くて食事ができない、とか。入れ歯が合わなくて好きな物が食べられない、とか。
そういう、望まない状態から、いかに患者さんを解放してあげられるかが重要です。
痛みが癒えたら「はい、完了」ではなく、あとあとの人生にもしっかり寄り添える歯医者さんでい続けなければいけないという理念と願いと自戒も込めた言葉です。

――「おいしく食べられることをあたりまえにする。」というビジョンも掲げていらっしゃいますね。
トラブルが起きて初めて健康の大切さに気づくというのは体じゅうどこでも一緒で、お口の中に限ったことではないのですが、口のトラブルは「食べられない」に直結するので肉体的にも精神的にも深刻です。
しっかり噛んで食べられることが「いつも当たり前」であってほしいというのが「いわよし歯科クリニック」の願いであり、存在意義だと思っています。

「あたりまえ」の大切さを知っているからこそ

――「見継(みつ)ぐ」ためにまた「食べられるあたりまえ」を守るために心がけていることはありますか
例えば、今回治療した箇所が何年か後で、再治療を必要としたとしましょう。
そのときの手当てが最小限で済むようにするのも歯科医のつとめだと考えています。
そのためには、正確な予測も重要になりますし、常に最新の治療技術を提供できる体制づくりも必要になります。
当然、歯科医師は常に勉強し続けなければなりませんし、技術を磨きつづけなければならないと思っています。

関わってくれる全員のためのクリニック

――ここからはクリニックの経営者としてのお考えもうかがいたいと思います。
地域の方に信頼されるクリニックであり続けることは、歯科医師としても医院経営者としても最も重要なポイントだと思っています。
そのうえで、医院経営で常に念頭に置いていることは「医療はチームワークであり、そのチームを十分に機能させるにはチーム全員が安心して業務に専念できる環境を整えること」です。

――チーム全員が安心できる環境づくりというのは具体的にどのようなことでしょうか。
チームスタッフが迷ったり悩んだりしないよう、守るべきことを「いわよしベーシックルール」として明文化しています。
患者さんのためのルールでもあると同時に、全員が気持ちよく働ける環境作りのためのルールでもあります。

――ルールの内容を少しご紹介いただけますか。
みんなが気持ちよく働けて、それぞれが能力を存分に発揮するための決め事なので難しいことはありません。
例えば「挨拶と返事をしっかり」という項目があります。コミュニケーションは医療チームにとって重要なファクターです。その基本となるのが「挨拶と返事」というわけです。

アサーションの重要性

――コミュニケーションを大切にした職場という印象を受けました。
「アサーション」という言葉があります。
相手をリスペクトすること。相手の立場や考えを尊重しながら、対等な立場と同じ目線で自分の意見はしっかり伝える、という考え方です。当院ではこの「アサーション」を大切にしています。
自分本位な考えではチームワークは成立しません。かと言って遠慮して何も言えないという環境ではフラストレーションがたまってしまいます。
お互いを認め合いながら自由に意見交換できる雰囲気作りをすすめています。

――チームスタッフのスキルアップについてはいかがでしょうか。
院内研修会を定期的に行っています。
研修を通してそれぞれが技術的な向上を目指すのはもちろんですが、技術や課題についての共通理解が深まることを狙っています。
また定期的に行うミーティングを通しても情報交換、知識共有をすすめています。
当院が薦める学会や研修に参加する場合は援助も行なっています。

職場であるとともに学びの場

――人材の育成にも力を入れておられるのですね
もしも当院を辞めたとしても、他でしっかり活躍できる人になってもらいたいと思っています。
挨拶や返事、コミュニケーションといった基本的な習慣を当院で働いている間にしっかり身につけてもらえれば、将来必ず役立つと思います。
さまざまな環境にスムーズに融け込める性格形成や、信頼される人間性の創出といった個人的な成長は、クリニック全体のレベルアップ、雰囲気良化にもつながると思っています。

――最後に「いわよし歯科クリニック」の将来展望をお聞かせください
地域の皆さんや患者さんにとってかけがえのない健康の旗印であり続けたいと思っています。
それこそが、「いわよし歯科クリニック」の基本理念ですし、また、それがクリニックのステータス、アイデンティティになっていくものと信じています。
それらがチームスタッフ全員にとってもステータスになっていくでしょうし、ここで一緒に働くことの責任と誇りに繋がるのではないでしょうか。

――本日はありがとうございました。

言葉の端々からにじむ誠実な人柄

一つひとつの質問に真剣に答えてくれる姿勢に有村院長の実直な人柄が表れているように思えました。
決して大風呂敷を広げるタイプではなく、歯科医としても経営者としても基本を大切にしておられることが伝わります。
真剣に患者さんとスタッフのことを考えておられる。「いわよし歯科クリニック」はこれからも地域にとってなくてはならない医療機関であり続けると確信しました。

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