空飛ぶネコ
我が家の家族として住んでいるメスの家猫。名前は「エリモ」。
去年の夏の夜、不思議な光景を目撃した。
それは「エリモ」が窓の網戸ごしに、となりの家猫と人間のような会話をしている光景。
「にゃーお」「にゃおにゃお」「にゃにゃ、にゃーご」
まるで、近所のおばちゃん達が世間話をしているような感じだった。
会話の中の相槌の打ち方も、人間のような雰囲気だった。
例えば(勝手な想像だけれども)
(うちの飼い主は○○なのよ)
(そおー、大変ねぇ)
こんな感じかな。
「エリモ」は私が近くにいることはわかっているはずだけれど、ぜんぜん気にもしていないようだった。
猫の世間話(?)の感覚が、あまりにも面白くて耳だけをそちらのほうに向けて、気がつかないフリをして聞いていた。
世間話のネタが切れたのか、「エリモ」はとなりの家猫と離れて、わたしの足元に寄ってきた。
私の足のにおいを嗅いだ後、廊下に寝そべり、空を飛んでいるような伸びをしていた。
「エリモ」のことは家族と思っているから、人間のようにふるまっている様子をみても、私は別に気にはしないけれど、なんとも不思議な感覚になったことが印象的だった。
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